三十 廃墟
アステル達はゴブリンの巣があるという廃墟に向かった。
次の日、廃墟にあるというゴブリンの巣に向かうことになった。
僕は言った。
「いくらゴブリンと言ったって、たくさんの数が相手じゃ、苦戦するんじゃないの」
ミルマンさんが答える。
「私達は四人です。ゴブリンは私達の世界では人間より弱いと言われています。大丈夫。きっとうまくいきますよ」
僕らは二日かけて廃墟にたどり着いた。
ぼろぼろになった古い建物の上にカラスが止まっており、寂しく鳴いている。
でも、ゴブリンの気配は確実にそこにある。
死の危険を感じる。
ミルマンさんは槍の穂先から鞘を外し、戦いに備える。
クライトは弓を用意したりしない。メイスに持ち替える一瞬の隙が惜しいのだ。
シルヴァはもう剣を抜いている。
僕も剣を抜いた。
僕らは建物の中に踊り込んだ。
ゴブリンが二匹いる。彼らは短剣を持っている。死ぬのは嫌だと、立ち上がって必死に襲い掛かってきた。
しかしシルヴァは相当の使い手であり(魔法の剣だからなのか?)、最初の一撃で一匹のゴブリンの首を飛ばした。
次にクライトのメイスがゴブリンの肩をかすめて虚しく空を切る。
僕の一撃がゴブリンの胴を切るが、傷は浅い。
そこにミルマンさんの槍の穂先が飛び出し、腹に穴を開けた。
ゴブリン二匹の死体が転がった。
ミルマンさんが言った。
「次が来るぞ! 気をつけて!」
つづく




