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夏が見せた故郷の思い。

高知の夏は暑い。

でも、暑いだけじゃない!!

8月の中頃、要は瀕死状態だった。


あれ?守り地にいるから大丈夫じゃね?っと思った方、違うんです。

彼女は転入試験&面接で力を出し尽くしていたのDEATH!!


布団の上に倒れ込む要は心の底から泣き叫びたい思いだった。



「…う゛う゛ぅ、結局お祭りにも出られなかったよ~…。」



夏と言えば、夏祭り!

勿論、要が身を置いているこの高知神社にだって夏祭りはある。

しかも規模で言えば高知県内1、2を争う程に盛大で、毎年県内だけではあるがニュースで取り上げられる位には有名だ。


実は要はこの夏祭りを密かに楽しみにしていたのだ。

なんせ自分が最後に夏祭りなるものに行った記憶が幼少の時以来だったことに気づいてしまったから。


― 身体も元気になったし、久しぶりに屋台を見て回りたい!

― まだ、リンゴ飴とかあるのかな? 

― また金魚すくいとかしてみたい!あ、でも飼う事許してくれるかな?



神社や街の中で貼られている祭りのポスターを見る度に、幼い子供の様にワクワクとした期待感が高まっていく。

しかし、現実は残酷だ。


結局気づけば部屋に篭って勉強、勉強、勉強、面接練習、勉強勉強……の日々で終わった。


お祭りの気配なんて100%こちらに伝わっておりますよ?

ええ、ちゃんと、はい。

太鼓や笛の音聞こえてるのに、神楽の舞だって見れなかった!

私、浴衣着たみんなと同じ敷地内にいるんですよ!

すぐ横にね!!!オフサイド張りにいますけど!

なんで私だけアウェイなの!?


え?花火?あー、遠くで聞こえましたが?…そんな状態だった。


しかし努力の甲斐あって無事に要の2学期からの入学が決まったのだ。

それだけは、自分を褒めてあげたい。

でも嬉しさや安堵はあるものの、それよりも新しい土地での学校生活の不安や緊張の方が高まってくる。


なんか気分転換したいな…と思っていた時だった。

ある夕飯の時に、静が要に制服を仕立てるために出かけようと提案してくれたのだ。


要は二つ返事で了承の意を伝えたが、学校の手続きもあるのでどちらにしろ出かけることは決定事項の様だった。


出かけたのは2日後のこと、なんと日曜日だった。

もしかして…人神…の事と関係あるのかな?


― 学校の先生方すみません!


要は朝日を浴びながら心の内でひれ伏すように謝った。

とぼとぼとした足取りで車庫に行けば、車のドアの前で静がニコリと笑顔で要に声をかけた。



「今日はこれから要様が9月から通われる学校の方へとご案内しますね。手続きが済んだ帰りには制服も仕立ててもらいましょう。」



要は勿論だが、どうやら静も制服を仕立てに行くのが楽しみらしい。

自分の事でもないのにどうしてだろうと要が不思議に思っていたら、どうやら顔に出ていたらしい静に「息子しかいないので、女の子の制服を仕立てることが出来て嬉しいんですよ!」と笑ってくれた。


どうやら、女親から見て男の制服は味気ない物らしい…よく分からんが。


要が助手席のドアを開けようとした時だった、車庫の隣から自転車をついて出てきた巽の姿が見えた。

彼は日曜日でも部活があるようで、ジャージ姿にスポーツバックを肩から下げている。



「俺、いくわ。」



巽は要の方などちらりとも見ずに進んでいく。

堪らず声をかけたのは静だった。



「巽!お母さん、要様と学校まで車で行くんだから、一緒に乗って行きなさい。」



静の提案は御尤もだったが、要は背中に冷や汗をかいていた。

ハッキリ言って自分は巽に好意を持たれてなんかいない。

なんなら彼の在庫は要に対する嫌悪感のみである。


それが証拠に、巽はその場で声を荒げた。



「誰がそいつと一緒の車に乗るかっっ!!」



― ですよねー…。



要は目を細めながら、自転車を競輪選手の様な早さで漕ぎながら秒で去っていく巽の姿を見送った。



― はっや…、めちゃ速ない?

