勇者と聖女と 〜気分屋な〜
朝になり、また馬車に乗ってフォンの故郷であるジュリア国へと向かう。道中、魔物にも出会ったが苦戦することはなかった。どちらかといえば、、、
「シア様〜」
『何度も何度も!』
「シア、大きい方が好き?」
「なんで女の子同士でそんな事話してるの?」
「私にも分からない、、、」
「スヤァ、、、」
フォンとアピの喧嘩もろもろの方が大変だった。
なんで魔物との戦闘じゃなくパーティの仲間同士の抗争に苦戦してるんだろ、、、。
ちなみにユイナちゃんは最後の見張りで疲れて眠っている。ソラちゃんの手を握って。
「ソラとユイナって恋人?」
「なぁ、、、!?」
「二人、いつも一緒」
「なっ何言ってるの!?私とユイナは昔から家が近かっただけで、ユイナは私の妹みたいなものよ!?」
それにしては動揺しすぎですよ。ソラさん、、、。
「それに!女の子同士で恋人はありえないでしょ!」
「?私の国では恋愛にオス、メスは関係ありませんよ?」
「フォンの国ではそうかも知れないけど私は違うの!ユイナは私にとって大事な妹よ!ユイナが幸せに暮らせるように守らなくちゃいけないの!」
「うぅうぅ〜ん、、、どうかしたの?ソラちゃん、、、」
「あっユイナ少しうるさかったわねゆっくり休んでて大丈夫よ」
「は〜い、、、スヤァ、、、」
『妹の幸せのために、、、ですか』
「なっなによ」
『いえ、ただお2人が少々不思議に思っただけです。きょうだいという物を知らないので、、、恋人でもない相手のためにそこまで思える物なのですか?』
「アピ」
『どうしましたか?マスター、、、え?』
私はアピの頭を撫でる。とはいえ、アピの本体は肌身離さず持っているこの棒のような物だが、、、そこは今は関係ない!
『どうして、この私(意思疎通体)を、、、』
「私はいつもアピに助けて貰ってる。アピがいてくれたから今があると思うよ」
『!?、、、まっまぁ、マスターを支えることが私の役目ですからね!!私あってこそのマスターですからね!もっと褒めて下さい!!』
「ふふ、、、ありがとう〜」
かたや人間によって作られた道具。かたや使われるための道具。そんな事を知らないソラだが、人形の様に美しい少女達を見ていて、2人の間には切っても切れない物があるのだと感じた。それこそ、自分と今自分の手を枕にしている少女のように。
「スヤァ、、、ソラちゃん、、、好き」
「ありがとうユイナ、私もよ」
「やっぱり2人って、、、」
「、、、むぅ」
(おふくろ、、、俺、今、口の中が砂糖漬けだ、、、この世界に産んでくれてありがとう、、、)
そして、男性にお礼のお金をわたし、別れた。
ジュリア国、、、獣人が住む国であり、フォンの故郷、そして、〈巨大災害級〉の魔物を使役する魔族がいる。
「ここが、、、」
「はい!シア様!今からお父様にご挨拶しに行きましょう!」
『なんでそうなるんですか!大体、マスターはまだ承認してないじゃないですか!!』
「遅かれ早かれ私とシア様は結ばれるので挨拶に行って損はないですよ!」
『だめだこの人、、、早くマスターをなんとかしないと、、、』
「あはは、、、」
「ここ、、、綺麗」
「うん、、、」
周りには多種多様な獣人、ちょくちょく人間も混ざっている。そして、巨大な木々の上に家が立っている。ゆうだいな自然の中で一緒になって暮らしている。周りの雰囲気も活気に満ちている。観光でまた来てみたいと思った。
「フォン様!」
「ミケ!」
ミケといわれた金髪猫耳獣人美女が走ってくる。
「ご無事でよかったです」
「ミケ達こそ大丈夫だったの?お父様達と討伐作戦で重傷をおおったって、、、」
「はい!国王陛下含め、我ら騎士団は無事です!ですが、フォン様の方が大丈夫だったのですか?ベヒモスが出たと、、、」
「連絡してなかった?」
「はい。なにも聞いていなかったのですが、、、」
「ここでは少々心配なので、一度お父様達と、、、」
「分かりました。では、こちらへ」
そういい、一度こちらを警戒したがフォンのおかげか案内された。一度、待合室に案内された。
フォンがミケさんや父親と少し話した後、会議室のような場所に案内された。
「この度は、我が娘のフォン・ジュリアを助けていただきありがとうございます。私が娘の父であり、この国の国王をしている、ウォール・ジュリアといいます。」
「そっそんな頭を下げないでください!私達は偶然助けただけで、、、その、、、」
「なるほど、、、確かに貴殿達は娘の言った通り、とても素晴らしい方々のようだ」
「へ?」
慌てるソラちゃん、その後すぐに顔をあげる国王、、、。流石は国を背負う王様だ。芸が細かい。
「いやはや、試すような真似をしてしまい申し訳ない。娘を利用しようとしているのかと警戒してしまいました。」
