帰還後 〜とうとうやってきましたぁ!!〜
宿に戻るとマリスはまだ帰っていなかった。
「マリスはまだ帰って来てないみたいだね」
『そうですね、まぁすぐ帰ってくると思いますよ』
「それもそっか」
そして、着替え等をする。
『マスターもう着替えるのですか?』
「うん、いつも着てる方がまだ落ち着くからね」
『そうですか、、、残念、可愛いのに、、、』
アピは渋々服を着替えさせてくれた。ついでに身体も魔法で洗ってくれた。アピは案外気が利くのである。
布団に入る。最近、寝ているようで、意識を完全に眠らせることがない。何故か、寝なくても疲れが取れない所か疲労という疲労を感じないのだ。
(朝ぐらいまでにマリスは帰ってくるのかな、、、)
だが、今回は久しぶりに眠気が襲ってきた。
「うぅん、、、?」
「おお〜どうやら上手くいったようですね!」
気がつくと、知らない空間にいた。周りは白く、壁という壁がない。ただ、不思議なことに、巨大な鏡と向かい合った椅子が2つ、机が1つ。
片方の椅子には少女が微笑みながらこちらを見て座っていた。、、、え!?
「どうして、、、どうしてお前が!?」
「ぐふふ〜久しぶりだね」
「どうして、“ミライ”が!?」
相髪 未来は、自分が生前、唯一親しく話せる相手で、学園で人気のある無自覚腹黒美少女、、、。
「無自覚腹黒は余計ですよ〜?」
「ナチュラルに心読むな、、、てか美少女は否定しないんだな、、、」
「まぁ美少女っていうのは本当の事ですからね〜」
(こいつってこんなキャラだったっけ?)
改めて、ミライを見る。腰まで届くツヤのある黒い髪の毛、手入れのいきとどいた白い肌、茶色く大きな目、細長い手足、、、確かにどこからどう見ても見た目はミライである。
「お前は何者だ?」
「何者と言われましても〜あなたが知っている、
相髪 未来ちゃんですよ〜?」
「俺の知っている未来はそんな話し方をしないぞ?」
「あれ〜?そうでしたっけ〜?」
絶対こいつは偽物だ、、、。てか見た目変えるなら少しは似せる努力をしろよ、、、。
「俺の知っているミライなら俺の部屋に隠している宝がどこにあるか知ってるよな?」
「もちろんですよ〜。ベットの下の床裏を開けると、その中にある囮の本が入れてあり、その本の引き出しの裏側ですよね?」
「うん、そこまで詳しくいえとは言ってないね」
「知ってるのか?と聞いたのはあなた自身ですよ?ふふ、部屋に上げる人なんていないのに随分と凝った所に隠し入れていますね〜」
「やっぱりお前は偽物だな」
「ありゃ?どうしてでしょうか?私はちゃんと答えましたけど??」
確かに質問の答えは100点満点である。ただ、こいつは1つミスを犯した。
「確かに答えはあっている。それも聞いた本人自体が正直引くぐらいだ。」
「ならどうしてですか?」
「簡単なことだよ。お前が言った通り、部屋に上げる相手がいない、いや、正しくいうのなら、ミライでさえ、1度も上げた事がない!勿論場所も教えた事なんて絶対にないからだ!」
「それ、自分で言っていて悲しくないんですか?流石の私でも心配しますよ?」
「うるさい!」
「はぁ〜、まさかこんな方法で見破られるとは思ってもいなかったですねぇ〜」
どうやら相手は観念したようだった。
「確かに私は相髪 ミライさんではないですよ」
そういうと彼女が本来の姿(?)を見せてきた。
「私は貴方を見守っている、健気で美しく一途な美人女神様ですよ〜」
「うわぁ、、、」
「なんですか?その反応?」
そりゃ、自分のことを、健気で美しく一途な美人女神なんていう奴はいないだろ。そう思いながらも美人というのは納得してしまう。
全体的に見た目は今の自分と同じぐらいの背丈で、光が散りばめられているような白銀の髪、ルビーのように紅い瞳に、整った美少女の顔立ち、服は純白の布で覆われた服、透き通った声、背中に浮いたようにある柔らかい白い羽と対照的にある黒い羽は彼女が人ではないことを証明させる。正直黙っていたらそれこそ大天使とも見て取れる。
