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声にならない想いを乗せて  作者: 暦海


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修学旅行です。

 ――それから、二週間ほど経て。



「――いやぁ、楽しみだね新里にいざと!」

【はい、斎宮さいみやさん! それでは、早速お土産を――】

「いや早すぎるよ!! せめて現地に着いてからでしょ」


 晴れやかな平日の朝のこと。

 僕の言葉に被せる形で、呆れたようにそう口にする斎宮さん。まあ、それもそうか。うん、先走りすぎちゃったね。


 さて、僕らがいるのは大阪国際空港――通称、伊丹空港。これから、ほどなく修学旅行の行き先たる沖縄へ向かうことになっていて……うん、すっごい楽しみ。だって――



【……ほんと、楽しみですね……人生初の飛行機】

「うん、そこなの?」




 ともあれ、二時間ほどのフライトを経て――



「――わぁ、やっぱり南国って感じだね!」

【はい、とても明るく開放感がありますね】



 空港を出るやいなや、視界に広がる光景に目を輝かせる僕ら。晴れ渡る空に輝く太陽、開放的な道沿いには南国ならではの椰子の木が凛然と並んでいて――


 ところで、今こうして話しているのは斎宮さんではなく――


「――ねえ、新里くんは何したい?」

【……そうですね、西条さいじょうさん。僕は――】


 そう、明るく微笑み尋ねるのはクラスメイトの女子生徒、西条さん。去年も同じクラスで、地味で陰キャラでコミュ障の僕にも気さくに話しかけてくれる優しい女の子で。この旅行中、男女三人ずつの六人の班で行動することになっているのだけど、僕は西条さんと同じグループで……うん、良かった。危うく、僕一人ふわりと浮いちゃうところだっ……いや、今に限らないか。



 さて、改めてだけど――斎宮さんとは別のクラスなので、残念なことに基本的には別行動で。それでも、幸いだったのは彼女と同じ飛行機に乗れたこと。我らが聖香高校は7クラスで、比較的近くの三つの空港にて2クラス乃至3クラスずつ搭乗することになっていたのだけど――なんと、斎宮さんのいるB組と、僕のいるE組が同じ飛行機に。なので、集合場所である空港まで一緒に来ることが出来て。



 ともあれ、今は西条さんの問いに答えなければ。なので、暫し思考を巡らせた後ペンを執り――



【……そうですね、出来ることなら是非とも飛行機に乗れたらなと】

「うん、もう叶えちゃったね」




 ところで、修学旅行は三泊四日――そして、二日目まではクラスでの班別行動。地味で陰キャラでコミュ障の僕がグループの雰囲気を暗くしてしまうのではないかとやはり不安はあったものの、西条さんを筆頭に皆さん暖かく迎えてくれてとても楽しい二日間となった。


 そして、三日目は自由行動――文字通り、この日はクラス問わず誰と過ごしても良いわけで。尤も、去年のこの時期の状況であれば一人で散策するか部屋で大人しくしていたことだろう。……だけど、今は――



「――お待たせ、新里。それじゃ、行こっか!」


 緑豊かな大きな公園――その中にある可愛い滑り台の前にて、ニコッと笑い告げる美少女。今日一日が、僕にとって一生の思い出になる――そんな確信を抱くには十分すぎる、太陽のような笑顔で。


 


 



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