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七 二人組
アステルとクライトは二人組になった。
クライトは言った。
「僕らは二人組になろうよ。戦士の君がいてくれると助かる。僕も治療をしてあげられる。お互い、相手の役に立つ」
「そうだね。それがいい。これからよろしく」
僕らは握手した。
僕は言った。
「君には恋人はいるの?」
「許婚がいるんだ。名前はイザベル」
「僕には、恋人はいないけど……」
「いないけど?」
「知り合いはいる。レマっていうんだ。かわいい子でね」
「そうなんだ」
僕らは立ち上がって、午後の狩りをした。
二対一でのコボルド狩りは、大変楽だった。
コボルドは半分の時間で仕留めることができた。
クライトは息を弾ませて言った。
「女王陛下はコボルドやゴブリンを根絶したい意向をお持ちのようだよ」
「僕らは二人組になったから、収入も増えるね。これなら僕だって家が持てるかもしれない」
「それはちょっと楽観的すぎるかもしれないけど……でも、いつか道は開けるよ。ラノ様が僕達を見守って下さっているんだから」
つづく