戦い 〜死と終わりの天使〜
再び戦闘が始まった。
最初に動いたのはユイナちゃんだった。身体を光の鎖で拘束してきた。
「魔力量は変わってもやってる事が同じじゃ意味がないよ。」
「これでもですか?」
「!?」
前のようにただ一時的に動きを止める目的かと思われた鎖は前回の物と変わっていた。見た目は同じだが、鎖に繋がれた四肢から魔力を吸われる。
「さすがの私でも何度も同じことはしませんよ」
鎖に奪われた魔力はユイナちゃんに流れる。
これは、、、流石に危険かな、、、
「!なっ、、、くっ、、、」
「ユイナ!?」
ユイナちゃんが苦しむ。
「普通なら身体には許容量が必ずあります。例えば、満腹の状態では何も食べれないだころか無理に食べたら逆に吐き出してしまうように」
ユイナちゃんは魔力の枯渇と逆の状態になり、動くことも、立ち上がることもできなくなり、拘束を解いた。
その時、後ろからマリスが現れ、魔法を放つが当たることは無かった。
「、、、」
「容赦ないですね」
瞬間、マリスの姿が変わった。大人の姿である。だが、見た目だけでなく中身も少し変わっていた。
「面白い!ならばこれならどうだ?すぐにくたばってくれるなよ!!」
先程とは一変、高威力の魔法を四方八方に展開し、一斉に放ってきた。
「ここまで化け物に変わる物なのですね」
「貴様も我と同様だと思うがな!」
今度はマリスが空間を創り出す。空間内では、マリスは半分不死身ともいえる状態でいくつもの高威力な変わりに代償として自身の命を減らす魔法を何度も放ってきた。
途中、代償で身体が消滅したとしてもすぐに蘇生される。
「ここまでめちゃくちゃな魔王ってなんですか?」
〈解析鑑定 結果〉
“ザ・オールゲット・キングズ・ルーム”
発動者 魔王マリス
分類 大魔法
種類 空間魔法
発動条件 スキル条件
効果 〈術発動者思考実現〉
「我こそがここのルールなのだぞ?いくら命を使おうとも我が思いのままよ!」
当たればどれも致命傷になってしまいそうな大禁断魔法がいくつも発動される。
流石は魔王といえる。
「流石に厄介ですね、、、なら」
「ほう、、、」
マリスの空間を上書きする。術者以上の魔力で生み出された空間、その空間をマリスは、
〈解析鑑定 結果〉
“ザ・ワールド・ウェア・エタニティ・イズ・オヴァ”
発動者 シア
分類 神魔法
種類 空間魔法
発動条件 死と終を司りし者
効果 〈死と終そして無〉
全く見たことのない空間にマリスは下手に動くことができなくなった。
「なっ、、、」
だが、下手に動けなくなったのではなく、マリスの身体は動けなくなっていた。魔力は全てなくなり、魔法障壁すらもなくなる。
「お休みなさい。魔王マリス」
そして、マリスの意識がなくなり倒れる。
空間が消えた時、マリスはスゥスゥと眠ってしまっていた。
「マリスに何をしたの!?」
思わずソラちゃんが叫ぶ、実際に今起きたことは周りから見れば1分も経っていなかった出来事だっただろう。
故に、はたから見れば、マリスが私の後ろに回りこんだ後、魔法をいくつか発動し、追撃をしようとしたものの2人を謎の空間が包み込み、その空間がなくなった瞬間にマリスは寝かされていた。というようにソラちゃん達には見えていた。
「ただ、少し意識と思考を無くして、睡眠させただけだよ」
そういい、私は抱きかかえていたマリスをゆっくり地面に下ろし、寝かせた。
「そう」
だが、この一瞬がソラちゃんにとって、最初で最後の機会だった。
ソラちゃんの剣が眩しく輝いていた。
「これで頭でも冷やしなさい!!」
そういい、白く光輝く剣を振り上げ、振り下ろしてきた。
正面からの大ぶりな助走と予備動作の高威力な魔法だったので手を前に出し、魔力障壁を何重にもして展開する。
