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コスプレ

「なぁ、高志、今度いつコスプレするんだ?」


春休みも終わり、またしても同じクラスになった高志と一緒に登校していた。


春休み中に高志のコスプレイベントに付き合ったボクは、イベント会場で会った、セーラー服戦士ピンクのコスプレをしていた女の子に一目ボレしてしまい、あれから彼女の姿ばかり頭に浮かんでいた。

もし、アニメから彼女が出てきたら正にあんな感じだろう、とぴったりと当てはまるほど彼女は可愛かった。

尻もちを着きながら頬を赤らめていた彼女の姿を思い出すだけで、鼻血が出てきそうだった。



「嶺二、お前コスに興味なんて無かっただろう?どうしたんだよ、急に?」


「いや、いや、別に…ただ、ああ言うのって見てるだけでも楽しいじゃん、またお前のコスも見てみたいし」


「お、そうか」


自分のコスを誉められると嬉しいようで、鼻唄を歌い始めた。


正確な情報かどうかは分からないが、彼女の名前は、黒崎愛音、今売り出し中の声優らしい。

確かに、声はアニメで聞いてる声ではあったが。

顔出しNGの声優で、コスプレが好きらしくTwitterなどで別アカで載せているようだが…。

世間一般的には、そのコスが黒崎愛音である事がバレているらしい。

ボクも何とか探しあてて、彼女の別垢である愛リンと言う名のTwitterを見ることができた。


『今日はコスプレのイベントにセーラー服戦士ピンクで来たよ!』


そのツィートと一緒に写っている彼女が本当に可愛くて可愛くて。


Twitterのプロフ画面には、


『アニメ大好き!二次元大好き!現実世界には興味ありません。職業コスプレイヤー』

と記載されていた。


本当に彼女が声優の黒崎愛音なのかどうかは分からないが、そんな事どうでも良かった。

もう一度彼女に逢いたかった。

そのためには、コスプレのイベントに行く事が先決だと思い、高志を煽っているのだ。


「なぁ、高志次いつ行くの?」


「うーん、GWかな?」


「えーーー、そんな先?」


「てかさ、どうせならお前もコスやれよ」


「え?」


予想外の返答だった。


「来月までまだ時間あるし、それまでになりたいキャラ考えとけよ」


えー?

ボクがコスプレ?

こんな地味で目立たないボクが?


「ボクがなれるなんて、⚪⚪⚪モンに出てくるメガネ少年ぐらいだよ」


「いいじゃん、いいじゃん、それでも」


高志はクスクス笑いながら答えた。


「コスすると世界が違って見えるぜ、なっやろうぜ」


確かに、この間のイベント会場でコスプレをしてた人達はキラキラと輝いていたように見える。

ボクと地味勝負ではあまり変わらないこの高志でさえかっこよく見えたのは事実だ。


それに…。もし、ボクがコスすれば、同じくコスしている黒崎愛音に話しかけやすいかもしれない!

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