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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第1章 えらくリアルな夢なんですけど(汗)

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やはり俺の時代は便利だった♪

 病院からの制止も聞かず、俺は強引に即日退院し今は浩一と共に会社の倉庫へと向かっていた!。


「すると信長はペンライトを気に入り100本淳一に注文したんだな?」


「そうだ、まぁ藤吉郎様が調子こいた結果、マジ大変な事態になってしまったんだが、こうして令和に戻れて浩一と再会出来たし、また戦国時代に戻る方法も見つける事が出来た♪結果オーライだ!」


 俺は車内でスマホを開き、豊臣秀吉のWikiに目を通していた!未来の道具を戦国時代に出したのだ、歴史が変わっている可能性も少なからずあると思っていたからだ!。


(良かった……まだ歴史が変わった文献は見当たらない……しっかり藤吉郎様は太閤になっておられる!今の所は……)


「なぁ?淳一?」


「どうした?改まって…」


「あのな、お前は木下藤吉郎に義を通すつもりだろうが、俺は大きなビジネスチャンスだと思っているんだ…あの小判を換金した時から…たかがLEDライト1本が270万だぞ!凄いと思わないか?」


「あぁ、正直驚いた……でもな、俺のやっている事って歴史に対しての反逆行為かも知れないと感じているんだ…どうしてタイムスリップしたのかは分からないけど、何だか神をも恐れぬ行為をしているような恐怖がずっと離れないんだ…」


「そんなものか?」


「お前も俺の立場になったら分かるよ…未来が変わるかも知れない爆弾が俺なんだぜ!もしかすると浩一も奥さんも…俺すら消えてしまう可能性だってあるんだぜ!」


「それって誰かが体験して学会にでも発表したのか?俺はそんなニュース聞いた事が無いけどな…」


「理論上そうなる可能性があるって事さ…」


「まだ理論だけだろ?今、この世でそれを体験しているのは淳一しか居ないんだぜ、未来がどう変わるのかなんてやってみなきゃ分からんだろ?誰も確実な結果を証明したヤツなんて居ないんだし!」


「浩一…」


「それに、未来が変わって今の令和には市販薬で癌が治る薬が出来てるかも知れないしな♪」


「はぁ…お前は気楽で羨ましいよ…」


 しかし、浩一の言っている事も間違ってはいない、確かに俺以外は誰もこんな体験をしているヤツなんて一人も居ないのだから…。


(まぁ<令和~戦国木下家>の区間限定タイムスリップのようだが、そんな魔術みたいな事を出来るのもこの世に俺だけ!だったら結果が分からない以上、運命の流れに身を任すしかない!)


 歴史の神が居るとすれば、何らかの理由で俺に<戦国時代限定タイムスリップ>の力を与えたとも受け取れる!もしこれが偶然によるものだとすれば、すでに俺の行動は歴史の神の逆鱗に触れ、俺自身の存在は消されていてもおかしくないはずだ!。


(でも、こうして俺はまた戦国時代に戻る行動も今は見逃されている…歴史の神…一体、こんなただの電気屋の俺に戦国時代で何をさせたいのだろう?…ま、それもいずれ結果が出るか…)


 いつ歴史の神とやらの逆鱗に触れるかも知れない恐怖感はあるが、俺はそれまで木下藤吉郎が太閤秀吉に登り詰めるまであらゆる手段を使って助力し、彼の立身を見届けるつもりでいた!。


(歴史の神様!今の俺の決意、聞こえたか?…もしそれを許さないのであれば、この令和で俺の存在を消してくれ!1時間だけ待つ!…もし!許すのなら、俺は戦国時代を便利な時代に変えてやる!全ての決断は……あなたに任せる!)


 俺が病院のベッドに現れてから恐らく3時間は経過している!となると、戦国時代ではもう6日が過ぎている事になる!しかし、これから色々準備をしあの時代に戻るまでには後2時間はかかる!だからこそ俺はこれからの行動について神の審判を仰いだのだ!。


(あれ?…もしかすると俺は天罰を喰らいすぐ消されるかも?と、思ってたけど……まだ俺の横で浩一が車の運転をしてる…いやいや、まだ分からん!とりあえずこの1時間が俺にとって関ヶ原の合戦だ!)


 俺はいつ消されるか不安に押し潰されそうになりながらも、何とか30分で浩一と共に会社の倉庫へと辿り着いた。


(あれから30分か…何も起こらないけど…神様はまだ会議中なのか?)


「よし、淳一!俺は在庫のペンライトを用意するから、お前は戦国時代で何か役立ちそうなアイテムを見繕え!」


「お、おう!…あ、単3・単4の乾電池もとりあえず5Pほど頼む!」


「了解!」


 当たり前だが戦国時代に供給電力なんて存在しない!ならば頼みの綱は乾電池だ!。


(さて、神様の審判は気になるが、急いで準備するか!!)


