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八 大きいゴブリン
二人の前にひときわ大きいゴブリンが現れる。
でも、木陰から大きいゴブリンが現れた。
ゴブリンの腕の力は強く、僕の構えた盾に勢い良くぶつかり、僕をひるませた。
クライトがゴブリンの背後に回って背中に一撃を食らわすが、さほど効果はないようだ。
僕も斧を振り下ろすが、なかなかゴブリンに当たらない。
クライトは言った。
「ハハ…… 僕らの人生もここまでかな」
「あきらめるな! メイスを振り下ろせ!」
そして三十分の苦闘の中、ゴブリンは少しづつ色々な場所に傷を負い、弱っていった。そして僕は最後に、ゴブリンの肩に致命的な一撃を加えた。
ゴブリンが膝を折ったそのとき、クライトのメイスがゴブリンの頭に衝撃を与えた。
ゴブリンは絶命した。
「ハァ、ハァ、こいつは強い敵だった。アステル、怪我したところはない?」
「大丈夫。でも、疲れた。ワインを飲んで休みたい」
「今日は大きい獲物だ。町に帰って宿屋に泊まろう」
「そうだね。お互い頑張ったね」
まだあまり日が傾いていない二時頃のことだった。
つづく