勇者と聖女と 〜義姉と義妹〜
見事に猛獣(?)を手懐けた姫様は次にミケさんの潔白を証明しようと奮闘していた。
「そういえばフォンはどうしてそこまでミケさんの潔白を証明しようとしているの?やっぱり騎士団長だから?」
ソラちゃんが素朴な疑問を投げかけた。
「そうですねミケが信頼できる騎士団長というのもありますが、、、ミケは私の義理の姉というのもあります」
「義理のお姉さん?」
ソラちゃんの問い返しに無言で頷き、続けた。
「父が身寄りのなかったミケとシルバを引き取ったのです。私にとって実の姉妹ができたようで嬉しかったんです」
「なるほど、、、ならもっと頑張らないと、、、何か手伝えることある?」
「質問はあれだけでいいのですか?」
「?大事な人を助けたいならそれでいいんじゃない?」
「!、、、ありがとうございます」
そういえばソラちゃんはユイナちゃんを実の妹みたいに思ってるんだったな、もしかしたら共感できるのかもしれない。ただ自分はきょうだいを持ったことがないので深くは分からなかった。
「うぅ、、、やっぱ作戦書の疑いは晴れてもあそこで殺していない理由がなぁ〜」
全員で色々考えたが何も分からなかった。
「しかたありません、、、」
「これではミケさんが、、、」
ユイナちゃんも顔に影を浮かべさせていた。
結局何も出ずに、ミケさんの判決についての討論に入った。ただ、作戦書は仕組まれた物ということが証明され、シルバちゃんは姫様に絶対服従を誓い(周りが引くほど自主的に)なんとか丸く収まり、死罰は無くなった。
「とわいえ、ミケ元騎士団長殿が国王殺しをしていないという証拠がないのがのぉ、、、」
「、、、」
昨日まで散々言い合った大臣達は今日は大人しかった。そして、口を開いたのが、
「一つ」
フォン自身だった。
「どうしましたか?」
「私は一つ話さなくてはならない事があります」
「?」
そして、少し息を置いて、
「私の目は真眼を持っています」
「「!?」」
大臣達が一斉に驚きの声でざわついた。
そういえば、姫様の真眼ってあまり周りに知られちゃまずかったのでは、、、?
「そっそれは本当なのでしょうか?」
「わっ私あの老害と違い殿下のお言葉を疑っている訳ではないのですが、、、何せ真眼持ちは今まで歴代聖女様でも1人か2人しか聞いたことがないので、、、」
なるほど、、、それだけ珍しいなら耳を疑うのも当然か、、、
「でしたら、、、一度賢者様に鑑定していただきたく思います」
(賢者様?)
「確かに昔から仕えておられる賢者様に見せることが1番早いですね。」
そうして、兵士1人賢者様とやらを呼びに行った。
「賢者様が来る前にもう一度ニアに話しを聞きましょう」
ニアが連れて来られた後、前と同じような質問をされたが同じような答えだった。
一度姫様が考えた後、大臣達に席を外させた。理由は少人数の方が話しやすいだろうという理由だ。
「もう一度聞きます。ニア、あなたは国王を殺しましたか?」
「いえ」
「でしたら誰が?」
「、、、」
ニアはシルバを見ていた。
「もしかしたら、、、フォン」
「?」
「もしかしたらシルバちゃんを警戒しているのかと」
「なるほど、、、ニア、シルバは私に絶対服従を誓っております。なので、教えて下さい。お義姉さん」
「私は、、、私は国王を殺してはいません。ただ、国王を殺した者は見ました。」
「それは一旦?」
「シルバだ、、、」
「!?」
「嘘では、、、ないですね、、、シルバは殺しましたか?」
「?殺そうとは思いましたけど殺してはいませんよ?」
「!?」
「もしかして、、、」
ある1つの可能性が出てきた時。
「姫様!!!」
兵士の1人がドアを開けて入ってきた。
「どうしましたか?一度席を外すよう言いつけていたと思いますが?」