だが、ソラちゃんの剣は真っ直ぐに向かって振り下ろされることはなかった。
いつの間にか立ち上がっていたユイナちゃんがソラちゃんを私の後ろにギリギリで転移させたため、反応が遅れ、防ぐタイミングが遅かった。
ついに、ソラちゃんの剣は私の背中あたりをなぞる。
「なっ、、、」
「どうよ!」
怪我は今までにないものだった。
背中が焼けそうな痛みがジリジリとくる。
「確かにとても意外な物ですね。まさか、自分の魔力を利用されるとは、、、」
「はぁ、、、はぁ、、、」
それでも私の身体はすぐに再生され、ソラちゃんは先程の攻撃で満身創痍だった。
「もう息が切れたのですね、、、当たり前です。勇者とはいえ、聖女ほどの魔力を一気に操るというのはそれだけである程度の代償はありますから、、、。」
すぐに、ミケさんとソラちゃんに魔力で浮かべていた槍を投げつける。槍は1人で動くかのように二人を面の部分に当てていき、一撃で気絶させた。
「それで、どうします?まだやりますか?」
私はユイナちゃんに聞く。ユイナちゃんは先程の転移でなんとか回復した魔力を使ったので魔法を使う魔力が無くなっていた、、、。
その真っ直ぐな無言の瞳と身体はそれでもなお、戦おうと気力で立っていた。
だが、すぐに糸が切れたかのように倒れてしまった。
「魔力枯渇だね、、、ゆっくりお休み、、、最後に、、、ありがとう、さようなら」
そういって、最後の目標を終わらせようとした時、突然、何体もの白い翼を持った人形達が現れ、攻撃をしてきた。
「、、、なるほど、、、最後の最後で漁夫の利ですか?」
「ふふふ、そんな反抗的な目で見ないでください」
現れたのは帝王に似た誰かと自分と同じような白い翼を付けた女性がいた。
「それで、、、一応聞きますが、目的は何ですか?」
「目的ですか?そうですね、、、あえて1ついうのなら我が娘を心配に思ってわざわざ迎えにきたということでしょうかね」
「そう、、、さようなら」
すぐさま、魔塊をいくつも作り出し、周りの人形達を殲滅する。勿論残りの2人にも、、、だが、2人への攻撃は防がれた。
「せっかくキョウダイ皆で迎えに来たというのに、、、」
1人は目が笑っていない表情で笑い、もう1人は無言であった。
「ふふふ」
「、、、」
「とっととくたばりやがれ下さい」
その言葉に自称親という女が、
「会ってそうそう反抗期ですか?私はとても悲しくも嬉しいですよ?」
「そうですか、、、私は全くもって嬉しくもなんとも思いませんけどね」
「あらあら、これは親として少々しつけた方がいいですね〜」
「少なくともあなたにしつけられる道理も義理もありませんので」
その言葉を合図に、再び白い翼がついた人形達が現れ、襲いかかってきた。
全く、マイエンジェルはとても優しいですね〜。最後の最後のと言っておきながら結局は気絶させただけでしたね〜。あの空間を使えば私ぐらいで無ければ抵抗も虚しくただただ自身の終わりを迎えるだけ、、、かくいう私もまともにはくらいたくありませんね〜。いやぁ〜マイエンジェルの成長した姿に私はとても喜ばしくて鼻が高いですね〜。それにしても、、、あのお邪魔虫さん達はどれだけマイエンジェルを困らせたら気がすむのでしょうね〜。マイエンジェルもできるのですからとっとと土に返してもいいと思いますよ?ですがですが〜そんなマイエンジェルもとても愛らしく可愛らしいですね〜あぁ〜その愛らしく可愛いらしい姿は私だけに見せてくれればいいのですよ!っと、マイエンジェルのように健気で一途でとても愛らしく可愛いらしい超絶美少女女神様の私は、マイエンジェルを見守りながら少々周りに嫉妬もしながらマイエンジェルを可愛がるのでした〜。




