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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第3章 戦国女子が令和の時代に来るとこうなります!

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おねの決意!

「な、なんと!…今、何と申した…巽殿!!」


「いや、あの…これから信長様の命に従い、また令和の時代に戻る準備を始めようと思うのですが…警護の楓さんが「自分の使命は(あるじ)を守る事だ」と言い張り、私と共に令和の時代へ着いて行くと……聞かなくて…」


 木下家に戻り、これまでの流れを皆さんに伝えたのだが、完全に予想通り[驚きのリアクション]を木下家の皆様は出してくれた。


「か、楓ちゃん!…み、未来の時代は何が起こるか分からんのじゃ!…ここは巽殿に任せ、皆で帰りを待とうではないか?…な、それがよい!」


「楓殿、兄上の言う通りです…私も以前、巽殿に未来に言ってみたいと申した事がありますが、巽殿の時代は(いくさ)すら無いものの、空気は悪く人の[()]も薄らいでいる淋しい時代だと聞いております…それに、巽殿の時代では身辺警護の必要も無いはずです…楓殿も静かに巽殿を見送ってあげてくださいませんか?」


「そ、そうなんだよ!…楓さん!…私の時代には人々を守ってくれる役人さんが居ますし、危険を感じたらすぐ伝達出来る道具もありますので、本当に警護は大丈夫ですので♪」


 こんな時の小一郎様は本当に頼りになる!あの優しい口調と相手を包む言葉は、さすが未来の<大納言>様だと俺は感心した。


「…私は…森様から命を受け…(あるじ)を守っております……命とは[(いのち)]と書きます…それは自らの命を賭け精進せよという事…それを遂行出来ない以上…私は無用長物…どうか…この場で…私をお斬りください……」


「か、楓ちゃん?…べ、別にそこまで思い詰めぬとも…そ、そうじゃ!…巽殿がなかなか糞が出ず、長~い(かわや)に行っておると思えばよいのでは無いか?」


「藤吉郎様…何ですか?その例え?…」


「楓殿、これほど兄上も心配されておるのです、あなたは一度巽殿を守っておりまする、十分に森様の(めい)をこなしていると私は思いますよ…それに、こんな事であの大和飛燕流(やまとひえんりゅう)を、あなたの代で終わらせるつもりですか?…それこそ先代の伝承者の皆様に申し訳ないとは思いませんか?」


「…小一郎…殿……」


 藤吉郎様には悪いが、もし!小一郎様が健康で長生きをし、豊臣秀吉に代わり豊臣秀長が[関白]となっていたら?…と、俺は考えてしまった。


(きっと民も隣人同士助け合い、笑顔の耐えない平和な世が始まっていたかも知れないな…)


「なぁ?…母ちゃんはどう思う?…さっきから黙っておるが…」


「…行っておいで、楓ちゃん!!」


「か、母ちゃん!!」


「おばちゃん!!」


「は、母上!…さっきまでの我らの話を聞いておられなかったのですか?」


「聞いていたよ、楓ちゃんの森様に対する忠義、正に天晴れではないか!…それに、出来ればわしがもう少し若ければ未来に行きたいと先に名乗りを挙げておったぞな~♪」


「か……母ちゃん?…」


「……は、母上……」


 やはり天下人(てんかびと)の母親、感心するほど肝の据わりようだが、今回はおばちゃんらしく引き止め役を期待していた俺だったが、またしても拍子抜け状態になってしまう…。


(ま、まずいよ…これで俺と楓さんは、令和に向かってランデブー決定となってしまった!…そ、そんなの…あの人が…黙って…)


「なら!…うちも、れいわの時代に行く!」


(ですよねーーーー!…そうなりますよねーーー!)


「お、おね!」


「姉上!」


「おやおや、おねもかい?」


 完全読み通りの展開になってしまった!…あのおねちゃんが、大人しく俺と楓さん2人きりで未来の時代に行かすなんて事は1億%有り得ないと俺は早々(はやばや)と感じていたのだ!。


「じゃ、じゃが!…おね、そうなると…わしはどうなるのじゃ?…わしの飯は?…」


「お母さん!…うちが、れいわの時代でたっちゃんの手伝いをしている期間、この人をお願いできますか?」


「暫くわしは…母ちゃんに飯を食わしてもらうのか?…お、おね…巽殿には楓ちゃんが着いておる…何もそなたまで…着いていかなくても…」


「何言ってんだい、まだ分からないのかい?…たっちゃんと楓が未来に行くって事は、何日も2人で寝食を共にするって事だ、も…もし、この2人が戻ってから数ヶ月ほど経って…か、楓の…お腹に…た、たっちゃんとの[やや子]が出来てたら…どう森様に弁解するつもりだい!…た、たっちゃんだって男なんだよ!」


(あ、やっぱり…そっちのエリアが気になるのね…)


「ま、まぁその可能性は否定出来ぬの…男は大抵おなごは好きだしの…しかし、楓ちゃんはしっかりしておるし、このひ弱な巽殿に押さえ込まれる事は…」


 藤吉郎様の言っている事は間違ってはいない…俺もまだ青年だし、女性とお()か付きになりたい欲望もある!…しかし、相手は最強のサイボーグ…下手に手を出そうものなら、ホラー映画で最初の犠牲者となるお決まりの[おちゃらけ野郎]が俺という事になってしまう…。


「その逆があるかも知れないじゃないかい!…楓だって、おなごだし、心変わりが…ある…かも…」


「そ、それは…ちと、マズイの…楓ちゃんが巽殿に惚れるのは…うむ、いかん、それはいかんぞ!」


「…愚問…私は……男など………」


「あんたは大人しく茶でも飲んでな!」


「…承知しました……」


「だからさ、楓がたっちゃんの警護をするなら、うちは楓の大切な乙女の(みさお)を守ってやりたいんだよ!…」


(あの…段々と俺、悪役になってきてませんか?)


「なるほど、可憐な楓ちゃんの(みさお)を守る為に、おねも同行したいのじゃな?…うむ、おねが一緒なら寝所(しんじょ)も別になるしの!…だが、本当に何が起こるやわからん時代に行きたいのか?」


「しょ、正直…怖いよ…み、見たこともない時代に行くなんて…で、でも…楓の身体が同じおなごとして心配なんだよ!…そ、それを守ってやるのはうちしか居ないだろ!」


(それ…絶対嘘でしょ?…俺を悪者(わるもの)にしてまで、メチャメチャ令和の時代で遊びたくてたまらないんでしょ?)


「…愚問……自分の身体は……自分で……」


「あんたはソコの饅頭でも食ってな!」


「…承知しました……」


「兄上…2人で行かすよりは、3人のほうが多く荷物も持って帰れますし、巽殿が楓殿に手を出す機会も減りましょう…姉上が同行すれば何も心配事はありませぬな!」


 とうとう俺は、楓さん狙いのスケベ男に認定されたまま話が進んでいく…この事態の判決を最後に言い渡すのは、間違いなくおばちゃんだろう…しかし、今のおばちゃんなら………。


「…おね、お前も行っておいで!…しかと、令和の時代をあなたの目で確かめてきなさい!…藤吉郎の事はわしに任せておけ♪」


「お母さん♪」


(で~~~す~~よ~~ね~~~…)



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