「お父様ったら、、、」
「すまないな、年を取るとどうもな」
「はぁ、、、」
「改めて、私はこの国の王、ウォール・ジュリアだ。娘の命をお救い下さりありがたく思う。貴殿らの名を聞いてもよろしいか?」
「はい!私はソラです」
「えっえっと、ユイナ、です」
「マリス」
『アピです』
「シアといいます」
さっきとは違い、国王という威厳に少々気圧された。
「ふむ、しかと聞いたぞ。して、貴殿らはなにゆえにこの国にきた?娘から聞いた通り、ここはいつ〈巨大災害級〉の魔物に滅ぼされてもおかしくないのだが?」
来た理由はフォンに話されているだろう。しかし、それでも、こうやって聞いてくるというのは国王は自分達とは関係のない者を巻き込みたくないという事だろう、、、。証拠に国民を逃すための準備をしていた。空間把握で見たら、食料を集め、いつでも国民が逃げれるように転移魔法陣がいくつもあった。
「私達はフォンを大切な仲間と思っています。仲間が助けを求めているのなら助けるのが当たり前です。」
「仲間か、、、だが、出会って数日しか経っていないのだろう?仲間ではなく、勇者としてではないのか?」
「!?」
「私の部下は優秀だ。貴殿が勇者の資格を持っている事、そして、まだ未熟ではあるが、将来魔王をも討ち滅ぼせる力を得ること、ならば、世界のため、我が身を捧げる方が良いと思うのだ。だがしかし貴殿になら娘を任せても良いかも知れない。」
確かにウォール国王のいう通り、ソラちゃんはまだ未熟だ。未熟だからこそ、今、未来を奪ってしまうのは世界にとっても良い物ではない。だから、国王は
自身を犠牲にし、娘を信頼できる相手に任せ、国民を逃がす時間を稼ぐと言っているのだろう、、、。
これはソラちゃんが選択しなくてはいけない。命の選択を。
ウォール国王は娘を任せるといっているがこれは、ソラちゃんの責任を少しでも軽くしたいということだろう。本当にどこまで知ってるのか、、、本当に腹黒い国王様だ。
そして、ソラちゃんの答えは、
「確かに、私は次期勇者です。こうやって誰かを助けようと思うのは責任感から来るのかも知れない。勇者の憧れがあるからかも知れない。」
「ふむ、、、」
「でも、私は、私は!次期勇者だからこそ、力があるからこそ!後悔は絶対にしたくない!助けられた命を助けられたで終わらせない!絶対に助ける!守る!それが、私が私としての勇者である意地だからです!!」
まさか、意地で答えるとは、、、。
「でも、、、そっか」
『マスター?』
「ふむ、、、」
「少しよろしいですか?」
「シア?」
「なんだ?」
「確かにソラだけではまだ未熟です。ですが、ソラは1人ではありません。」
「なにが言いたい?」
「勇者を助ける仲間がいますから」
そして、笑顔を作り、顔をあげると同時に魔法を使う。
「これは、、、!?」
「空間魔法の1つです。一時的に私達以外の時間を止めました。」
「なっ!?そんなことが、、、」
「改めて自己紹介をします。」
そう言って翼を広げる。白くて柔らかい翼。
「、、、、!?」
「私はシア、世界を見守るため、勇者を見守るため。舞い降りました」
「なっ何故、、、私に姿を、、、」
「本来なら見守るだけでしたが、、、今回は次期勇者様の晴れ舞台。でしたらこれぐらいのことはします」
「なるほど、つまりは貧乏くじという訳ですか、、、」
「ふふ」
「これまた、気が重い。分かりました。天使様直々の命とあらば」
「ありがとうございます」
「勿論このことは他言無用とします。話して、寿命を縮めたくないのでね」
そして、景色が戻る、、、。
(あれはいったい、、、ふ、考えても無駄か)
「よくわかった。ならば、好きにするがよい」
「!、、はい!必ず守ってみせます!」
そして、戦闘の準備に移る。
「それにしてもシアどうしたの?」
「?何が?」
「どうして、さっき急に立ってあんな事を?」
「なんとなく」
「?」
『それよりも早く準備をしましょう。そうしないと守れませんよ?次期勇者様〜』
「あっそうだ、、、えっとその、、、」
「私はソラちゃんについていくからね」
「暇つぶし」
「この戦いが終わったら私はシア様と、、、うふふ〜」
『それはまた別の話しでしょ!!』
「ソラちゃん、、、」
「?どうしたの?」
「これ終わったら色々助けて欲しいです、、、」
「はぁ〜わかったわよ!シアにも助けられたからね」
「ありがとう、、、」
そして、〈巨大災害級〉との戦闘が始まる。
少し演技が固かったかな、、、まぁいっか。
流石私のマイエンジェル!私に似て慈悲深く、可愛いらしいですねぇ〜!次期勇者様には頑張っていただきたいですねぇ〜!せっかくマイエンジェルがわざわざ用意した大舞台なのですから。ふふ




