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一 ニウダの町
怪物の狩人アステルの物語をこれから書いていこうと思います。
ニウダにやってきた。
ニウダは雑然とした町だが、食料品の安い店が多い。
だから怪物の狩人がよく集まる。
金のない者は、食堂や酒場ではなく、空き地で火を起こし、自分で食材を調理する。
恋のチャンスなどない。
女を守るのも大変だ。怪物に憎まれたって町に怪物は入ってこないから安心だが、強い女でなければ同業者に狙われることもあるだろう。
ショップ・ガストロにはコボルドの肉、鳩の肉、鴨の肉、鹿の肉などが売られている。コボルドの肉は敬遠されがちなので、安い。無論この店にはニラやほうれん草、ヨモギなどもある。
ほうれん草とオレンジ、鳩の肉を買い、空き地に行く。
こんなところにはむさくるしい男どもしかいない。出会いのチャンスなどない。
乙女、つまり処女を抱くにも男は強くなければならない。
かわいい女や美人の処女を取れるのは、強い男だけだ。
だから弱い男は中古女の体を抱くのみである。
そういう僕は、経験がない。
つづく