✨12話1Part 人外達の集う国
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......日本西暦2×××年、兵庫県某所。とあるビルの3階にある会議室にて、机1台を挟んで向かい合う2人の人間がいた。
1人は流れるような緑髪を耳にかけ、左手にペンを握っている。その向かいの人間は、桃色の短髪をひょこひょこ跳ねさせながら相手の話の続きを待っている。
「うさ......って、これであってるにゃ?」
......宇佐、と書かれた紙を前にだして小首を傾げて青年に問う少女。その紙をみて青年は首を横に振った。
「違うのですぞ。僕の"うさ"は、......こうやって書くのですぞ」
「どれ......ほおお、"宇佐"じゃなくて"宇左"ね!」
「戸籍登録する時に、亻を書き忘れてたのですぞ」
「相変わらず間抜けにゃあwww」
「そうですかな?......てか、ラグナロクでの身分証作るのに漢字が居るのですか?」
西日の差し込む会議室でにこやかに談笑している人間......否、彼らは2人とも人外である。
「あっ......確かにいらないかもにゃ〜ww......それを言ったら貴方こそなんでラグナロクの身分証を作ろうとしてるのかにゃ?貴方が作ったところで、必要がどこにあるのかにゃ?」
「......今は日本に住んでいる聖火崎千代......もといジャンヌ·S·セインハルトが、仮住まいとして日本に短期間移住するために戸籍登録したのと同じ目的なのですぞ」
「ほほぅ......と、いうと、ひょっとしてウリエル様もラグナロクに短期移住を?」
......青年は大天使ウリエル、世界中に名が通る天界8大天使の一角である。見た目こそ細身の長身に短く切り揃えられた桃色の髪で、一般的な人間の見た目と変わりはない。しかし、整った顔に嵌っている双眸は、確かに濃い黄色のものだ。
天使体の時は純白で質素で、だからこそ際立って豪奢に見える翼を持ち、悪を聖なる業火で裁く役目を神から仰せつかっている大天使聖である。
「そういう事なのですぞ、しかも結構大きな案件で短期間では済みそうにないですからな」
「ちなみに、どこら辺に住むつもりなのかにゃ?」
「北ですぞ。できればタイガがある地方がいい、と考えているところですかな」
「やっぱり緑は欲しいってことかにゃ......」
「ところで、センリは仕事は大丈夫なのですかな?そちらの大陸は今けっこう大変な時期だと聞きますぞ?」
そしてウリエルと向かいあっており、今センリと呼ばれた少女は猫又である。緑頭の上部には1対の可愛らしい猫耳がちょこんとくっついている。妖美な体のラインと2つの尻尾が可愛らしくもあり妖しげな雰囲気も帯びている。
「ああ、大丈夫にゃ!でも余裕はもって動くべき、先にお暇させてもらうのにゃ」
「あ、じゃあ僕も行きたいところがあるから一緒に退店するのですぞ。2人だけなのに会議室まで貸し出してもらって、"こっちの日本"は優しい人が多いですな」
そう言って2人とも席を立ち、各々財布を開きながらレジカウンターのある2階にとんとんと降りて行った。
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ピロロロロ、ピロロロロ、ピロロロロ......
聖火崎宅のリビングにてすっかり東京観光で疲労困憊状態の望桜がソファで伸びている時に、スマホが単調な機械音で鳴き始めた。
「お?......」
ピロロロロ、ピッ、
「澄素さん、どうしたんですか?」
......電話をかけてきた人物は澄素 可夢、望桜達の住まうマンション·ヨシダパークハイムの大家さんの友人で、よく住人に電話をかけてくる良く言えば探究心が強くてフレンドリー、悪く言えばデリカシーが無くて迷惑な人だ。
『えとね、穴治ったからもう帰ってきていいよって由多が言ってたから、伝えるのに連絡しただけ〜』
「あ、そうですか」
『それだけ、ばいばい』
「え、はやっ」
通話時間約15秒、短いなと思いながらも澄素が大家から預かった伝言の内容を頭の中で繰り返す。......家にもう帰れるのか、まだ5日......5日だっけ、しかたってないのにもう治ったのか、あの大穴が。日本ってやっぱりすげえな。
......ガチャ、
「......鐘音、もう帰れるってよ。帰るか?」
そしてそう考えたあと、テーブルで読書をしていた鐘音に声をかけた。......見る度に思うんだけど、ほんとこいつ見た目すげえ変わるよな......
「帰れるのならむしろ今すぐにでもとんで帰りたいんだけど。ここ神気臭いし」
「お前なあ......仮にも部屋借りてるんだからそれはねえだろ」
「でも実際臭いし」
「勇者の家なんだから当たり前だろ!......てか、あいつ何でこっちにいるんだろうな、家でけーしよ、日本に永住しようとしてる俺らが4人で1LDK生活して色々切りつめたりしてんのによ、腹立つ」
「そういえば、知らない間に方がついてた総帥の件はどうなったの?」
そう聞かれた望桜は、ああ、そういえばこいつ知らなかったんだったな、と事の顛末について詳しく説明してやった。
「......と、こんな感じだったぞ。残りは或斗にでも聞くといいよ」
「ありがと」
「聞いてきた割には無関心っぽそうだなぁ......」
相変わらず、といった様子の鐘音の居るリビングを後にし、望桜は的李の居るであろうバルコニーへと席を移した。......否、先程バルコニーで外の空気を吸ってくる、と昼寝から目覚めて早々、足早に移動していったから、確実にバルコニーに居るだろう。
若干建付けの悪いガラス戸をゆっくり押しながら、少し風が吹いているバルコニーへと入っていった。
「......的李〜」
「......ん?どうしたんだい?」
望桜達の住んでいるヨシダパークハイムにも、各部屋にベランダは着いている。が、それとは比べものにならない程の広さ......ざっと12畳程の広さのバルコニーの手すりに体重を預けて、黄昏ていく日を眺めながら的李は物思いに耽っていた。望桜の名前を呼ぶ声が聞こえてゆっくり振り返りながら返事を返す。
邪魔して悪いが......と小さく声をかけながら望桜は的李の横のスペースに収まって、鐘音に伝えた内容と同様の事を伝えた。
「もう家の大穴がふさがったらしいぞ。......帰るか?」
「できればそうしたいところなのだけれど、丞さんの予定次第によるんじゃないのかい?」
どうやら的李は、送迎を頼んだ丞の予定等の心配をしているらしい。......丞が送迎を快く了承してくれたのは、丞が別件で東京に用事があって丁度同じ頃に行くことになっていたからだ。
行きは同じ、そして帰りは2週間後の予定だったが、まだ1週間も経っていない。丞の予定によってはまだ帰れない。しかしその問題はもう解決しているのだ。
「丞は、1日目だけ東京で予定があって、他は適当に観光しとくって言ってたから大丈夫なんじゃねえの?」
「......ならいいか、聖火崎には"お邪魔して悪かった"と、"部屋を貸してくれてありがとう"って伝えて、あとはもう丞が十分観光できたかを聞いてから帰るか帰らないかを決めるのだよ」
「そうだな」
こうして2人秋の夕風を全身で浴びながら、バルコニーにから望む東京の街、恐らく近日で見るのは最後になるであろう朱に染ったそれを眺めながら聖火崎の帰りを待っていた。
───────────────To Be Continued──────────────
ご精読ありがとうございました!!




