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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第4章 令和のおなごは何かと面倒だ

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戦国女子!ランジェリーショップに入る!

「さて、心の準備は出来たようね?…今からあの店に行くけど、あそこの店の店長…いえ、女将は私の友達なの!…だから、ちゃんとしたサイズを測ってもらってからランジェリーを選ぶようにしましょう♪」


「さいず?…瞳殿(どの)?…それはいかなる物ですか?」


「えぇ~~っと……ま、それは(あと)から分かるから!…とりあえず私に着いて来て…」


 いよいよ私達はこれまで見た事も無いほど明るい店の中に入ったのだが、そこはまるでおなごの園のような場所だった…それに、至る所でおなご達が[らんじぇりー]なる物を手にし楽しそうに笑っている!。


(そ、それほど楽しそうにしているとは…よほど男にあの人形の(よう)な姿を披露したいのだろうか?…全く、この時代のおなごは乙女の慎ましさを知らぬのか?)


「さてと、我が友、恭子はいずこに~~~~………あ、居た居た♪…おねちゃん、(かえで)ちゃん、ちょっち友達を呼んでくるから、ここで大人しく待っててね!…何処にも行っちゃダメよ!」


「あははは~♪…いいよ~…」


「畏まりました…」


 瞳殿(どの)は、店の奥で[ランジェリー]とやらを綺麗に折り畳んでいる髪の短いややふくよかな容姿のおなごの元へと向かった、恐らくあの彼女がこの店の女将なのだろう…。


「あははは~♪…ねぇ?…(かえで)ぇ~、やっぱりうちは桃色が似合うんだってぇ~♪…」


「そのようですね…」


「ふふん♪、たっちゃんもね、うちの為に!…うちの為だけに!!…桃色の[リップ]っていう(べに)をこの時代から買ってきてくれたんだよぉ~♪」


「それはおかしいです…確か、小一郎殿(どの)や、仲様にも土産があったと聞き及んでおりますが…」


「うっ…で、でも!…(かえで)なんて、たっちゃんから何も貰ってないでしょ!…」


「そ、それは…従者が…(あるじ)から施しをされるわけにはなりませぬゆえ…」


 忍びの鍛錬で[人相判断]を会得している私は、ずっと前からおね殿(どの)の唇は気になっていた、本来おなごが付ける(べに)はほんのりと赤いはず…なのに、彼女の唇は桃色だったからだ。


(…確かに…おね殿(どの)の唇はキラキラして綺麗だった……あれは……(あるじ)が、おなごのおね殿(どの)に……)


「ふふん♪…せっかく[れいわ]に来たんだから、今度はたっちゃんに直接うちのリップを選んでもらおうかなぁ~❤…」


「ど、どうぞ……御自由に…」


「で~も~……その時だけどぉ~~…(かえで)は何処かに消えててよねぇ~~……」


「な、何故です?…私は(あるじ)の警護役!…離れるわけにはまいりません!」


「おんやぁ~…今はたっちゃんと離れてるじゃん!…もう(かえで)だって、この時代は安全だと分かってるんでしょ?…お馬鹿のうちでも気が付いてるんだもん、あんたが気が付かないはずないでしょ?」


「そ、それは……」


「ふひ♪…だ~か~ら~…うちとたっちゃんの買い物を~…邪魔しないでよねぇ~~♪」


「す、好きになされば…よ、よいのでは……」


「ふひ♪……じゃぁ~~、そうするねぇ~~~~~♪」


 おね殿(どの)は無邪気な笑みを浮かべながら、自分の顔を私の顔に寄せた…。


(……え!!……わ、私………今……右手を…握り締めている?……それに…この不愉快な気持ちは何なのだ?……たかが(あるじ)とおね殿(どの)が買い物をするだけなのに……)


「お待たせ!…ちゃんと大人しく待っててくれたようね!…」


 瞳殿(どの)は明るい表情で私達の待つ場所へあのおなごと共に戻って来た…ただ、今の私は彼女と逆の心境だが…。


(これはまだ、私の心がこの時代に対し敏感になっているからだろう…買い物だけで不愉快になるなど、笑止千万…まだまだ鍛錬が足りてない証拠…それに、今のおね殿(どの)は、私に敵対心など持っていなかったのだ…なのに…私は…)


「さ、紹介するわね、私の友達でもありこの店で一番えらい人!…近藤恭子(こんどうきょうこ)さんです!」


「なんだか変な紹介ね、初めまして、近藤です!…今日はお嬢さん達のランジェリーをチョイスさせていただきます、まずB・W・Hのスリーサイズやカラー…それに、人それぞれ好みのデザインがあるのでゆっくり決めていきましょうね♪」


(…このおなごの言ってる言葉…半分しか理解出来なかった…)


「じゃ、今度はこちらの自己紹介ね、この可愛いポニーテールのお嬢さんが橘楓(たちばなかえで)ちゃん、そして…」


「あははは~♪…うちは、きのし……ぐっ!!!…」


 いきなり瞳殿(どの)は右手でおね殿(どの)の口を塞いだ!…私の想像だと、またおね殿(どの)が余計な言葉を滑らしてしまう事を警戒したのだろう!。


「はは、恭子…こ、この子は[おさね]ちゃん、わ…私の親戚なの!……は、ははは……」


「そ、そう…よ、よろしくね……」


「あ、あのさ!…恭子、この子達…本格的にランジェリーを買うの初めてで…試着室に入るの緊張するかも知れないから、私も一緒の方がいいんだけど…」


「そう…じゃ、一番奥の広い試着室が空いてるか確認してくるわ…少し待ってて…」


 近藤殿(どの)は何やら不思議そうな表情でこの場を離れ、試着室なる所へと向かって行った…。


「ちょっと、瞳ちゃん!…何でうちの口を塞ぐのよ!…それに、[おさね」って何?…」


「あのね、この時代に[おね]なんて名前の子はまず居ないの!…それに、フルネームだと色々な事で面倒になりそうだし…恭子はあぁ見えて歴オタだから……と、とりあえず、この店に居る(あいだ)、おねちゃんは[おさね]で通してもらうわ!…でないと何も買ってあげないからね!」


「…う……分かりました……今から…[おさね]になる……」


「あ、あの…私は…(かえで)で…よろしいのですか?…」


「うん、この時代でも(かえで)って名前の子は居るから、あなたは大丈夫よ♪」


「…なんでこの時代まで[(かえで)]の名前が残ってるのに、[おね]は残ってないのよ!…」


「え、えっと……べ、別の名前で…の、残ってるんだけどね…教科書とか……」


「え?…瞳ちゃん?…今、何か言った?…」


「いえ、何でも無い…」


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