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四十一 月明かり
宿屋バルザの窓から月明かりが差し込む。
部屋に酒を届けに来たレマが言った。
「私たち、小さくてもいいから、家が欲しいね」
僕は応じた。
「結婚してくれるの」
「うん!」
「ありがとう。嬉しいよ」
僕とレマは手を取り合った。
横でシルヴァが咳払いをしている。
レマはそれを気にしてすぐに下がってしまった。
僕は言った。
「シルヴァは女が嫌いなの?」
「馬鹿言え、女は好きだ。何度か経験もある。でも俺は女で幸せな思いをしたことがないんだ」
「そうだったの」
僕は自分のエビを一匹シルヴァにあげた。
「ありがとな。エビはうまいな。肉は嫌いだけど」
「妖精族の人はほとんど肉を食べないの?」
「基本、菜食だな。俺は人間とのハーフだから、肉も食べないことはない」
夜、窓から月が見えた。
(父さんと母さんはどうしてるだろう。マルマの村。あの故郷の村には怪物は寄り付かないのかな。もう三年も帰っていないから、心配だな。今度仕事を休んで村に帰ろうかな)
つづく