 俺はこれまで戦国時代に出会った人々の顔を浮かばせながら、家族への誕生日プレゼントを選ぶような気分でペンライト以外の便利アイテムもチョイスしていった!。


(今のミニ家電はUSB充電が増えてきたけど、ここの在庫は乾電池がメインだから助かった♪)


「淳一、こっちは準備OKだ!」


「俺の方も今終わった!後は商品を厳重に梱包すればいいだけだが、万が一タイムスリップした場所が川の中だとまずいから、念の為防水加工もしておこう!」


「分かった!じゃそれは俺がやっておくから、淳一は他に必要な物を買出しして来いよ!水とか非常食も必要だろ?」


「あ、そっか…商品の事ばかり考えてて自分用のアイテムを忘れてた…」


「……すまなかった、淳一!こんな事なら小判を数枚残して売るべきだった…そしたらその金で現地調達も出来ただろうに…」


「いやいや、お前の行動は極自然だったと思う!誰がタイムスリップ用に金を残そうなんて考える?そんなの誰も居るわけないぜ!」


「ま、それはそうだな……俺もまだキツネに摘まれてる感じだし……そうだ淳一!俺のポーチの中から10万ほど持っていけよ、それで大体自分の物は揃うだろ?」


「10万もいらねぇよ♪俺一人分だから3万で十分だ!じゃ、3万頂くぜ♪」


 今朝までの俺なら3万という額は簡単に口にすら出せなかった!しかし、その数時間後(令和時間)には奇跡的に<小金持ち気分>を味わう事が出来ていた♪やはり人の未来は不幸な事ばかりじゃなく、必ず運が向いてくるのだと俺は改めて感じていた。


「おう、気を付けて行って来いよ!」


 俺は浩一から軽トラのキーを受け取り、一路近くのショッピングモールへと車を走らせる!そこなら俺の考えていたアイテムは全て揃うからだ!。


(でも…もうすぐ…宣言した1時間か…無事モールに着けるかどうかは…3分後に分かる!)


 俺は軽トラのハザードを点滅させ路肩に停めた…俺は時間の誤差が無いスマホの時計を見詰める!。


(後20秒で俺が歴史の神に伝えた1時間になる…頼む、時間ピッタリに消すのは止めてくれ!それと「やばっ、時間間違えたから今から消すね!」も無しだ!…あ、後…5秒…4…3…2…1!!)


 軽トラを路肩に停めながら俺はキュッ!と瞼を閉じた!が、両方の耳からはハザードが点滅している音が今も聞こえている!。


「ふぅ~~~……あ、ありがとう!歴史の神様!!…よ、よし!先に行くのはあそこからだ!」


 心が楽になった俺は軽快に軽トラを走らせモールに到着すると、まず最初に向かったのは呉服売場だった!正直、藤吉郎様と彼の生家である<中村>まで辿り着く道中、すれ違う人々が作業着姿の俺を見る視線はかなり痛かった!!…まるで変人を見るかのように…。


(今度はもう大丈夫だろう!あの時代の身なりは覚えてるし、それに近い着物を探せばいい♪となると、やはりアレしかないよな!!)


「いらっしゃいませ、御着物のお選びでしょうか?」


「あ、実は来週友人達と花火大会に出かけるので、浴衣を購入しようかと……」


「そうですか、ありがとうございます、それではこちらなんかはいかがでしょうか?<遠州てしぼ>の浴衣でございます、男性らしく濃紺色で淡い縞が施されている一品で人気がございます!」


(げっ!!46,000円!!いきなり予算オーバーじゃないか!!)


「あ、あの…一度だけの花火大会なので……もう少しリーズナブルなのを…」


「畏まりました、ではこちらはどうですか?<近江ちぢみ本麻>の浴衣でございます、色もシックにグレーで統一されておりますので、お客様のイメージにピッタリですよ♪」


(あ、これはいいな♪でも、税込み27,500円……浴衣ってそんなに高いのね……でも、この色合いなら戦国時代に居ても違和感は無いな…しかし…よ…予算が…他にも買いたい物があるし…格好付けずに浩一から素直に10万貰っとけば良かった…)


 つい俺はこの浴衣を着ているイメージを頭に浮かばせると、夜空に大輪を咲かせる花火を見ながら<おねちゃん>と手を繋ぎ河川敷を歩いている妄想をしてしまった…戦国時代に風流な花火なんてあるわけ無いのに…。


(いかん!まだ<おねちゃん>の御褒美が頭から抜けん!!それに、何よりも俺は安全第一人生をモットーにしているんだぞ!!あの言葉は今すぐ忘れろ!!)


「あ、あの?…ここはカード支払い大丈夫ですか?」


「えぇ大丈夫でございます!」


(よし!今月はちゃんとカードの引き落としが出来ていたし!まぁ…ガソリン代の3,500円だけなんだけど…だから支払いが出来るはず!…それにもう毎月の支払いにビクビクしなくていい♪)


「では、後…下駄と………あぁもう一式セットでお願いします!!」


「ありがとうございます!それでは御準備いたしますので、しばらくお待ち下さい♪」


(これで戦国時代に戻っても俺を変人と見る人は居なくなるだろう!となると、次は……かなり気が引けるが、俺の保険(おねちゃん)に胡麻を擂っておかなきゃならないし、行くしかないか……)


 無事にカードも<承認>され、次の俺の移動先は正に女性(オネェな男性も含む?)の為の聖地!化粧品売場へとやって来たのだ!。


(俺はオネェじゃない!オネェじゃない!…そ、そう!プ…プレゼントを買いに来たのだ!!)


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