― なにあれ弱ペダか?



巽の立ち漕ぎスタイルに圧倒された要の横では静が高速で頭を下げていた。



「巽!す、すみません、すみません要様!」


「いえいえ。お気になさらず、ハハハ…。」



渇いた笑いを出すしかなかった。


―もう、慣れるしかない。


巽の姿は…掛けられた言葉は違えど自分の父と重なるから。

だから、そう…思う事にしたのだ。



自分が通い出す高校の玄関に足を踏み入れた時も、職員室で静と一緒に先生方に頭を下げた時も、要はまだ自分の置かれた現実がなんだか他人事のような気分だった。





♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




意外にも学校での手続きも早めに終わり、要達は市街へと車を進めた。


久しぶりの高知市内の街並みを見て、要は随分昔の事を思い出していた。

小学校を上がるまでは、この町で過ごしていた彼女。


所々に見覚えがあるものもあれば、こんなものが高知に!?と驚くようなものまであった。


要が静に連れられた県内唯一の百貨店で制服を購入した後は、デパ地下でお惣菜を買って地上に上がった。

店から一歩外に出て、要はすぐに暑さで眉を寄せた。

8月も終わりに近いのに、高知の日差しは照りつけるような暑さを持っている。


ここでの買い物はこれで終いかと思った時、静が要に「要様、日曜市は行かれたことはございますか?」と聞いてきたので、暫し思考した。



「う〜ん…確か子供の頃に来たような…、あんまり記憶が無いですね。」


「では、参りましょう!」


「で、でもさっき買ったお惣菜が…」


「大丈夫です!保冷剤を入れて貰ったので!」


― ああ、確かに多めに入れて貰ってたな。


要は静の手に有る保冷バックを見ると、納得したかのように小さく頷く。

そんな彼女を見て静は嬉しそうに「ではここから一本、北の道に行きましょう。」と言って要を案内してくれた。



「わぁ!お店がいっぱい!」


「活気がありますよね!」



静の言った通り、そこには日曜日だけ開催される市場が開かれていた。

要のいる道を挟んで両側に出店があり、その多くが日よけのテントで囲っているために連なるとなんとも巨大なマーケットの様だった。

後ろを見ても前を見ても、色んなお店が立ち並んでいる。


店の前には地元の人もいれば、大きな荷物を持ったいかにも観光客の様な人達まで多くいた。

丁度昼近い時間だったこともあり大勢の人の流れができていた。


しかし、静は馴れた様に人の流れに乗ってお店を見ながら歩いている。

要もすぐ後ろから必死に着いていく。

しかし注意しながら足元を見れば、車道にあるセンターラインが見えるのでないか。



「え?え?もしかして…ここって車道じゃないですか!?」


「そうなんですよ!ここは普段、平日は車道なんですけど日曜日は西向きへの車線を使って街路市を開いているんです。」


― 車道2車線分を使って店を開くなんて…規模が凄いな。

― 商店街よりも凄いのではないか?この店ってどこまであるの?


要がそう思いながら視線を奥に向けた時だった。

右上に天守が見えたのだ。



「あ、向こうにお城が見える!」


「高知城が近くに見えるところまで大体1km位の長さがありますね。」



― え、じゃあ1キロも色んな店が並らんでいるってこと?

