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エンジェルクリエイト  作者: 白羽
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戦い 〜嫉妬の翼と〜

 全ては、あの時から始まった。

奴隷として、実験体にされ、この受け継いだとされる力のおかげで飢えて死ぬことも、過度な暴力を加えられることもなく、1日に一度、同じ時間に軽く血を取られるだけだった。

 最初は自身を捨てたアイツに恨みがあるだけだった。あるだけで何も行動をすることも、気力も無かった。

 だが、ある日、急に生活の質が変わった。教えられることも、一部を除いて全て教えられた。この場所が、何かの研究所であることも知った。ある程度、知識を得て、実際にやってることも年齢とともに理解できた。

 月日が経ち、研究員の助手として、研究を手伝うことも出来るようになった。

 手伝っていた研究もほぼ完成した。

 この時を私は楽しみに待っていた。今まで考えていた計画を実行した。面白いぐらいに成功した。

 私は帝国の王に顔を見せた。相手は何も反応が無かった所を見て、勝利を確信した。

 後は簡単だ。全てを調べながら、そして、ある程度の実績を見せながら近づく。過程の途中、幸運な出会いもあった。愛娘に出会うことができた。

 愛娘の成長は想像を遥かに超えており、私は軽く戦ったが撤退する。

 2度目の再会は、前に出会った時よりも遥かに変わっていた。顔を隠した黒い鎧の軽装備、空には無数の光の矢を生み出し、軍隊を次々と殲滅していく。

 試作品達では相手にならず次々と撃ち落とされた。私はその時、


「素晴らしい、、、」


 それだけしか言葉が出なかった。これこそ、最高傑作。そう呼べるものだった。何故、魔族側にいるのかということはもうどうでもよかった。

 自身も同じ程の力を手に入れられるのだろうか?

そんな期待が高まる。

 そして、全てに怠りもなく、計画は最終段階に移動するのだった。


 目の前には、赤く染まる剣に喉を貫かれた生きる伝説の亡骸、人間誰しも、形はどうあれ、最終的にこうなる。今回は実の私の手によってこうなっただけだ。


「ふふふ、、、」


 これでも抑えようとしている。だが、どうしても声が出てくる。生まれて一度も、心の底から笑うことが出来たのはいつぶりだろう、、、。


「確か、、、そう」


 私の手で、あそこから出た時だったか、、、。


「これはこれは、、、」


「、、、?」


 後ろにはいつの間にか知らない人間がいた。


「おっと、そんなに殺気を向けないで下さい。私にはあなた様に敵意などはございません。今一度話しを聞いていただきたく思います。」


「どんな話し?」


「話しを聞いて下さるのは嬉しいのですが、同時に剣を向けないでいただきたいのですが?」


「早くして欲しいのだけど?」


「分かりました、、、」


 今は気分が良いのだから早くして欲しい


「実は私もあの帝王様を殺す依頼があったのですよ」


「それは残念ね。もう彼は、、、ふふ」


「とはいえ、依頼者はどう考えてもメリットが何もないのですよね」


「ならどうして?」


「本当はそろそろ隠居でもしてスローライフを、、、と思っていたのですけどね」


「ですが暗殺業をするのですから私はスリルも欲しかったのですよね」


「それでどうしてここに?」


「言ったでしょう?スリルが欲しかったのですよ。そしてここの帝国はとてつもないほどのスリルを抱えておられる。ですので、協力させて頂けませんか?」


「足でまといはいらないのですけど?」


「こう見えて特殊なスキルを私は持っているのですよ」


「?」


「オリジナルには劣りますが、、、私は、

スキル:《百面相》例えば、、、そう」


「、、、!?」


 一瞬でこちらに近づき、転がっているソレに触れた後、すぐに元の場所に戻ったと同時に、姿が変わる。転がっていたはずの帝王に、、、


「このように姿を変え、スキルも劣化品ですが少々扱えるのですよ」


 そして姿を元のマントを深く被った姿になる。


「上限はあるの?」


「自分の実力以上の物を扱うことは難しいですね。そして、劣化品なのでオリジナルには遠く及びません」


「姿形を変えることが出来るのなら、その姿も偽物という可能性があるのでしょう?それは流石に信用出来ないのですけど?」


「ご安心を、契約してくだされば裏切ることはありません。こういう事をするのは信用あってこそですから。」


「矛盾してると思うのだけど?」


「今回はイレギュラーですよ、、、それに」


 そして、いつの間にか油断し後ろを取られた。


「私は即死スキルも持っている中、こうやって交渉してるのは相当な信頼なのでは?」


 少し考えた後、


「確かにそうね、、、でも」


 すぐに剣を持ち変え、一瞬で喉に寸止めする。


「おやおや、、、」


「あまり、相手を見下すものでは無いのですよ?」


「たっ確かにそうですね、、、」


「そういえばあなたの名前は?」


仮面(ペルソナ)と及び下さい」


「そう、よろしくお願いしますね。仮面」


 こうして、交渉は成立した。


「あなたのスキルで少しの間帝王として玉座を守っていなさい。私はまだやることがあるので」


「分かりました」


 そして、確認をしに行く。


「これからが楽しみね、、、ふふ」



「、、、」


 彼女が出ていった後、肩の力が少し緩む。


「くく、、、」


 あれは人なのか?今まで、あってきた人間と全く違うではないか、、、


「化け物か、、、」


 最初から最後まで生きた心地がしなかった。今までは奪う側だったというのに、、、今回はどうだ?

 初めて狩られる側の気持ちを味わった。


「クク、、、最高に、、、最悪だ、、、」



 先程とは別の場所、周りにはいくつもの試験管、それぞれに少女が眠っていた。

 どれも最高傑作には及ばない。自立もしなければ、魔族の四天王にすら、多勢で無ければ意味もなく、挙句逃げられた。

 成功事例は自分とあの最高傑作だけだ。


「まさか、あんな形で再会出来るとはね、、、」


 今でも彼女に与えられた傷は跡が残っていた。


「あの娘さえ手に入れれば全てが私の思うがまま、愛しい愛しい私の可愛い愛娘、、、私と一瞬に世界を変えましょう、、、ふふふ」


 彼女は、元奴隷の貴族だ。親はもういない。奴隷として、恨みを持ち、かの者たちに復讐をする。


 私の最高傑作は生み出した私でも嫉妬してしまうほどの力を得た。

 あぁ羨ましい私にもそれだけの力が有れば、、、あぁ羨ましい。妬ましい。

 でも、最後には恩返しをしてくれるのよね?


 愛娘に付けられた傷跡を撫でながら嫉妬の翼をはやした少女は微笑む。






 まさか彼も、あの娘に殺されるとは思っていなかったでしょうね。彼自身は正常でいるつもりだったのでしょうが、、、。いくら、数々の魔法を駆使して自身の寿命を疑似的に延命しているとして、その装置を無効化されては元もこもありませんからね〜。っと、転生何てさせませんよっと、、、このような形でアナタを捕まえてしまうとは、、、マイエンジェルの仕事がなくなってしまったような物じゃないですか〜とはいえ、これはこれで、、、そうですね。新しい仕事が増えたので、そっちの方を片付けてもらうことにしましょう〜。あぁ、なんて私は、、、周りをよく考えている立派な女神なのでしょう〜。これには、マイエンジェルも私のためにとても素晴らしく働いてくれます。仕事が終わった後には私と素晴らしく素敵なスローライフを送りましょうね〜。っと、健気で一途で周りをよく見ている超絶美人女神の私はこれからの未来を見据えて楽しみにしているのでしたぁ〜。

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