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プロローグ
それは年端もいかぬ女の子であった。
運動神経は抜群で、五つの頃には体操選手顔負けの背面宙返りを披露する。
何をやらせても飲み込みは早く、一度教われば直ぐに会得する。
身体的能力は既に大人のそれを上回っていた。
細い手足から想像も出来ぬ怪力、脚力。繰り出されるは必殺の一撃。
その才能に驚くばかりか恐怖すら覚える。
将来、この年端もいかぬ女の子は一体、どれほどの怪物になるのかと。
その少女の名前は「青葉ソフィ」
神童とも呼べるその少女を娘に持つ父親「青葉源次郎」にとって彼女は誇りであった。
ゆくゆくは、自身の『青葉流暗殺術』の継承者となるであろうその少女に。
だが、この時青葉源次郎は気付いていなかった。
彼女には、唯一の欠点が存在することに。