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四 斧が欲しい
斧の重さと威力に惹かれる「僕」。
一晩寝たら、僕はもう神のことは忘れていた。
今までも、教会に行っても神から何の助けも得られなかったのだ。
ゆうべの信仰も、何らかの妄念だったらしい。
コボルド狩りも板についてきた。怪我をすることもなくなった。
ただ、コボルドの首を持って帰らなければ役所から金がもらえないというのが難点だ。毎度毎度コボルドの首を切るのが苦痛なのである。
でも、何であれ仕事はつらい側面があるもの。仕方がない。
午前中にコボルドを二匹狩り、昼ごはんにベーコンとパンを食べ、ワインを飲んだ。
そしてしばらく野原に寝て酔いを醒まし、午後の狩りに取りかかる。
剣で十分だし、剣の扱いに慣れてきたから、斧を使うまでもないのだろう。
でも斧を試してみたい気持ちがある。が、斧では受け流しができない気がする。……そうか、盾を持てばいいのか。
町に戻り、武器屋に行くと、斧が八千リント、盾が六千五百リントだった。
つづく