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三十七 厳しい神
洗礼を受けたことを後悔するアステルだった。この世に幸せはあるのか。
でも、教会から空き地に行く僕らは、何も変わりがなかった。
僕は相変わらず神の厳しさを感じていた。
神は厳しいものだという。
ああ、恵みが得られるわけじゃないんだ、と思った。ラノ教の教典には「恵みが得られます」と書いてあったけど、そんなの嘘だ。
ひたすら厳しいのが人生だ。休み場所もないのだ。
洗礼など受けなければよかったと思った。
クライトが言った。
「期待はずれだった?」
「そうだね。十数分ではわからないかもしれないけど、何か神様の厳しさばかり伝わってきて」
空き地についた。
僕らは丸太に座り、干し肉を食べた。
ただ、生きるためにだけ生きている。
そんなことない、人生には救いがあるはずだ、幸せだってあるはずだと僕は思った。その反面、そんなものはないのだ、幸せなどないと思っている僕がいた。
実際には前者が本当で、幸せはあるのだと思う。
ただ、僕は不器用で、なかなか幸せが見つけられなかった。
つづく




