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なにまお!(リメイク前旧作Rotstufen!!)  作者: 水都まる
第2章 Alea iacta est !
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9話8Part 堕天使とユグドラシルの"果実"⑧

ここまで読んでくれてる方ありがとうございます!!

まだまだ付き合うよっ!って方は下へ⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!


 


「......明日、ですかね?瑠凪さんその状況じゃきついんじゃないですか?何があったかは知らないですけど、皆が万全な時にまた改めてお話した......ら......?」



 尻すぼみで帝亜羅が言った話し合いを後日に流す、という提案に全会一致で第3回目の聖火崎家会議(仮)は終わった。その後1時間以内で全員が就寝した。


 ......そんな中、リビングにて未だに活動する者が1人。



 カタカタ......



「もー、せっかく風邪の渾身の演技でみんな騙せてたのに、瑠凪のやつ。風邪扱いならフレアリカもいるし隔離されるだろうから、使い放題だってプランが......全く、夜中じゃないと連絡できないから起きてるのに......」



 先程風邪でダウンしていたはずなのに、今は元気ピンピンしている葵だ。パソコンは初め紅目の彼が"機械は使えない"と言っていたため望桜達は操作方法等を必死に覚えたと思っているようだが、ここ7日で身につかないであろう速度でタイピングとマウス操作を行っている。


 画面にはメッセージアプリとどこかの監視カメラの映像が映されている。



 カタカタカタ......カタ、



「......誰?」


 

 リビングに併設されているペニンシュラキッチンから、1つ、微かだが物音がした。タイピング音が響く部屋の中でもその音を葵は聞き逃さず、音のなった方へ顔を向けた。



「......やっぱり、起きてた」


「......帝亜羅か、うん。だって夜中じゃないとできない操作なんだもん」



 望桜達と共に聖火崎宅にお世話になっている女子高生·奈都生帝亜羅だ。キッチンの半島の後ろからひょっこりと顔を出し、リビングにとことこと出てきた帝亜羅の姿を目で追いながら、



「夜中じゃないと、か......下界関連の誰かと交信、とか?」


「......そーだよ?まあ、夜中しかできないっていうより、夜中の方が良い、の方が正しいんだけどね」


「夜中の方が良い......?」



 帝亜羅の読みである下界関連の誰かと交信、というのは正しかったらしい。葵は首をすんなり縦に振った。......夜中の方が良い、とは一体......



「夜中の方が相手の方が都合が良い、とか?」


「ううん、違うよ。そーじゃなくて......なにかと日本は夜中の方が、臭いんだよね......」



 そう言って顔の前で手をひらひらと仰いで見せた葵の動作に、帝亜羅は頭上に疑問符を浮かべた。臭い?



「臭い?この間ラファエルさんとアリエルさんが家に来た時の、しんき?ってやつのこと?」


「その逆、日本は夜中の方が犯罪やらなんやら起こるでしょ?そしたら悪魔と天使、どっちが喜ぶと思う?」


「......悪魔、かな?」


「その通り!悪魔にとっては犯罪が起こった時に同時に出る負の感情的なやつを、結果的に魔力として補充できるから夜中はうまうまなんだ!」


「交信に魔力を使うから、夜中の方がプラマイゼロになるとか......?」


  「まあ魔力は使うんだけど、そうじゃなくて......ちょっと待ってね......テレパシーみたいな感じの......あ、繋がった!」



 ザザ、ザザザ......



『Ewoo ! Homura-kun ! ! (あー!焔くん!!)』


「Enwere m ike ịnụ gị ~ (聞こえてるよ〜)」


「......あ、魔界語......!」


「正確には人間界南方、(セント)シーツリヒター語なんだけどね...... Ọ dị m nwute, enwere onye bịara ebe a. Ọ dị mma, ama m ama . (ごめん、こっちに今異界の人間が居るから......大丈夫、内容は分からないから。)」



 意味のわからない言語で始まった会話に帝亜羅は全くついていけない。補正?があるから同じ(元)日本人でも望桜さんなら理解できるのかな?とか考えてみては、2人の会話に耳を傾けては、時折首を傾げている。



『Nke ahụ bụ eziokwu ! Nwere ike ịnụ ụda na-amaghị ama ! Homura-kun, megidere ọdịdị ya, Olu a ghara ịdị oke elu ! (そっかそっか!どおりで知らない声が聞こえるわけだ!焔くんは見た目に反して、あんまり声は高くないもんね!)』


「Ndi ntre? Yabụ kedu ihe mere i ji kpọọ ya ọkwá ọchịchị ? (そーかな?っていうかさっきからなんで軍での地位名で呼ぶの?)」


