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十三 結婚の約束
僕とレマは結婚を約束する。
宿屋に行った。
レマが迎えてくれた。
いつものごとく足を洗ってもらう。
宿屋の女将が言った。
「狩人の皆さんは大変ですね。危険な仕事だし」
僕は答える。
「コボルドくらいなら何てことはないです」
「今日は何に致しましょう」
「エビの唐揚げと豆のスープ、それからパンとワインと果物」
「いつもご利用ありがとうございます」
部屋で僕は言った。
「トロルを倒せるようになりたいね」
「トロルは一体で五百万リントの稼ぎになるんだろう?」
「うん。その分強いけどね」
レマと女将が部屋に料理を運んでくる。
女将が料理をテーブルに置いて立ち去ると、レマは言った。
「アステル、私をお嫁さんにしてね」
「レマ……」
「きっとだよ」
「必ずそうする。約束する」
クライトは言った。
「僕も祝福しますよ。結婚式には呼んで下さい」
深夜、僕は起きて水差しから湯呑みに水をつぎ、飲んだ。
窓の外には月が輝いている。
クライトはまだ戦うのが上手くない。だからコボルドを相手にクライトを訓練しなくてはならない。
つづく




