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ep.4 精密
「半導体の凄いところはよぉ、回路の幅が2ナノメートルしかなかったりすんのよ。精密すぎるよな? おいらの髪の毛の太さ、7万ナノメートルだぜ?」
「ふーん」
「ま、アンドロイドのお前には、この凄さが実感できないかもな」
「……うん」
キョトンと返事する少年アンドロイドを見て、殺生丸は微笑ましげに言った。
「なぁ、ガブリエル。おいらはもう少し仕事するから、とりあえず居間の掃除でもしててくれ」
***
地下室から階段を登って居間の扉を開けると、ガブリエルは目を見開いた。
「うげ、ごみ屋敷じゃんか」
仕方なくビニール袋を広げて、散らかったゴミを纏めていくも、少し広めのリビングに見渡す限りのゴミ……。
「はぁ、殺生丸様……」
思わず途方に暮れていると、何かにフワッと背中を押された気がした。
「……?」
少ししてから、それが外から吹き込んでくるそよ風であることに気づいた。
風に誘われるように、網戸を開けて外に出てみる。ガブリエルは初めて日差しを浴びた。
「これが空かぁ」
青い青いグラデーションの海を、白い雲が形を変えながら流れていく。まるで動く絵画みたいに。
「すごいなぁ、本当に……」
初めて見る空は、ガブリエルの心を掴んで離さなかった。
「この世界はどこまで、精密なんだろ……」




