勇者と聖女と 〜姫様と姉妹〜
気がついた時には朝日が登っていた。他の皆も眠れていなさそう、、、
「スゥスゥ、、、」
「うぅん、、、」
「、、、」
でもなかった。とはいえ、次期魔王様以外は寝付きが悪そうだった。
『皆様、夜遅くまで眠れていなさそうだったので私が寝かせました。いくら心配だからとはいえ人間は寝ないと生きていけませんからね』
「なるほど、ありがとうアピ」
『はい!』
そして、1人ずつ起こす。
「私、、、寝てた?」
「私も、、、」
「起きてた。」
いや、嘘おっしゃい!なんならマリスが1番グッスリしてたからね??
(ツッコムの疲れそうだから言わないけど、、、)
今日は皆、昨日よりはましだった。
寝室を出て、早速フォンの部屋に行く。場所はシルバさんに教えて貰った。
「まず最初にミケが何故このようなことをしたのか気になります。後、この計画書についても」
「分かった。昨日は何も出来なかったけど今日は大丈夫、私に出来ることなら手伝わせて!」
「はい、ありがとうございます」
そして、朝食の後、シルバさんも含め全員でミケさんが入れられている檻に向かった。
ミケさんの目はどこか遠くを見ているように虚だった。
「ミケ、昨日のこと詳しく話して下さい。これは命令です」
「、、、」
(あれ?さっき一瞬、、、)
「ミケ団長教えてください。どうして陛下にもっともご恩を頂いた貴女が、、、」
「「「、、、」」」
全員が静かにミケさんを見守る、それでもミケさんは
「、、、」
「ミケ、、、」
「、、、私は、、、国王を殺してはいない、、、」
「?どういうことですか?団長の部屋から陛下殺害の計画書があったのですよ?」
「、、、」
また、ミケさんは黙ってしまった。一度全員戻って話し合う。
「だいたい、国王様の恩を仇で返すなど不敬にも程があります!今すぐにミケ元騎士団長の死罰を!」
「落ち着き下さいませ、確かに今回の件は許されるべき事ではありません。ですが、今までのミケ元騎士団長には我々も助けられた恩があります。故に死罰ではなく追放にしては?」
「貴殿は裏切り者の肩を持つというのか?いずれ野盗にでもなって今度は我々の命を狙われるかもしれないのだぞ?なんせアヤツは〈巨大災害級〉のキュクロプスを打ったのだからな」
会議では裏切り者のミケ元騎士団長の処遇について議論された。基本、死罰とするか追放とするかの2択であった。
「打ち取ったとはいえ直接止めを刺したという訳では無いのだろう?ならば武器を没収してしまえば良いだろう?」
「そのような甘い考えだからこそ国王様は斬られたのだ!年老いてボケたか!」
「まだまだ若者よりは衰えておらんよ。我が孫を見るまではな」
といってその老人はフォンを少し見た。こいつ、国王が死んだのを良いことに自分の息子を嫁がせようとしているようだ。だがそれは相手も同じ考えのようだ。
「お主の息子なんぞ誰が貰う者がおる。ただの口だけのボンクラではないか!」
「それをいうなら、お主の息子は力だけの乱暴者ではないか。それに比べれば我が息子は私に似てとても優秀だ。全て言葉で解決できるのだからな」
「お前に似て屁理屈なだけだろう?」
だんだん話しが全く違うことになっていた。それを見て、ソラちゃんが立ち上がり声を出そうとした。
「なにをくだらないことを話しているのですか?今はどちらの息子が優秀かという話しはしていないのですよ?」
「これは失礼しました」
「この老害が始めたことですが、それに乗った私も未熟者でこざいました」
「分かればいいのです。あなた方は素晴らしい作戦と武力を持っていてくれたおかげで助かっていると父が言っておりました。武力あってこそ輝く作戦、作戦あってこその武力なのですから互いに罵り合う事は互いに双刃の剣ですよ。」
「これはありがたきお言葉」
「これからも誠心誠意尽くさせて頂きたく存じあげます」
(凄いな、流石は王位を継ぐ姫様なだけはある、、、)
話し合いの結果、ミケさんの処遇は一応は投獄ということに落ち着いた。
「全く、、、あの大臣達って見てて腹が立つ」
「うん、国王様が亡くなられたのに、、、」
「仕方ないです。お父様が亡くなられたとはいえ、国を支えていかなくてはならないのですから。」
「フォン、成長した?」
『意外ですね本当に成長したのですか?』
「当たり前です!いずれはシア様との国なのですから平和に暮らせるようにしっかりしなくては!!」
「悪い報告に成長してない?」
部屋に戻り休息を取っているとドアをノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
「失礼します」
「シルバさんどうかしましたか?」
「お夕飯の準備が出来ましたので及びに」
「ご飯?」
「はい、姫様が用意したら皆様と食べたいからと」
「わかったわ。シルバさんも一緒にどう?」
「お誘いいただきありがとうございます。ですがすみません。私は少々シア様にお話ししたい事がありまして、」
「私に?」
「はい」
「わかった」
そして、一旦夕飯の場所に案内された後、シルバさんについていく。
「ここは?」
「ここは亡くなった兵士達の遺体を埋めた場所です。町からは少し離れていますが月や星がとても綺麗に見えます。」
確かにとても月が綺麗に見える。
「月が綺麗ですね」
「たしかに」
ん?どっかで聞いたことがあるような、、、
「本当に綺麗です。邪魔者を消すぐらいにはもったいないぐらいに、、、」
「!?」
瞬間、周りに魔法陣が現れ、その魔法陣によって両手足を拘束された、、、え!??どうして!?
