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三十五 レマからのアプローチ
レマがアステルに結婚したいと言う。
クライトが言った。
「でもそれなら、何でシルヴァは怪物狩りをしてるのさ」
シルヴァが答える。
「俺はもともといい加減な奴なんだよ。妖精が殺されるのを嫌がったり、かといって怪物を狩ったりする。俺には善悪の観念が欠けてるってことだな」
クライトはこの意見を聞いてあっけにとられていた。
ミルマンさんが言った。
「じゃあ、そろそろ町に戻りましょうか」
三時間ほどかけて町に戻った。
僕は言った。
「クライト、奥さんの家には行かないの」
「でも、行ったら行ったで、また色欲に乱されてしまうから」
シルヴァが言う。
「やるときは盛大にやりたいってことか」
「まあ、そういうことですかね」
そう言ってクライトは苦笑いをした。
狩猟局に行き、クライトとシルヴァがライセンスをもらった。戦いぶりを見たミルマンさんが合格点と判断したのだそうだ。
宿屋バルザに行った。
僕の足を石けんで洗うレマは、こう言った。
「クライトさんみたいに私達も結婚しようよ」
「それもいいけど、僕は危険な仕事だよ?」
「それはクライトさんも同じじゃない」
「そうだね」
「怖いの?」
「何が」
「結婚が」
「うん。結婚して、子供ができて、家を持って、となると、独身とは違って色々な面倒なことがあるのかなって」
「意気地なし」
つづく