― 両側にあるよ?いっぱいあるんだけど…



「じゃあ、お店の数っって…」


「う〜ん、300件位…いや、もっとあるでしょうか…」


「300!?」


「なんでもありますからね!」



笑顔で答える静に対して、要は自分のすぐ隣にある店を覗き込んだ。

簡単な折りたたみ机でできた棚や、発泡スチロールや木製の箱を逆さにして上から布を被せた手作りの棚の上には、色とりどりの野菜が並んでいる。


小さな掌サイズのカラフルな籠の中には茄子や胡瓜、オクラが入っているし、そのすぐ横には縦に細長い黄緑の野菜があった。

先は広がっていて、なんだか緑色のラッパの様な野菜だった。


「なんでもって…これ、野菜ですか?」


「リュウキュウですね、酢の物にするとシャキシャキして美味しいですよ。ここのお店は、果物とか農家の方が作った田舎寿司やお餅もありますよ。」



確かに、野菜の横にはパック詰めされたお寿司まで並んである。

長細い木箱の中にはこれまた色とりどりのお餅まであるではないか。

一つのお店の中だけで何種類もの商品が並んであるから、つい立ち止まって見てしまうな…要はそんなことを思いながら店の棚の端から端まで見ていた。


ふと、テントの張っていない店が見えたのでそちらも見てみる。



「あ、お菓子だ、え、…あれって串焼き屋さん!?」


「屋台の感じが良いですよね。あちらにはおうどんもありますよ。」



可愛いアンティークの机の上に片面がガラスでできたレトロなブレッドーケースが見えた。

中には美味しそうなクッキーやスコーンが並んでいる。

なのに、遠くから香ってくるのはお肉を焼いた良い匂い。

見れば夏祭りでよく見る、大きな鉄板が並んでいて炭火で串に刺したお肉が焼かれていた。


静の言う方向を見れば、うどんを茹でるための鍋から湯気まで見えている。


要が涎が出るのを我慢しながら歩みを進めると、すぐ足元からシャカシャカと聞きなれない音が聞こえた。

視線を下にやって要は「フぁ!?」っと変な声が出た。



「嘘!すごい、ヤドカリをタライに入れて売ってる!」


「要様。横のお店にある、あの細い丸太の木は椎茸の原木ですよ。」


「何それ!」


「椎茸の菌が植え付けられているので、家の軒先に置いておくと椎茸が生えてくるんですよ。」


「な、なんでもありすぎる!」



なんでもあるんですよ!という静の言葉は本当だった。

店の種類の多さに若干のカオス感はあるが、楽しみながら見ているとお城の近くまで来たので、またUターンして戻る。

なるほど…こうやって歩いていけば両脇のお店が見て歩けるわけだ。


鰹節やおじゃこ、昆布といったお出汁の元を専門に売る店。

大きな木の桶やタライが立ち並び強烈な匂いを放つお漬物屋さん。

包丁や食器まで綺麗に輝いて並んでる。



要は瞳をキラキラと輝かせながら嬉しそうに静の隣を歩いていた。

静は楽しそうな要の額に浮かぶ汗を見て、声をかけてきた。



「要様、今日は暑いので冷やし飴でも飲みましょうか?」


「冷やし飴?」


