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四十六 酒盛り

クライトが休暇を取って酒でも飲もうと誘う。

 クライトは言った。

「しばらく休暇を取らないか」

 僕は答えた。

「休暇を取ってどうするの?」

「酒を飲むのさ」

「だってクライトは酒はあまり飲んじゃいけないんじゃ……」

「神様が言ったんだ。たまには羽目を外すのもいいでしょう、って」

「神様ってそうなんだ」

「うん」

 ミルマンさんが言う。

「私は狩猟局から派遣されているだけなので、酒は勘弁願いたいですね。私だけは休暇には付き合わないことにしましょう」

 僕は、仕方ないね、と言った。

 シルヴァは言う。

「俺はオレンジ酒が飲みたいなあ」

 クライトが応じる。

「オレンジ酒はおいしいですよね。つまみは干しダコがいいです」


 言葉の通りミルマンは酒ばかり飲む休暇には参加しなかった。

 場所はクライトの家の庭だった。クライトの家は町の壁のすぐ隣にあった。

 褐色の上質の木でできたテーブルが一つあり、その周りに椅子が五つあった。

 イザベルはこんな時ばかりはクライトの行動にも困惑気味であった。イザベルもクライトと同じで、篤い信仰を持つ真面目な人間だったからだ。

 クライトは言った。

「イザベル、今回の酒盛りの休暇は神様がお許しになったんだ」

「神様が?」

「本当だよ」

「そう、なんですか……」

 クライトはイザベルの手を煩わせることもなく、自ら次々とオレンジ酒をテーブルに持ってきた。

 干しダコ、焼いた鶏、炒めた豆なども用意された。

 僕は酔っ払って、ああ、こうして酒に酔って風に吹かれているのもいいもんだな、と思った。

 そして日は暮れていく。

 最高の仲間たちと出会えたことを、ガラにもなく神様に感謝した。

つづく

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