行って参ります!
いつもこの作品を読んでいただきありがとうございます。
第3章より[なろう朗読]アプリを利用されている読者の方にも、なるべく心地よく聞いていただけるようルビを増やしております、些か文字が読みずらいとか、この字にルビいる?と思われるかもしれませんが、なるべくアプリが誤読をしないようにする為の手段でございますので、御了承の程をヨロシクお願い致します。
最後に、いいね♪や、ブックマークをポチッて頂いた神様に心から感謝いたします。
「ご、ごめん、何か勘違いをさせる言葉を使ってしまって…そ、その…楓さんにも、令和の時代を楽しみにしてもらいたくて…」
「わ、私の方こそ…い、色々初めての事ばかりだったので…気分が舞い上がってしまい…とんでもない聞き間違いをして…も、申し訳、ありません…」
楓さんは湯飲みをクルクルと回しながら、頬を赤らめゆらゆらと波立つお茶を見詰めていた…俺も自慢出来るほど恋愛経験は少ないが、彼女はそれ以上に男とこんな経験が無いのだから、ドギマギしてもしょうがないのである。
「じゃ、じゃぁ…お相子という事で…」
「は……はい……」
剣術修行ばかりの人生なのか?…と、思っていたが、彼女も[愛する]の意味は理解していたようだ…でなければ、あれほど頬を赤らめる事は有り得ない。
「あ、あのさ…俺、楓さんには令和の美味しい物を沢山食べて欲しいんだ…きっと驚くと思うよ!」
「…そんなに色々あるのですね、楽しみです♪…本当に、未来に行けたらの話しですが…」
「大丈夫だよ、楓さんの言った通り、一緒に行けるはずだよ!」
「おね殿も楽しみにされているようですね…」
♪ドキッ!!
おねちゃんの名前が楓さんの口から出た瞬間、俺は遠くを眺めながら、何かを隠すかのように団子を思い切り口の中へと頬張った!。
「主…私、分かった気がします……」
「な、何をかな……はは…」
「おね殿の気持ちが……何となく………」
♪ドキ、ドキ、ドキ……
(す、すみませんが…そこで言葉を切られてしまうと、俺の頭の中で、多種多様な葛藤が始まってしまうのですけどぉ~~!)
「お、おねちゃんの…き、気持ち?…」
「はい、主…きっと、おね殿は……恐らく……」
(だから、何でここでサイボーグモードに戻るんだよ!…さっきみたいに、滑らかな話しをして俺を楽にさせてちょうだいよ!…)
「お、おねちゃんは?……」
「わ、私の若さに…嫉妬されてます!!…」
「は?」
もしかして、楓さんから剣術を排除すると、(ほぼ、藤吉郎様に近いボキャブラリーを持つ人なのではないか?)と、俺のセブンセンシズは思い始めた…。
「だ、だって…あの野党共も言ってました!…年増に用は無い!って…」
(あの…それ、マジおねちゃんの前で言ったら、一生あなたを目の敵にしますよ…)
「あ…あの…楓さん?…」
「だから、私が初めて木下様の家に伺った時も、あのような態度をされたのですよ!…年頃の娘である私を見て、おね殿はおなごの嫉妬が出たのです!…きっとそうです!…」
(藤吉郎様………今、私にも分かりました……あなたは…直感だけで「楓ちゃんはわしと同類だ♪」と、感じちゃったのですね…それで、楓さん推しになったのか…)
俺はそっと目線を夏の青空に向けると、そこには右手の人差し指と中指をビシッ!と、真っ直ぐに伸ばし、その指先を自分の眉に当て、俺にウインクをしながら決めのポーズをしている藤吉郎様の顔が空に浮かんでいた…。
(全然…かっこ良くないし!…むしろ…キモイ…)
まぁ、俺が恐れていた事態へ発展しなかったのがせめてもの救いとなった…ただ…出立前に改めておねちゃんと楓さんについて、細かい取り決めを作らなければならない事にはなってしまったが…。
