9話3Part 堕天使とユグドラシルの"果実"③
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幼女が声を発してからの数分間で、上記の考察が瑠凪達3人の頭の中て組上がった。が、やはりまだ幼女の正体を決めあぐねていた。 頭の中の考察はあくまで仮定、所詮は机上の空論だからだ。
......何か、確証があれば......そう頭の中で考えた時だった。
「あうたろと!......あ!るしふぇる!!」
「げっ、」
幼女が瑠凪の、ルシファーの旧名を呼んだ。天界の者しか知らない、大悪魔ルシファーが捨てた天使時代の名前。......決まりだ。
「決まりですね。お嬢さん、俺たちに着いてきてはくれないかな?......主様、この子の親は恐らく下界人か、天界人かと思われますので、一旦保護しますね」
「ん!......ほごってなあに?......う!あれたべたい!!」
或斗の問いかけに幼女は大きく頷いて、大人しく手を繋いだ。しかし近くにアイス店の看板を見つけて、あれが食べたいと駄々をこね始めた。
「とんだクソガキじゃん」
「主様!!......後で買ってあげるから、とりあえずこっちに行こっか」
「わかったー!!」
そしてさっそく本性を表した瑠凪を、或斗が落ち着ける。......感がいい子供、幼い子供は瑠凪の苦手な生物の代表格だ。鼠の次くらいに鬱陶しい。
「......にしても、この子、なんなんだろうね?せいかたんの家に連れて行っても大丈夫かな?」
「少なからずこの子は神気を媒体とした生命体みたいだから、魔力を媒体とする僕達悪魔より、この子と同じ神気を媒体とする生命体である、聖火崎や翠川に任せた方がいいと思うよ〜」
「テキトーだなぁ......」
本当にめんどくさい、関わりたくない。
そう思って瑠凪は返事までテキトーにし始めた。太鳳も若干引きつった笑みを浮かべ、或斗と手を繋ぐ幼女を見た。......やはり瞳は黄色、天使の証の色と同色である。
「とりあえず、移動しましょうか」
「そだね!」
「そーしよう......あー、めんどくさい」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「はーい!晩御飯食べる人〜!!」
「あーい!あたちたべる!!」
聖火崎の威勢のいい掛け声に、幼女が元気に返事した。背中まで伸びているセピア色の髪がまとめあげられ、ひとつのお団子となっている。はみ出た毛がさらさらと風に踊らされている。
「じゃあ〜、お皿を運ぼうね〜!!」
「あいあ〜い!!」
「......にしても、結局あの子はなんなんだ?」
「さあ。俺知らないよ〜?」
「でも天界関連であるのは確かだよな」
「だろうね。俺関係ないけど」
「マジで嫌いじゃねえか」
幼女の姿を視界にすら入れたくない。そんな風にあからさまに反対方向を向いて望桜の問いに応答する瑠凪に、或斗は時折視線を向けている。少し気になる。
......にしても、あの子供は結局なんなんだろうな。黄色の瞳......天使のみの瞳色で、黄色の瞳は天使の証。でもあの子供はどう見ても天使ではない。なぜそう思うかというと......補正です。
魔王補正その7......7だっけ、まあいいや。とりあえずその補正は、正体不明の生物の正体が分かる。......ただし、その正体は自身が1度でも目にしたことがあるものだった場合のみ、という補正がある。
その補正によると、あの子の正体は......天界にある宇宙樹·ユグドラシルの、果実らしい。ちなみにまだ誰にも言っていない。そしてたった今瑠凪に聞こうかと思っていたところだった。
だって宇宙樹の果実があの子だったとして、俺が見たことある"果実"は、石だ。黄色の。だから多分、目の色の成分はそこから来てるんだろう。ただ、石。果実とは、本当に神気媒体であるってだけの石。そこなのだ。聞きたいのは。......よし、聞こう。
「......なあ瑠凪」
「何?俺今暇じゃないんだけど」
「あの子供な、魔王補正で正体がわかったんだが」
「へえ〜、で、何だったの?」
「......宇宙樹の果実」
「......は?」
......果実が命を、そして人格を有しているのはどう考えてもおかしい、異常なことらしい。瑠凪の幼女の正体を言った時の反応が何よりの証拠だ。
「それ、マジで言ってる?」
「マジで言ってるよ。あの子供は"果実"らしい」
「......はあ!?」
「どうしたんだい?そんな大きな声出して」
望桜と瑠凪が2人会話していた時、的李が話に加わった。皆が晩御飯の準備をしている中で、こっそり抜けてきたのか。向こうは向こうで騒がしいから、瑠凪の叫び声が聞こえたのは恐らく的李だけだったんだろう。
「ああ、的李......いや、あの子供がさ?"果実"、なんだって......」
「......は?......そんなわけないのだよ、だって"果実"は異常なくらい神気貯めてるだけの、ただの宝石、石なのだよ?」
そして先程の瑠凪同様、大きく目を見開いてありえない、といったふうな顔をした。
「......俺もそう思ったんだよ。だけど、あの子も同じ神気媒体だからおかしくはないんだけど......」
「......"果実"は生命体ではなく、ただの樹の種子、だろ?」
「......そう、果実は宇宙樹の種子......まあ、他の植物みたいに生殖するためとか特別な意味は持ってない、ただの種子って分類の宝石なんだけど。そして果実自体は生命なんて持っちゃいない。ましてや人格なんて......」
「つまり例外中の例外、それがあの子供か......」
「そう。だから多分、あの子は生命と人格は確かに持ってるけど、体はおそらく別の誰かだ。1度亡くなった、あの子供に何らかの方法で寄生したんだろうね......」
「そうか......」
今も、聖火崎や翠川、帝亜羅や葵、梓達と夕食の準備を共にしている幼女。鐘音は恐らくどこかで、うまくサボっているのだろう。
......嬉しそうに、楽しそうに、その場に1人の"人間"として存在している。だが、彼女は宝石なのだ。正体は。体は他人の者。
「あー!るしふぇる!ご飯できたよ!!いっしょに食べよー!!」
「え、やだ」
「主様......」
「ルシファー!!幼い子供のお願いぐらい素直に聞きなさいよ!!ほんっとうに天邪鬼ね!!」
「俺はいつだって素直だよ!!てか今なんか貶された気がするんだけど」
「えー!!るしふぇるいっしょに食べてくれないの?」
「え〜......」
瑠凪は渋々、というか嫌々といった感じで幼女のあとを着いていった。その様子を呆れ顔で見ていた或斗と聖火崎の2人だったが、またすぐに晩御飯の支度に戻った。
こうしてこの1日は終わったわけだ。この晩、幼女は瑠凪と共に寝ると言って聞かなかったが、聖火崎がスリープを使って無理やり眠らせた。幼い子に容赦ないな、とも思ったが、スリープが効くあたりは異世界人間の子供ぐらいの認識で良いだろう。天使と悪魔にはスリープは、同種族同士でないと効かないから。
───────────────To Be Continued──────────────
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