「生姜のシロップが入っていてスッキリしますよ。」


「生姜…、高知って生姜多いですよね。」


「生産量も多いですしね。あっ、要様レモン水もありますよ!」



連れられて入った屋台の中には、これまた色んなものが売られていた。

テントの軒から「うどん・そば」「ところてん」「冷やしそうめん」と書かれたポップが垂れ下がっている。

その中でも大きく目立つのが、木の箱の上に置かれた大きなプラスチック製の円柱型の筒だった。

その筒にはこれまた大きく「冷やしあめ」「レモン水」と赤字でプリントされている。



「レモン水…本当にレモン入ってる。」



キンキンに冷えているのだろう…レモン水が入った筒は汗をかいていた。

筒は透明だったので、レモン水の中に大量に輪切りにされたレモンが浮いているのが見えた。


静が店頭に立つ年配の女性に声をかけると、店主である女性はにこりと笑いかけ慣れた手つきでレモン水の蓋をパカりと開ける。

次に蓋の所に引っ掛けていた専用のお玉でクルクルと小気味よく中をかき混ぜたら、掬い上げるように透明の使い捨てカップにレモン水を並々と入れてくれた。

そこには輪切りにしたレモンも一緒に入れてくれたので、見た目も爽やかでとっても可愛らしかった。


要の隣にいた静は冷やし飴を頼んでグビグビと一気に飲み干している。

それを見た要も一口、レモン水を飲んでみた。



「ふ〜、冷たくて気持ちいいですね。」


「!本当だ。すごい酸っぱくて美味しい。」



あまりの清涼感に、気づけばレモン水は空になってしまった。

要がカップの底に残った輪切りのレモンを見ていると、店の女性が「捨てようか、こっちへ頂戴。」と声を掛けてくれたのでお礼を伝えると、また女性はにこりと笑ってくれた。


なんだかうちのお婆ちゃんに雰囲気が似てるな…と要が思っていると、横にいた静は店頭に並んだ素麺を見ている所だった。

発泡スチロールの中にアイスマットや氷を敷いて、その上に並べられたお素麺の入った透明の容器たち。

どれも色とりどりに綺麗に並んでいる。



「お素麺も美味しそうですね、買っていきましょうか?」


「高知のお素麺って変わってますよね…」


「え?」



ふと、つい思ったことが声に出てしまい要は焦ってしまった。

静は要の事をとても不思議そうに見つめている。


― 確かに素麵変わってるなんて、普通人には言わないよね?


「あ、すみません!」


「いえいえ、私は見慣れてしまっているので…できればどこが変わっているか聞いてもいいですか?」



静のワクワクとこちらを見る目を気にしながら、要はそっと口を開いた。



「あ…、えーと、その具がですね?お素麺の上にいっぱい盛ってあるじゃないですか。普通具とかって小皿とか別のに盛ったりしているイメージがあるんですよ。」


「なるほど!」



確かに言われてみれば店頭に並んだお素麺は、上から見ると刻まれた葱に、すりおろしの生姜、味の染みた椎茸の千切り、綺麗な黄色の錦糸卵とお花見たいなピンクの丸い何かが並んであって、それはまるでちらし寿司の様な飾り付けだった。