「楓さん?…もし、おねちゃんがそうだとして、また勝負を挑まれれば受けるのかい?」
「私との実力差は歴然です、これ以上の争いは無用だとは思いますが、挑まれれば受けるのが礼儀だと思っております!」
「あ、あのさ…出来れば…おねちゃんとは勝負しないで欲しいんだ…きっと、おねちゃんも、楓さんの実力はもう認めてるから挑んでは来ないと思うけど、もし何かの切っ掛けで勝負を挑まれても、楓さんの方から受け流して欲しい…」
「おね殿が何を挑んで来ても、私には敵いませんよ!と、言えばよろしいのですか?」
「それじゃ火に油だって…そうじゃなくて、お互い仲良くして欲しいんだよ…」
「…しかし、おね殿は…私を嫌っていますし…私があの方より後に生まれたのは天命なので、私の年齢が若いからという理由で嫌っておるのなら、それは無理な願いかと…」
恐らく彼女も細胞の何処かに持っているであろう[女の勘]が覚醒しなくて安心したが、これは想像通り[一筋縄]でいく問題では無いと感じた。
「では、年上のおねちゃんから「仲良くしてね♪」と、言ってきたら友達になれる?」
「えぇ、それは喜んでお受けします、私も常に主の側におりますので、おね殿の視線も気になりますし…仲良くなればそれも気にせず済みますから…」
(…こりゃ、おねちゃんから先に折れてもらうしかないか…出来れば[令和ツアー]中に仲良くなれるよう、俺も色々イベントを考えてみよう…)
これで俺の令和でやる目的がもう一つ追加された、一つは信長様への献上品一式を購入、そして二人の美女をお友達にさせる作戦だ!。
(この際、浩一にも協力してもらおう!)
それから何かと準備期間に手間取り、信長様と拝謁してから15日ほど過ぎた夜、いよいよ俺とおねちゃん…そして楓さんは、藤吉郎様と小一郎様に見守られながら、あの庄内川の欄干の前に立っていた。
「姉上、母上からも「くれぐれも用心するのですよ」と承りました…どうか、御無事で…」
「あいよ~♪…沢山、お土産持って帰ってくるねぇ~♪」
「おね、わしは、片時もそなたを…わ、忘れぬからな…あぁ~…さ、淋しいのぉ~~♪…」
(藤吉郎様、自分では分からないかも知れませんが、嬉しそうに口元がゆるゆるになってます…もう、おねちゃんには…バレバレですよ…)
「あ、そ、うちにしてみれば、ちょっと会えないだけなんだけどねぇ~…」
「楓殿……巽殿と姉上をよろしくお願いいたしまする!」
「委細承知……必ず……お二人を……お守りいたします……」
「か、楓ちゃん!…決して、決して巽殿の近くで着替えなどしてはならぬぞ!…いつ巽殿が覗きおるか分からんでな…もうわしは、それが心配で心配で…」
(俺をあなたと同じ性癖の持ち主だと思って欲しくない…)
「ふん、うちにもそんな気の利いた言葉はないのかね…ま、別にいいけど……」
とりあえず彼女達には着物ではなく[浴衣]姿になってもらった、それはちょうどこの時期は、夏祭りや花火大会が多く、令和の人々からの視線も気にしなくて済むからだ。
「おねちゃん、楓さん…夕飯時も話しましたが、令和の時代では喧嘩は無し、私の指示に従う、一人で勝手に行動しない、いいですね?」
「あははは~♪りょう~か~~い!」
「愚問……委細承知……」
楓さんは、みんなに分からないようチラッと俺の顔を見て小さく微笑んだ、きっと[忍びモード]になった今の自分がおかしくてたまらないのだ!。
「では、小一郎様、後は手はず通りでお願いします!…後、本日私が令和に旅立ったと信長様にお伝え下さい…」
「分かりました…必ず約束の時間に、この川の土手にて兄上とお待ちしております!」
「よろしくお願いします、では…おねちゃん、楓さん!…行きますよ!!」




