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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第3章 戦国女子が令和の時代に来るとこうなります!

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藤本夫婦

 少し丸い青き(いのしし)の中から、一人のおなごが出てきた…顔はこの時代らしく化粧で綺麗にしており、髪は首筋まで伸ばした細身のおなごだ…恐らく背丈は私と同じくらいだろうか…。


(着物もここに来る時に見かけたおなご達と同じの様に見える…)


「おう、悪いな!…また呼び戻して!」


「別にいいけど、もしかして…浩一の後ろに居る彼女達が……例の?……」


「あぁ、そうだ…ここに来るまで淳一を交えて色々話をしたが、本当に戦国時代から来たようだ…あ、おねさん、橘さん、紹介します!…妻の[瞳]です…」


「初めまして♪…戦国時代のお嬢さん、浩一の妻、瞳です♪………へぇ~~…どちらもお綺麗な(かた)じゃない♪……で、どちらさんが巽君のお嫁さん候補なの?」


(は?…このおなごは、いきなり何を言い出すのだ?…)


「あははは~♪…いやぁ~…まだ、たっちゃんとは、そこまで話をしてないっていうか~❤……一応まだうちには亭主が居るしぃ~~……あ、申し遅れてごめんね、うち[木下おね]だよ~♪…よろしくね♪」


「木下……おね?…………えぇっ……えっ!……あ、あの太閤の!……」


「瞳、淳一からの伝言だ!…「歴史の文献を鵜呑みにするな!」と…そして、何も考えず彼女達と接してやって欲しいと……」


「う…うん、分かった……よ…よろしくね、おねさん……」


「あははは~♪…うちは[おねちゃん]でいいから、そう呼んでねぇ~、瞳ちゃん♪…ふぅ~~♪」


「は、はぁ……あの?…こ、浩一?…わ、私も…た…巽君の指示に…従う事にする……」


「あぁ、それがいい…もうそれ以上、何も考えるな……歴史で学んだ理想像も忘れたほうがいい……」


 彼女の人相を見ると、目はドングリの様に丸く、ほっそりとした両頬…小さな丸い鼻に上向きの口元、おね殿の見詰める目はやや戸惑いの輝きを放ってはいるが、疑心も敵意もその目の光りから感じる事は無く、このおなごは無害だと判断した。


「次にこの(かた)は、淳一の警護役で橘楓(たちばなかえで)さん!」


「あら♪…可愛いポニーテールをしてるお嬢さんね♪…よろしく、楓さん♪」


「よろしく…頼みまする……私…大和飛燕流(やまとひえんりゅう)伝承者……橘楓(たちばなかえで)と申します…」


「まぁ♪…家元(いえもと)さんなの?…お花ですか?…それともお茶?……でも、そんなので巽君の警護なんて出来るのかしら?…」


「いえ……私が伝承している流派は……これですので……」


 私は手にしていた仕込み刀の鞘を少し引き、愛刀(あいとう)の刃を瞳殿(どの)に披露した!。


「これは…始祖より代々受け継がれている[虎斬燕(こざんえん)]…瞬時に虎の首を()ねた名刀です…」


「え?…そ、その杖!…か、刀…だったの?…てっきり、ぬいぐるみを付けてるから…」


「瞳……これもあまり深く考えるな……ぬいぐるみは刀とバレない為のカモフラージュだ…」


「な、なるほど…こ、浩一……ちょ……ちょっと待っててね………すぅ~~~~~……はぁ~~~~……すぅ~~~…はぁ~~~~~………よ、よし!…落ち着いた!……あ、あのね…楓さん?……その刀は、あまりこの時代の人に見せちゃダメよ!……大変な事になるから…ね?…私と約束出来るかな?…」


「瞳殿(どの)…あなたと私は…主従では…ありません……なので…そのような(めい)を下されても…お受け出来ませぬ…」


 どうやら瞳殿(どの)は私が名刀を持っている事に嫉妬しているのでは無いようだ…それよりも、このおなごの表情は私の身を心配しているようにすら窺える…。


(しかし、私に(めい)を与えられるのは(あるじ)のみ…)


「で、でもね…もし最悪な事になったら…楓さんは元の時代に戻れなくなるの…」


(あるじ)を守り命を捨てるは剣客の本望……立ち塞がる者は容赦なく斬り捨てます…」


「あははは~♪…まぁこの(かえで)はうちより、ちょこっとだけ強いのは認める!…一人で野党6人を叩きのめしたほどの凶暴なおなごだから~♪…」


「おね殿(どの)……以前の手合わせで…竹刀とはいえ、そなたは私に首を()ねられた事をお忘れか?…」


「それを言うなーーーーーー!!」


「こ、浩一……私、教員免許持ってるけど……この戦国女子には…現代教育は通用しないと思う……」


「……淳一は、中々厄介なギャル達を押し付けやがったな……」


 どうやらこの夫婦において、私とおね殿(どの)は手に余る存在だと思われているのか、我らを見詰めるあの夫婦の視線からは何処と無く戸惑いと怯えを感じていた。


(まぁ当たり前の反応だろう…いきなり現れた463年前のおなごをどう扱えばいいのか、私だってその立場になると同じ状態になるはず…)


「で…私は巽君が戻って来るまで、おねちゃん達と交流を深めておいて欲しいというわけね?」


「あぁ、俺や淳一以外に女性の理解者も必要だと思うし、それにまだ倉庫で俺は作業が残ってるから、近くのコーヒーショップかファミレスにでも彼女達を案内してもらえたら助かるんだが…」


「私一人で!…だ、大丈夫かな……」


(何やら私やおね殿(どの)を聞いたことの無い何処かの場所に連れ出そうとしているのは分かる…はっ!…もしかして!…我らを軟禁するつもりか?…いや、藤本殿(どの)(あるじ)の御友人…それにとても親切だ……だが、私は[忍び]でもある…ここは疑っておくのが賢明……)


「藤本殿(どの)に…お伺いいたします、我らを…何処に連れ出すおつもりか?…私は、(あるじ)の帰りを…待たねば、なりませぬ!…返答次第では…その案…御受け出来かねます!…」


「ははは、橘さん、そんなに警戒しなくても心配ありません、私は妻に甘い物が沢山ある橘さんの時代で言う[お茶屋]に連れて行ってあげて欲しいと頼んでいたのですよ…」


「え?……あ、甘い物!…沢山の……甘い物があるお茶屋♪……」


 しまった!…つい甘い物と聞いてしまい、私ともあろう者が[忍びの心得]を忘れ、口をにやけてしまったのを藤本殿(どの)に見られてしまった。


「ほっ…淳一が食事中、ラインで彼女らの情報を細かく送っておいてくれて助かった……」


「あははは~♪…甘い物がいっぱいのお店~?…うち行きた~~~~い♪」


「ぇ…え……浩一?……や、やっぱり…わ、私一人で…彼女らを連れてくの?…か、かなり自信が無くなってきたんだけど……」



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