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物語の裏側から表に出てくるまで

初めて書いたので稚拙かもしれません

今日の最高気温は33℃。真夏の陽気。

おそらく、このマウンドはもっと暑いだろう。なんたって、風が吹かないのだ。

ジリジリと上空と足元から挟み焼きにされている。

そんな中、オレ達は熱中症も恐れず野球をしている。

別にプロ野球選手でもなんでもないし、ただの趣味の草野球だけど…

とりあえず試合が終わるまでは気合と根性で続けていた。


オレの名前は七種 真(さえぐさ まこと)。22歳。

大学を卒業し、今年就職したのだが、正直サラリーマンは大変で、唯一の息抜きが野球なのだ。

ちなみに、今までの人生で彼女はいたことが無い!ま、まぁ、作れなかったワケじゃないんだ!

作らなかっただけなんだ!そう…野球一筋だったから!


まぁ、そんな自己紹介は置いといて…

ちょっと現実逃避しかけたが、今の現状は結構なピンチ。

6回表の守備。2-1でうちのチームは勝っているが、現在1死満塁。

1打逆転されてしまう。草野球は7イニングまでしかないので、この回に逆転されると反撃できるチャンスは2イニングだけ。

ここで打たれたらヒンシュクを買うなぁ…とか考えながら、全力でストレートを投げる。

外角低めに構えるキャッチャーミットに吸い込まれるようにボールが奔る。

これは決まった!と思った瞬間!

カーーーーン!!

金属バットの甲高い音が響く。

綺麗に流し打ちされた打球はライトの頭上を大きく超えた。

逆転タイムリーツーベースである。


結局、試合は5-3で負けた。あのツーベースヒットで3点取られたのが決勝点となった。

うちのチームも1点取り返したが、反撃もそこまで。



試合が終わった後、ベンチに戻ったオレはがっくりと項垂れた。

例え趣味の野球でも、やっぱり負けるのは気分が良くない。っていうか、正直勝ちたかった。

「いやぁ~、あのヒットは見事だったな!あれを打たれちゃ、お手上げだわ!」

「うっせ、次はちゃんと抑えてやる」

慰めにもならない慰めを言われ、少し強がった。

「まぁ、次があるしまた頑張ろうや!」

「そうだな。あ~あ、ケイがもっと打ってくれたらなぁ~」

このあっけらかんとした男“ケイ”(本名:上村 慶(うえむら けい))にそんな嫌味を言うオレ。

う~む…ちょっと嫌味言っちゃったな。打たれたショックで少しやさぐれてるかも…

自分に対して少し失望しながらそんなことを考えていたら

「あはは!すまんすまん!今日は3タコだもんな!次は3打数3安打3ホーマーにしてやんよ!」

さすが、人間が出来ている。オレの親友はオレが口走ってしまった嫌味を一笑に付した。

「オレもすまなかったな。5失点もしちまったよ。まぁ、次は完全試合にしてやるさ!…さて、着替えて飯でも行くか!」

そんな話をしていると

「お!飯行くのか!オレも行く!」

「オレもオレも!」

「肉食いたい!」

「じゃぁついでに酒も飲もうぜ!今日の反省会だ!」

「いいねぇ!じゃあオレも行く!」

次々と賛同者が現れた。みんな小学校の頃からの野球仲間である。

ヤス(本名:伊藤 康孝(いとう やすたか))普段はセカンドを守る堅実なバッティングが持ち味。ちなみに彼女持ちで長身。ってか187cmもある。モテる。

ショウ(本名:高橋 翔(たかはし しょう))ファーストやキャッチャー、外野などいろんなポジションを守れる運動神経抜群のやつ。ちなみに身長は高くないが、オレ達のなかで一番イケメン。

ジュン(本名:福屋 純(ふくや じゅん))ショートを守る、守備の鬼。かれこれ5、6年はエラーしたところを見たことは無い。バッティングが得意ではないが、バントがめっちゃ上手い。

コウ(本名:七種 光也(さえぐさ こうや))オレの弟。学年は2個違い。キャッチャーをしている、強打者。もともとバッティングがすごかったが、草野球やってからは打率4割超え。オレがピッチャーをやるようになった原因である。

カツ(本名:大橋 勝也(おおはし かつや))ピッチャー、内野、外野全部のポジションを守れる、しかもバッティングもそこそこいい。多分、オレたちの中で一番上手い。


このメンバーと、さっきオレを慰めてきた慶が小学校の頃から一緒に野球をやっている仲間である。


「じゃあ、焼き肉行くか!」

ショウが提案してくる。本当にショウは肉が好きだなぁと思いながらも、

「まぁ、いいぜ。じゃあ、いつものとこでいいか?」と聞くと、

「オーライ!」と皆それぞれ車に乗り出発し始めた。


この時は、ずっとこんな風に人生が進んでいくのだと信じて、疑ってなかった。

少なくとも、オレ達に、いや、人間になど理解出来ない事象が起きるなど、考えることすら無かった…


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