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妹の友達

「お兄ちゃん、ご飯できたって!」


ノックもせずにドアが開き、一つ下の妹が部屋に入ってきた。


「わっと。おい、勝手に部屋入ってくんなよ」


何故、妹と言うのはこんなにデリカシーの無い生き物なのだろう?

妹っていいよな!オレも妹ほしー!とか言ってくる奴が信じられない。

そんな事言ってくる奴は妹って言う生き物を全く理解してない奴らに決まってる。


「ワァー、キモイ。お兄ちゃんコスプレなんてするのー?」


「ちょ、勝手に見るなよ」


パソコンの画面を覗き込んできた妹が、怪訝な表情で、キモいと繰り返して言った。


「こ、これは高志に頼まれて見てただけだよ、ボクがコスプレする訳じゃないよ


「高志くん、そんな趣味あるのー?やっぱりお兄ちゃんの友達だけあって変わってるねー」


「なぁ、本当だよ、コスプレなんてなー」


高志ごめん。

心の中で高志に謝った。


「エリ、やっぱり私帰ろうかな?」


ボクの部屋のドアのところで、遠慮がちにこちらを見ている女の子がいることにその言葉で気が付いた。


胸の辺りまで届くお下げ髪。

分厚い丸メガネ。

まだ新しい制服を着ているその子は、妹、エリの友達なのだろうか?

いつも快活のエリと違ってその大人しそうな感じはエリとは対照的に見える。


しかし…。


今の特徴のある可愛い声はどこかで聞き覚えが…。


いや、まさか…。


「こんばんは」


ボクと目のあった女の子が慌てた感じで頭を下げた。


可愛いアニメ声だ。いや、まさか…。



「あ、こんばんわ」


「心音、いいよ、こんな兄貴に挨拶なんてしなくて、てか、見てみて、お兄ちゃんコスプレサイト見てるの!」


部屋に入るのを躊躇している心音と呼ばれた女の子の腕を掴んで強引に引っ張りこんだ。


画面はちょうどレイヤー特集で、様々なレイヤーが自分の仮装についての注目点などを語っていた。


その中に、黒崎愛音の姿も載っている。


パソコン画面を見た、心音ちゃんが一瞬固まったと思ったらタコのように顔を真っ赤にして目をグルグルさせた。


「心音大丈夫?」


「う、うん、少しびっくりしただけ」


「ほら、お兄ちゃんがこんなの見てるから心音がこんな風になっちゃったじゃん!こんなの見せてごめんね」


「う、ううん、大丈夫。…えっと、えっと、コスプレいいと思います、頑張ってください」


え?

心音ちゃんの意外な言葉にエリもボクも言葉が続かなかったが…。


内心、ボクは…。


やっぱり、彼女は、黒崎愛音なのではないかと…思っていた。


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