四十八 憂鬱は消えた
アステルは未来を予感する。
三日目。
もう僕らは酒に飽きて、三日目の宴は行わないことに決めた。
僕の憂鬱は消え、悲観的な考えも消えていった。
アステルの憂鬱は消えたのだ。
シルヴァは言った。
「これからどうする」
僕は答える。
「狩人の人生も退屈だね。またハーピーでも狩りに行こうよ」
「トロルを狩ろうぜ」
「僕たちにはまだ無理だ」
クライトが言った。
「こうして、僕らの退屈だけど幸せな人生が続いていくんですね」
僕は応じる。
「時々怪我もしたけどね」
狩人の数が増えたことで、次々怪物は狩られ、この国から怪物が根絶される日は近くなってきたように思われた。
もしその日が来たら、僕らはどうやって食べていけばいいのだろう。
また別の仕事を探さなくてはならない。
物語作家になるのもいいかな、と思ったが、そもそも憂鬱という財産を失ってしまった僕が何かそれなりのものを書けるのだろうか?
憂鬱が消えた世界は、少々退屈で、張り合いのないものだった。
もう、苦しみの中に喜びがある、そういう状況ではないのだ。
僕は新しい人生を予感した。
レマとも仲良くやっていけるだろう。
きっと、何らかのいい未来があると思う。(終)
これまで、お読み下さってありがとうございました。
私自身ポジティブになってきたので、今後ネガティブな心によらずに創作活動ができるかは疑問ですが、もしまた新しい作品をお見せすることができたら、その時はよろしくお願いします。
水形玲のページ http://park.geocities.jp/mizukata_meigetsu/index.html