「私は姫様の事をとてもお慕いしています。それこそ私の中に眠る呪いを使うほどに」
シルバさんの魔力が増強し、尻尾や耳が鋭くなる。
「私は騎士団長のような力はありませんがこよい満月の時、団長をも越える力を使うことが出来ます。」
すぐにシルバさんを解析鑑定した。
鑑定結果
名前 シルバ
性別 女
種族 獣人〈月狼〉
スキル
〈未来視〉〈月光強化〉〈策士〉〈身体強化〉
〈魔力操作〉〈思考加速〉
称号
《狂愛者》《先知る者》
(〈スキル:月光強化〉、、、これを作ることってできるかな、、、創成!)
〔スキル:創成を用いてスキル:月光強化を作戦しますか?〕
(はい)
〔スキル:月光強化は種族が月狼でないと扱えません〕
(え?まじ?まじか、、、)
てか、シルバさんって銀髪猫耳美少女じゃなくって銀髪狼耳美少女だったのか、、、。
(見た目はフォンより1つか2つ幼いんだけどね、、、)
「何かしようとしましたか?ですがアンチマジック魔法陣も発動しています。ですので私から一方的に痛ぶてますね。」
「それは辞めてほしいのだけど?」
「無理です。ですが、私の姫様に手を出そうとしたのです。これぐらいのことは覚悟してください」
この銀髪狼耳美少女まさかこんなにヤバいとは思わなかった。だけどよく考えたら、義姉のミケさんも形は違えど似た物だったような、、、なんだこの義姉妹、、、
「邪魔者っていうことはもしかして、国王を殺した挙句、ミケさんに罪を着せたのはあなた?」
「ふふ、当たらずとも遠からずですね、いいでしょう冥土の土産に教えてあげます。」
「、、、」
「私は少し先の未来を見ることができます。ですがソレはたまに意思に関係なく見えてしまう時があります。」
「今回はソレっていうこと?」
「はいそうです。陛下が死んでしまう未来を見ました。近くには騎士団長、それで私は1つ素晴らしいことを思いつきました!」
「、、、」
「私は姫様がとても大好きです。ですが育てられた場所は同じでも立場が全く違います。なので、姫様が陛下になったことを見届けた後に陛下とご心中するための作戦をいくつか思いつきました!そして、その作戦達を実行する日をいつかいつかと待ったことか、、、あぁ姫様〜」
「っ、、、」
思いっきり寒気がする。それこそ、ミケさんの光の無い瞳を見た時のようだ。
「ですが、私は手を汚さずに陛下が亡くなり、姫様が次の陛下になられました!あぁ、なんて凛々しく美しい物か、、、邪魔者であるあのミケさんがこんな状況になってイルnです。ならば存分にその機会を利用しようと思ったのですよ」
「、、、」
あまりの衝撃に言葉を失ってしまった、、、こいつはやばい。
いや〜愛とは時に人を恐ろしく邪神のように真っ暗にしますねぇ〜。あんなおかしな存在にはなりたく無いですね、、、しかも無自覚ですからなんて恐ろしいのでしょう。あぁ、怖ぁ〜。そして、健気で一途な私はマイエンジェルのことを心配で心配でしょうがないのでした。




