戦国女子!令和の時代を見る!
やはりおねちゃんはこの令和の時代に来ても、楓さんに対しては好戦的な態度を崩す事は無かった…ある意味この人の心臓は鋼ではなく、ダイヤモンド級の心臓なのだと、この時俺は理解した…。
「お~~い、全然可愛くない楓さんや~~い?…」
「お、おねちゃん…本当に楓さんの邪魔をしちゃダメですよ…」
「お~い、うちを無視してるのは………あれ?……」
「ど、どうしましたか?」
いきなりおねちゃんが不思議そうに楓さんの顔を覗き込んだので、不安になった俺も彼女の前に移動しその顔を確認してみると、ソコには目を開けたまま意識を飛ばしている楓さんが立っていた!。
「き、気絶…して…ますね……」
「う、うん…あの剣客が…ここの風景を見ただけで気絶してる♪…あは、情けな~い♪」
「ふ、普通、過去から未来に来た人の反応はこんなもんですよ…おねちゃんは、特別型ハイブリット仕様なんです……」
「…よく分からない言葉だけど…馬鹿にされたのは分かる…」
「い、いえ…そんなつもりでは…あ、早く楓さんを起こさなきゃ…」
「ふひ♪」
「ふ…ふひ?…」
不敵な笑みを浮かべたおねちゃんは、さっと両手で俺の背中を押し、楓さんから3メートルほど離れると、ニコニコしながらある提案を俺に持ちかけた。
「うふん♪…たっちゃん?…このまま楓を置いて二人で遊びにいこうよ♪…たっちゃんの行きたい所でいいから、うちを連れて行って❤」
「な、何を言っているんですか…楓さんをここに一人残すわけにはいかないでしょ!」
「大丈夫♪…楓には大和飛燕流がある♪…きっとこの時代でも立派に生きていけるからさぁ~♪」
「い、いえ…この時代に大和飛燕流なんて使ったりしたら、楓さんの人生も終わりますので…それに、楓さんは[忍びの心得]もあるんですよ!…あの時のように、すぐ私達を見付けだします!…その後の事を考えてください…地獄になりますよ!」
「あははは~♪…そん時はうちが楓を黙らしてあげるから~♪…心配ない!」
「そ、その自信……何を根拠におねちゃんから沸いて出るのですか?…」
俺は右手を額に当て悩んでいると、ようやく楓さんも意識を取り戻したようだった。
「はっ!………こ……ここは………見慣れぬ風景………やはり……私は……未来に…」
「あ、気が付きましたか?…楓さん?」
「ちっ!」
「ちっ?」
またしてもチャンスを逃したおねちゃんは、軽く舌打ちをし楓さんから目を背けた。
「あ…主……こ、ここは…やはり……」
「えぇ、463年後の未来、令和の時代ですよ♪」
「そ、そうでしたか…つい…見た事の無い風景に圧倒され……意識が……」
「ずっと意識が戻らなければ良かったのに……」
「おねちゃん、約束を忘れてませんか?…ここでは…」
「はいはい、みんな仲良くだよね!…分かってるって!」
♪キィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーン
「な、何?…この大きな音!…た、たっちゃん?……凄い音が聞こえてくる!…これ何?…」
「あ、主……これは…何かの…妖術ですか?……耳に響きます……」
「え?…あ、あれの事だね!」
俺は彼女達の前で人差し指を空に向ける、それにつられ二人は空を見上げた!。
「わっっっ!!…な、何?……あ、あのでかい鳥!!……鳴き声もうるさい!!…」
「え……あ…………あぁ……」
「あれは[飛行機]という人を乗せて空を飛ぶ乗り物です、凄く早くて…この摂津の国から武蔵国まで、約半刻ほどで行けるんです♪」
「う、嘘……尾張からでも…半月は…かかるのに…たった…は、半刻で?……やはり、未来は凄い事になってるんだ!…あ、あれに人が乗って空に居るのも……し、信じられない…」
「あ………ぁ…………ぁぁ………」
「か!…楓さん!!」
大きな飛行機を見てセカンドインパクトを受けた楓さんは、貧血のようにふらふらと俺に倒れ込み、そんな彼女の身体を俺は両手でしっかりと受け止めた!。
「あははは~♪…天下の大和飛燕流も、ここじゃなっさけなぁ~い♪…その点、うちなんか、あの鳥を見ても全然…へい………はっ!……そ、その手があった~!………なんでうちは、楓より先にそうしなかったのぉ~~!…馬鹿、馬鹿、馬鹿…おねの馬鹿ぁ~~~!」
「あ……主……すみません……あ、あまりの……驚きに……つい……目の前が真っ白に……い、いずれ…この時代にも……慣れるかと……」
「そう…楓さん…もう、立てますか?…」
「も…もう暫く……このままで……すみません……まだ、足がふらついて……」
「楓ぇ~~!…あんた、わざとしてるんじゃ無いだろうねぇ~~?」
「……意味不明………私も…人の子……気分が悪くなる事も……あります……」
「ふん!…どうだか!…うち、もっと近くで川を見てくる!」
(あ~あ…ヘソを曲げちゃったか……)
こうして、おねちゃんは両手の拳を腰に当て、ややがに股歩きをしながら川岸へと歩き出した…。
「あ…主?…どうしておね殿は不機嫌になられたのですか?…私、何もおね殿にはしておりませんが……」
「そ…そうだね…で、でも…あまり深く考えないようにしようね……」
「でも…後でおね殿に謝っておきます…でなければ、主の命に背く事になりますから…みんな仲良く…ですよね?…」
「うん♪…そうしてくれるかい?」
「はい………あ、あの……」
「まだ何か?」
「も……もう…大丈夫ですので……その……は、離れても……いいですか?…」
「あ、そ…そうだね!…はは、ごめん……」
何とか意識をハッキリさせた楓さんは、一人淋しそうに川を見詰めているおねちゃんの所に歩き出した、そんな俺も彼女の後ろ姿に引かれ着いて行く…。