「ふふ、そんなに熱い視線で見つめないで下さいよ〜今すぐにでも襲いたくなるじゃないですかぁ〜」
うん、本当に黙っていたら、、、
「どうしてここに連れて来たんだ?」
「簡単な話しですよ〜マイエンジェルに直接会ってみたかったんですよ〜」
「なら、もう会ったから早く元の場所に戻してくれる?」
「私はまぁ別にいいですけど、、、本当にすぐ戻っちゃっていいんですか?貴方がこうやって転生できた理由も、貴方の今の状態も聞かなくて本当にいいんですか?」
「お前が?俺を?」
「はい!そうですよ?だから少なからずありがたく思っていただきたいですねぇ〜」
「本当に?転生できたってどういうこと?どうしてこの姿に?今の状態?、、、」
「一気に質問してこないで下さいよぉ〜まぁまずはその席に座って少し話しましょ〜」
「、、、分かった」
そして、警戒をしながらも言われた通り、椅子に座た。
「そんなに警戒しないで下さいよぉ〜。それではゆっくり質問に答えて行きましょ〜」
「わかった。」
本当はすぐに色々聞きたいのだが、今は彼女の機嫌を優先しよう、、、。
「まずは自己紹介からしましょ〜何事も第一印象が大事ですからねぇ〜」
こっちからすればもう第一印象は最悪であるのだけど、、、?
「私の神名は、愛神 ヤエといいます。貴方の世界では色々な神様の名前がありますが基本私のことですねぇ〜」
「はぁ、、、」
少々信じられないがなんとなくそんな気もするようなしないような、、、。まぁ話しの続きを聞こう。
「あまり信じてないですね?でもいずれ嫌でも分かりますよ。ふふ」
「それじゃぁお前が転生させたっていうのは?」
「お前ではなく、ヤエと呼んでください!シア」
「そんなの必要?」
「はい!そうでないのならマイエンジェルの大切な大切なお友達がどうなるか知りませんよ?」
そして、鏡にソラちゃん、ユイナちゃん、アリヤさん、カエデさん、そして、マリスの寝ている顔が映る。
「皆は関係無いと思うけど?」
「そんな殺気立たないで下さいよ〜。せっかくの可愛いお顔が勿体無いですよ?」
「誰のせいだと?」
「分かりました、でもヤエと呼んで下さい!そうすれば皆さんを悪いようにはしませんし、今は私特性の超凄い加護もつけますよぉ〜」
「、、、わかったヤエ、他の皆には手を出さないで」
「はい!分かりました!この時間は早速最強の加護もつけて守りますよぉ!」
ひとまずは安心した。
「それで転生させた理由は?」
「それは、簡単です。私がひまtu、、、偶然たまたま助けただけですよ」
「今暇つぶしにって言おうとしてなかった?」
「そっそんなことはナイデスヨ?」
動揺と目逸らしのお手本のようだった。こいつ、、、。
「、、、」
「、、、」
「それでは次の質問はなんですか?」
シンプルに話しを変えられた。
「分かった。じゃぁ次の質問、今の自分の状態というのは?」
「はいそうですねぇ〜簡単に言えば、生物とは全く違う存在に近づいているということでしょうか」
「つまりはどういう事?」
「シアは最近、眠気が来なくなったり、食欲がだんだん無くなったりしていませんか?」
少し心当たりがありすぎる。実際、食欲が無いというよりは元から要らないと思うようになったり、眠気という眠気がないのに毎日違和感なく元気だったりしてる事が多い気がする、、、。そう考え込んでいると、、、
「どうやら心当たりがあるようですねぇ〜」
「それでそれはどういう意味?」
「〈スキル:禁忌の代償〉これは今のように本来あるべき必要な物を無くす代わりに圧倒的な身体能力、魔力といった普通ではありえない力を強化、運用する事が出来るスキルなのですよ」
「!?」
「ふふ〜今はまだ少なからず残っているようですがいずれ完全になくなり、代わりに圧倒的な力を扱えるようになりますよ〜」
女神との会話はまだまだ続くようであった。




