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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第2章 これが戦国時代なの?

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団欒

 俺の体感では数時間ぶり、しかし木下家にとっては10日以上ぶりの再会となっていたので、その日の夜は精一杯のおもてなしを俺は受けた、囲炉裏で焼いた川魚・緑黄野菜の煮物・お吸い物にご飯と漬物、恐らく俺の時代の子供ならブーイングが出そうな夕飯だが、俺のために<白米>を使ったご飯を用意してくれた事がとても嬉しかった♪。


(この時代の白米は俺の時代だとA5ランクの和牛ステーキ並みに高級品だから、有り難く頂こう…)


 電気屋の俺だ!これまで数々の新商品イベントで炊飯器のご飯を食したが、この時代のご飯は格別に美味かった♪きっとおばちゃんがお米を丁寧に扱い、綺麗な水とじっくり時間をかけて<かまど炊き>をしてくれたからだ。


(こんなに美味いご飯なら塩だけでも十分だな♪)


「のう?巽殿?明日は夜明けと共に清洲へ出立しようと思うが、いかがか?」


「そうですね、早く信長様に納品したいですし!」


「よし♪そうと決まれば今宵は楽しく飲もうぞ!」


「い、いえ…これ以上飲むと明日が大変な事に…」


「なんじゃ、未来の男子は酒も弱いのか?…」


 いや、俺もどちらかと言えば酒好きの方だが、この時代の酒は<どぶろく>!言わば<にごり酒>でさすがの俺でも結構キツイ!明日は信長と拝謁するのだ、二日酔いで無礼を働き手打ちにされては笑い話にもならない!。


「明日は信長様に会うと思うだけで緊張して酒が通りません…」


「まぁ殿の御前に出るのはわしでも緊張するでな、巽殿なら尚更だろう…よし、今宵は早く休んで明日に備えるとしよう♪」


「そうですね…そうしましょう……今は…20時か……」


 俺はそっと左腕の裾を捲り腕時計を確かめる。


「た、巽殿!その腕に巻いている細い篭手のような物はなんじゃ?」


「あ、これですか?これは<腕時計>と言いまして、何処に居ても刻を確かめられる道具です!この時代だと今は……えっと……<戌の刻>ですね…」


「なんと!巽殿、すまぬがそれをわしに見せてはくれぬか?」


「えぇ、いいですよ!」


 俺は腕時計を外し藤吉郎様に渡した、当然ながら小一郎様もその腕時計を覗き込む!。


「うむ、これで刻が分かるのか……しかし、変な文字が出ておりわしにはサッパリ分からん…」


「兄上、これは巽殿の時代の数字という文字で<に・ぜろ・ぜろ・よん>と出ております!」


「小一郎!お主、この文字が読めるのか?」


「はい、昼間巽殿から<電卓>扱い方を教えていただいた時に覚えました♪」


「おぉ~、やはり小一郎は頭が良いのぉ~~…」


「藤吉郎様、ちなみにその数字が<に・に・ぜろ・ぜろ>が出ている場合は<亥の刻>の意味です」


「という事は巽殿?この初めにある二桁の数字に[2]を足していけばこの時代の刻を読み取れるって事ですね?」


「まぁ小一郎様の言われる通りですけど…それじゃ、ややこしいので見たままの時を把握する方が楽ですよ♪」


 段々口で説明するのが面倒になってきた俺は、持参してきたメモ帳とノック式ボールペンを取り出し小一郎様に<24時間表記>を書いて見せた。


「た、巽殿?その小さな紙の束と棒は?」


「やはり文具関連は小一郎様が興味を持たれると思っておりました♪これは<メモ帳>といい要件を忘れないよう記入する紙です、そして私が手にしてるのは<ボールペン>未来の筆です、仕組みは先日にお渡しした<マジックペン>と同じですが、これは紙専用の筆となっております」


「わざわざ墨を用意しなくてもすぐ紙に文字が書けるとは……未来の道具は便利ですな…」


「よろしければ、これらも小一郎様にさしあげますよ♪今回、いくつか持参して来てますので!」


「よろしいのですか!!電卓まで頂きましたのに!」


「えぇ、どうぞ♪」


 また小一郎様は楽しそうに受け取った文具で何やら色々文字を書き始めたのだが、藤吉郎様は少しスネた表情で小一郎様・おばちゃん・おねちゃんを見渡している。


「いいのぉ~~、おぬし達は色々巽殿に色々土産を貰っていいのぉ~~……」


「何言ってんだい!あんたはたっちゃんのお陰で<台所奉行>に出世したんだよ!最高の御褒美じゃないかい!」


「でものぉ~~…それはお役目だしのぉ~~……わしも<わしだけの物>が欲しいのぉ~~…」


 指で床板に<の>の字を書く藤吉郎様、そんなスネた姿を幼子や若い婦女子が表せばそれなりに可愛くも見えるが、いい歳をしたおっさんがやってもキモイだけである。


「ちゃ、ちゃんと、藤吉郎様のお土産もありますよ!」


「ま、(まこと)か?…わ、わしのはどんな品なのじゃ?この腕時計なるものか?」


 スネた表情がいきなりパァッ!と明るくなった藤吉郎様は瞳を輝かせ俺を見詰めていた。


(ほんと性格は子供だな…)


「確か藤吉郎様のお役は<台所奉行>でしたよね?」


「う、うむ…そうじゃが…」


 俺はまたリュックの中を物色し始める、実は令和の時代に戻って来た時から藤吉郎様の土産はすでに決めていたのだ!。


(やっぱ、台所と言えばこれが必要でしょ!!)


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