「ご無礼を承知でご報告させてください!」
「?どうしましたか?」
あまりにも緊急の報告らしくフォンも耳を傾ける。
「けっ賢者様の裏切りです!」
「なっ!?」
「「「「「!?」」」」」
『「、、、」』
全員に困惑の表情が浮かぶ。
フォンの説明いわく、賢者様と言われている人物は、現れた魔物が〈巨大災厄級〉であると国王に報告、そして、それに対する希望を探すための助言をしてくれたらしい。
「ですのでソラちゃんやユイナちゃんそしてシア様に会えました!」
「何で私にだけそんな感じなの、、、?」
「シア様ですから!」
「ソラちゃん、、、」
「まぁ頑張って!」
「私もお役には立てないですねぇ〜」
『何度もいいますがマスターはどこの馬の骨とも分からないあなたなんかに渡しませんからね!!』
「私の名前はフォン・ジュリアといいジュリア国の王妃です」
『そういう意味ではありません!』
「胸があれば、、、」
「関係ないですからね?」
とはいえ、国王や姫様に誠心誠意に仕えていた人がこのタイミングで裏切り、、、兵士の話しによると姫様の真眼の相談をした時、急に攻撃、命に別状は無かったがすぐに逃亡してしまったらしい。
他の兵士達もすぐに賢者様を探し始めている。
「一旦別れた方がいいかもしれないですね。私はあっち側」
『確かにマスターの意見に賛成です。』
「でしたら私はシア様と、、、」
「ソラちゃんお願い!」
「え!?」
「、、、」
「シア様〜!」
「こういう時はマリスの方がまだ楽」
「質問、分かってて?」
「まぁそんな感じかな、、、」
あえて、ソラちゃん達にあっちを任せたといえば任せた。なんせ、、、
(まさか、運命操者が勝手に発動するとはね、、、)
〈スキル:運命操者〉未来を見たり未来の結果を操作できる。魔力量で出来る量も変わる。そして、新しく分かった事が、最悪の未来を断面的に見ることが出来るということだ。
そして見えた未来はソラちゃん、ユイナちゃん、マリス、フォン含め、自分以外の全員が赤い海で眠っているという未来だった。
(そして、恐らくその原因が、、、)
「そこ!」
見た目は、何も無い空間に魔塊を撃ち込む。
「貫いたと思ったんだけど、、、」
「ナッナゼワカッタ?!」
何もなかったはずの空間が歪みフードを被った人間が現れた。
「勘が冴えているので」
「ハナシニナラナイナ、、、」
そして、逃げだす。
「逃がさない」
フードを被った人間の周りに魔法陣が現れ、黒い鞭のような物が現れ拘束する。
「ナッ、、、」
「ナイス」
『今日は私の出番がありませんでしたね』
「惚れた?」
「何でマリスまであの2人みたいな事を、、、」
頭の中に仕事は出来る残念美人と元々残念金髪狐耳姫様の顔が浮かぶ。
(それにしても、、、弱い気が、、、)
予知(?)した時はもう少しヤバイのかと思っていたのだけど、、、。
まぁ心配するに越したことはないか、、、。
そう思い、賢者様のフードをとると、
「なっ!?」
『魔族!?』
フードの中には、紫色の肌、ギザギザな牙の魔族だった。
「どうして魔族が、、、?」
「タダデオワルカ、、、!」
「なっ」
『大丈夫ですか!?』
「なんとか」
まさか最後に自爆とは、、、魔族は負けたら自爆する習性でもあるのではなかろうか、、、。
『とりあえず戻りますか、、、』
さてさて、、、まさかまさか国王がニアちゃんが殺したでもなく、シルバちゃんが殺したではなく、第3者の可能性が出てきちゃいましたねぇ〜私もこれは驚きましたよ〜えぇ〜本当に驚きましたよぉ〜嘘ではありませんよぉ〜、、、多分。あぁ〜多分まだまだ戦闘は続くかもしれませんねぇ〜もしかしたら国王殺しの真犯人はもう逃げてるのかも〜?ふふ〜