『N'ụzọ ụfọdụ ! Site n'ụzọ, met nweela mgbe ị zutere onye isi ala anyị ? (なんとなく!ところで、そっちでもううちの総帥に会ったぁ?)』


「Ngụkọta ? Ọ bụ dike ndị ọchịagha na-ebi na mbara igwe ? O bu onye isi ndi Brave Army nke bi na Goryokaku na elu igwe ? Mgbe ahụ ahụbeghị m ...... (総帥?天空五稜郭住みの、勇者軍元帥、イヴ·カノープスの事?なら会ってないけど......)」


『Ọ dị mma… Enwere m nsogbu na enweghị Kano-chan, Enweghị m ike ịrụ ọrụ (そっかぁ......カノちゃんいないと困るんだけどなぁ、仕事が進まないよぉ)』


「Gịnị ka Eve Canopus mere ? (イヴ·カノープスが何かしたの?)」



 がっくりと項垂れた葵。ふと、帝亜羅は2人の会話の中で引っかかった言葉を頭の中で繰り返していた。......イヴ、カノープス?カノープスって星の名前だよね?



『Kano-chan na-achọ igbu Jeanne na ndị Brave nọ ebe ahụ. Mana onweghị onye nwere ike igbu Kano naanị, Aga m eziga ọtụtụ ndị~ ...... Ewezuga Louise na Tetra, Jeanne bụ onye otu kachasị na kansụl… (カノちゃんはね......ジャンヌ達勇者をそっちで殺そうとしてる。だけどカノちゃんを単体で殺せるようなやつは居ないから、元帥格を数人送り込むことになってて〜......ルイーズとテトラはともかく、ジャンヌは政権にいちばん口出ししやすい審議会所属だからなぁ......)』


「Nke ahụ pụtara, O yikarịrị ka a ga-egbu n'ihi na ọ na-akpaghasị Eve okwu ndọrọ ndọrọ ọchịchị? Ahịhịa ~ ww (つまり、イヴにとって政治的に邪魔だから、1番殺されやすいってことか!草〜ww)」


『Ahịhịa ? (草?)』



 全く何を言ってるのか分からない。分からないったら分からない。だって......存在すら知らなかった言語で話してるんだもん。そっか、それなら仕方ない。そう頭の中で1人芝居する帝亜羅。理解の追いつかない会話をただ耳で聞き流しながら、パソコンの画面の中に表示された人物をちらりと見た。


 ......ピンクの髪に、水色の瞳。全身に紺色の服を纏っており、全体の印象的に......魔女を連想させる格好をしている。顔つきは女性っぽいが、如何せん帝亜羅の周りには瑠凪や的李など性別がわかりにくい人物が多いため、女性と決めつけない方がいいかもしれない。


 その人は、一体誰で、どんな立場の人なんだろう......葵くんと話してるあたり、勇者軍?の人ではない、よね......?



「Ehee, nke ahụ bụ eziokwu ! ! Ewoo ! Lee gi echi ! Nke ahụ dị egwu ! (あ、そうなんだってこと!!そっか!んじゃまた明日連絡するね〜!ばいばい!)」


『Ee ! Nke ahụ dị egwu ! Aga m akpọtụrụ gị ma ọ bụrụ na ọ dị ihe ọ bụla ! Oh, Hito-chan yiri ka ọ na-aga ebe ahụ, Kano-chan dị mma n'ịgba egwu, yabụ kpachara anya ! (うん!ばいばい!こっちも何かあったら連絡するね〜!あ、ひとちゃんもそっちに行ってるらしいし、カノちゃんは搦手が得意だから、気をつけて!)』



 ザー、ザザー......



「......へえ、ひとえちゃん......一会とイヴが何かしら、ねえ......帝亜羅」



 どうやら交信が終了したらしく、葵はパソコンの前で大きく伸びをして帝亜羅の方を向き直った。さっきの会話と打って変わって真面目なトーンで名を呼ばれ、帝亜羅は思わず身構えてしまった。



「な、なにかな?」


「これは仮定の話なんだけど、もしかしたら、ほんっっとうにもしかしたら聖火崎や翠川が明日......」



 固唾を飲んで、先にどう続くのかと耳を澄まして続きを待った。帝亜羅は場に流れる夜中特有の沈黙にただならない空気が便乗していて、帝亜羅は額に汗がじわりと滲むのを感じた。



「......殺されるかもしれない」




 ───────────────To Be Continued──────────────





ご精読ありがとうございました!!

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