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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第3章 戦国女子が令和の時代に来るとこうなります!

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戦国女子!令和の時代を見る!

 やはりおねちゃんはこの令和の時代に来ても、楓さんに対しては好戦的な態度を崩す事は無かった…ある意味この人の心臓は(はがね)ではなく、ダイヤモンド級の心臓なのだと、この時俺は理解した…。


「お~~い、全然可愛くない楓さんや~~い?…」


「お、おねちゃん…本当に楓さんの邪魔をしちゃダメですよ…」


「お~い、うちを無視してるのは………あれ?……」


「ど、どうしましたか?」


 いきなりおねちゃんが不思議そうに楓さんの顔を覗き込んだので、不安になった俺も彼女の前に移動しその顔を確認してみると、ソコには目を開けたまま意識を飛ばしている楓さんが立っていた!。


「き、気絶…して…ますね……」


「う、うん…あの剣客が…ここの風景を見ただけで気絶してる♪…あは、情けな~い♪」


「ふ、普通、過去から未来に来た人の反応はこんなもんですよ…おねちゃんは、特別型ハイブリット仕様なんです……」


「…よく分からない言葉だけど…馬鹿にされたのは分かる…」


「い、いえ…そんなつもりでは…あ、早く楓さんを起こさなきゃ…」


「ふひ♪」


「ふ…ふひ?…」


 不敵な笑みを浮かべたおねちゃんは、さっと両手で俺の背中を押し、楓さんから3メートルほど離れると、ニコニコしながらある提案を俺に持ちかけた。


「うふん♪…たっちゃん?…このまま(かえで)を置いて二人で遊びにいこうよ♪…たっちゃんの行きたい所でいいから、うちを連れて行って❤」


「な、何を言っているんですか…楓さんをここに一人残すわけにはいかないでしょ!」


「大丈夫♪…(かえで)には大和飛燕流(やまとひえんりゅう)がある♪…きっとこの時代でも立派に生きていけるからさぁ~♪」


「い、いえ…この時代に大和飛燕流(やまとひえんりゅう)なんて使ったりしたら、楓さんの人生も終わりますので…それに、楓さんは[忍びの心得]もあるんですよ!…あの時のように、すぐ私達を見付けだします!…その後の事を考えてください…地獄になりますよ!」


「あははは~♪…そん時はうちが(かえで)を黙らしてあげるから~♪…心配ない!」


「そ、その自信……何を根拠におねちゃんから沸いて出るのですか?…」


 俺は右手を(ひたい)に当て悩んでいると、ようやく楓さんも意識を取り戻したようだった。


「はっ!………こ……ここは………見慣れぬ風景………やはり……私は……未来に…」


「あ、気が付きましたか?…楓さん?」


「ちっ!」


「ちっ?」


 またしてもチャンスを逃したおねちゃんは、軽く舌打ちをし楓さんから目を背けた。


「あ…(あるじ)……こ、ここは…やはり……」


「えぇ、463年後の未来、令和の時代ですよ♪」


「そ、そうでしたか…つい…見た事の無い風景に圧倒され……意識が……」


「ずっと意識が戻らなければ良かったのに……」


「おねちゃん、約束を忘れてませんか?…ここでは…」


「はいはい、みんな仲良くだよね!…分かってるって!」


 ♪キィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーン


「な、何?…この大きな音!…た、たっちゃん?……凄い音が聞こえてくる!…これ何?…」


「あ、(あるじ)……これは…何かの…妖術ですか?……耳に響きます……」


「え?…あ、あれの事だね!」


 俺は彼女達の前で人差し指を空に向ける、それにつられ二人は空を見上げた!。


「わっっっ!!…な、何?……あ、あのでかい鳥!!……鳴き声もうるさい!!…」


「え……あ…………あぁ……」


「あれは[飛行機(ひこうき)]という人を乗せて空を飛ぶ乗り物です、凄く早くて…この摂津の国から武蔵国(むさしのくに)まで、約半刻ほどで行けるんです♪」


「う、嘘……尾張からでも…半月(はんつき)は…かかるのに…たった…は、半刻で?……やはり、未来は凄い事になってるんだ!…あ、あれに人が乗って空に居るのも……し、信じられない…」


「あ………ぁ…………ぁぁ………」


「か!…楓さん!!」


 大きな飛行機を見てセカンドインパクトを受けた楓さんは、貧血のようにふらふらと俺に倒れ込み、そんな彼女の身体を俺は両手でしっかりと受け止めた!。


「あははは~♪…天下の大和飛燕流(やまとひえんりゅう)も、ここじゃなっさけなぁ~い♪…その点、うちなんか、あの鳥を見ても全然…へい………はっ!……そ、その手があった~!………なんでうちは、(かえで)より先にそうしなかったのぉ~~!…馬鹿、馬鹿、馬鹿…おねの馬鹿ぁ~~~!」


「あ……(あるじ)……すみません……あ、あまりの……驚きに……つい……目の前が真っ白に……い、いずれ…この時代にも……慣れるかと……」


「そう…楓さん…もう、立てますか?…」


「も…もう暫く……このままで……すみません……まだ、足がふらついて……」


(かえで)ぇ~~!…あんた、わざとしてるんじゃ無いだろうねぇ~~?」


「……意味不明………私も…人の子……気分が悪くなる事も……あります……」


「ふん!…どうだか!…うち、もっと近くで川を見てくる!」


(あ~あ…ヘソを曲げちゃったか……)


 こうして、おねちゃんは両手の拳を腰に当て、ややがに股歩きをしながら川岸へと歩き出した…。


「あ…(あるじ)?…どうしておね殿(どの)は不機嫌になられたのですか?…私、何もおね殿(どの)にはしておりませんが……」


「そ…そうだね…で、でも…あまり深く考えないようにしようね……」


「でも…後でおね殿(どの)に謝っておきます…でなければ、(あるじ)(めい)に背く事になりますから…みんな仲良く…ですよね?…」


「うん♪…そうしてくれるかい?」


「はい………あ、あの……」


「まだ何か?」


「も……もう…大丈夫ですので……その……は、離れても……いいですか?…」


「あ、そ…そうだね!…はは、ごめん……」


 何とか意識をハッキリさせた楓さんは、一人淋しそうに川を見詰めているおねちゃんの所に歩き出した、そんな俺も彼女の後ろ姿に引かれ着いて行く…。


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