具が沢山あって白い素麺が見えてる面が少ない。



「あの、このピンクのなんですか?確か、おばあちゃん家でも見たような…」


「これは“すまき”ですね。」


「すまき?」


「魚のすり身でできたものです。かまぼこみたいなもので、お好み焼きやおでんとかにも入れますよ。」


「東京じゃ見たことない…。」


「高知限定ですね。帽子パンとかも。」


「あ、前にパン屋さんにあった。」



まるで麦わら帽子の形の様なパンを見て、要は子供の頃にも見たと思い返し感激したのだ。

可愛いご当地パンだなと思いながら、要は帽子の縁になるサクサクのカステラ生地を食べたことを思い出した。




「そうです。パンとか飲物とか高知限定のものが意外とあるんですよ。…じゃあ、次はこの市場名物の芋天を食べましょうか。」


「お芋の天ぷらですか?」


「ええ、主人も巽も好きなので多めに買っていきますね。」



そう言いながら少し進むと、見るからに大勢のお客で賑わっている屋台が見えた。

店先に立つ売り子さんはなれた手つきでお客さんを捌いていくが、何せ並ぶ客が多すぎるので、要のところに順番が来るまで少し待つことになってしまった。

もう一度、あのレモン水が飲みたいな…っと思っているとようやく順番が来たようだ。

自分の目の前には芋を揚げるために大量の油の入ったフライヤーが置かれていて、じゅうじゅうと一口サイズのお芋たちが衣を纏って油の中で踊っているではないか。


要は自然と喉が鳴った。

静から揚げたての芋天が入った袋を一袋渡されると、要はそっと中から一つつまみ出し齧り付いた。

立ち食いはみっともないですって?周りをごらんなさい。みんな食べてます。


それぐらい、芋天は美味しかった。


カリっとした衣を噛むと、サクサクとした感触がするのにすぐに芋のホクホク感、そして包み込まれるかのような甘みが口の中全体にじゅわりと行き渡るのだ。


ー これは芋だけの甘さじゃないな…、2個目は衣だけをまず食べてみよう。


またカリっとした食感を口に入れて、要は堪らず目を閉じた。



「わぁ!衣も甘くて美味しい!」


「ふふ、大きすぎないので食べやすいんですよ、沢山買っても気づくと無くなっちゃうんです。」



芋天4個入りの紙袋を大量に買った静が会計を終えて笑顔でやってきた。

静も要の側に来ると待ちきれないと言わんばかりに、すぐに芋天を1個口に入れている。

家族連れや、お年寄り、若いカップル達が並ぶのを見て要は自然と微笑んだ。

だって並んでいる人も、買い終わった人も、皆が笑っているから。


日曜市って良いな。

皆んなバラバラなのに、皆んなが笑顔で買い物している。


ー 特に、この芋の美味しさよ。


要は自身の持つ紙袋の中の最後の芋天を大事に持った。



「ここの行列が凄かった理由がわかりました。すっごく美味しいです。」


「ふふふ、要さまに喜んで貰えて良かったです。日曜市はよさこいの時や年始以外はやっているのでまた来ましょうね。」


「よさこい…。」



聞き慣れた言葉に、要の記憶の欠片が蘇った。

あれは病室に置かれたテレビで写っていたものだ。

確か表参道だっただろうか…、華やかな衣装纏った踊り手さん達が綺麗な隊列を崩さないまま、皆で手先まで揃えて踊っているのを、中継のアナウンサーの人が声を高らかに紹介していたのを覚えている。


ー そうか、ここは本場の高知県なんだよね。

ー 勉強…ちょっとぐらい休憩して、よさこいだけでも見にくれば良かった。


もったいないことをしてしまったと要が気落ちしていると、静が「東京でも踊ってるので見たことはありますか?」と興味津々で声をかけてきた。


要は申し訳無さそうに静を見つめた。


「踊っていることは知ってたんですけど…でも、すみません。私、テレビでしか見たことなくて…」


「大丈夫ですよ!高知県民だって生で見に行く人は多くないでしょうし。」


「ええ!?」



そんなことあるんですか!?っと驚けば、静はなんでもないように笑顔でうなづいた。



「もちろん観覧席を買ってでも見たいって人はいますが、この暑さですからね!お盆の真っ最中ですし。よさこいの間はテレビが生中継してるので好きなチームの踊りだけを見るって人もいますし。」


「へぇ〜。」


「この市場がある場所も、祭りの期間は1万人近い踊り手が踊り渡っていきますよ。」


「すごい……」



今日だって、とてつもなく暑いのに。

踊り手さん達は連日3日間も太陽の下で、地面の照り返しも受けながら、笑顔を絶やさず踊ってたんだ。

朝から晩まで踊り続ける踊り手達、爆音を鳴らす地方車、地方車の上からは踊り手や見学客を鼓舞するような歌い手さんや音響係の人もいる。


歌と踊り、声援と拍手、笑いと涙…真夏に生まれた魂の熱気に直に触れたお客さん達は、きっと感動するに違いない。


どんな格好で、どんな踊りをしてもいい。

好きなもの達が集まって楽しく踊り、練り歩くのだ。

笑って楽しんだら、最後はみんなで豪快に飲んで騒ぐ。これ限る。



「ふふふ。高知の夏は暑いですけど、すごく面白いですよ。」


「そうなんですね。」



要は日曜市の広がる道を見つめ、よさこいの熱気に触れた気がした。


ここは高知の真ん中なんだ。


なんて素敵なところなんだろうと、要は高知に来てから初めてそう思った。




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