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ep.16 ガール・ミーツ・ボーイ

「ねぇ、ちょっとまって!」


 文房具店から出たところで、ガブリエルは見知らぬ女の子に呼び止められた。

 背丈は二人とも同じくらいだが、庶民的な格好のガブリエルに対し、相手はひと目でお嬢様と分かる容姿をしている。

 おまけに、すぐに黒服の男達が彼女の後ろに並び立ち、周囲を警戒しつつお嬢様を見守っていた。


「少しだけ、お話しいいですか?」


「はい……」


「実はわたくし、今すぐ現金が必要なんです!」


「はぁ……」


「そういう訳で、あなたの持っている現金を、わたくしに譲って欲しいの!」


「!???」


 唐突な要求に、ガブリエルは目を丸くした。


「えっと、ちょっとまって……。説明の部分、まるまる抜け落ちてない……?」


「あっと、すみません……。わたくし、このあと習い事を控えていて。ですから、今すぐ現金が欲しくて!」


(だから、その現金は何に必要なんだよ!)


 言いたいのをグッと抑えて、ガブリエルは冷静に思案した。


(だいたい、こんなお金持ちそうなご令嬢が要求する現金って、いくらなんだろ? 怖くて聞けないけど……)


 仮にいくら欲しいのかを知ったところで、手持ちのつたない現金など、役に立たないだろうなと思った。


「悪いけど、僕の現金は預かりものだから、勝手にひとに譲ったりできないんだよね。ごめんね……」


「え……」


(信じられない……。みたいな顔されても……)


 ガブリエルは愛想笑いを浮かべたあと、すっと背中を向けると、スタスタと逃げるようにその場を去ってしまった。


 シャルロットはそっとしゃがみ込むと、いじける様に呟いた。


「わたくし初めてです。誰かにこんなに冷たくあしらわれたの。シクシク……」






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