十九 オーク
アステル達は森を出ようとしたらオークに出会った。
森の外へ出る道を歩いていると、突然一体のオークが現れた。
オークは三又槍を持っている。
オークは言った。
「ああ、俺はここで殺されるのかな。妖精を食ってやろうと思ったのに。なかなかうまくいかないもんだな!」
そう言って三又槍をクライトに突き立てる。
クライトは盾で受け止めた。
シルヴァが剣を横に閃かせると、オークの首から血が吹き出た。
オークは再び言った。
「俺、もう怒った! お前ら皆殺しにしてやる!」
オークは最後の力を振り絞って、僕を三又槍で突いてきた。
その一突きは僕の右腕を刺した。
僕は叫びを上げた。
クライトはメイスでオークの頭を殴った。オークは失神してその場に倒れた。
僕の腕からは血が流れていた。
クライトは僕の腕に手をかざし、「ラノ様、お助け下さい」と言って祈った。
すると傷は急速に治っていき、痛みが引くのだった。
僕はオークの首を斧で刈り取って、皮袋に入れた。
クライトはオークから戦利品を回収した。銀貨八枚、コハクが二つだった。
三又槍は二束三文だし、かさばるので持っていかなかった。
つづく




