6/24
ep.6 掃除機
部屋に散らかっていたゴミはだいたい片付けられ、ようやくリビングと呼べる状態になっていた。
「ふぅ、あとは掃除機もかけたいかな。ねぇ殺生丸様、掃除機ってどこにあるの?」
一緒にゴミを纏めていた殺生丸が、上を指差した。
「2階の物置にあると思うぞ」
「じゃあ、とってきて?」
「は?」
「だって僕、物置がどこにあるか知らないもん」
「お前、アンドロイドのくせに人づかい荒いな……」
そうして渋々2階へ上がってきた殺生丸が、物置の扉の前に到着。
「てか、ここ開けるのいつぶりだっけ……?」
埃がフワッと舞うのも気にせず扉を開けると、何か封筒のようなものが床に落ちた。
「……?」
殺生丸はそれを拾い上げると
「あぁ、これ。ここに置いてあったんだ……」
***
しばらくして殺生丸がリビングに戻ってきた。
「ほらよ」
ガブリエルへ掃除機を渡すと同時に、ポケットから何かを引っ張り出した。
「なぁ、ついでにこれも捨てといてくれ」
「手紙……?」
「昔、母親が置いていったんだ。この家を出ていく時にな」
「いいの……?」
「あぁ、もう必要ないからな」
そう言った殺生丸の目は少し寂しそうだったが、ガブリエルは手紙を受け取ると、そっとゴミ袋に入れた。
「ねぇ殺生丸様、ひとつだけ聞いてもいい……?」
「……なんだよ」
「この掃除機、動かないよ?」
「……」




