ep.12 おつかいの行方
「いい天気じゃのぉ」
「いい天気だねぇ」
秋空の下、公園のベンチに座りながら、ガブリエルとお爺さんはまったりしていた。
「……ところで、おつかいはいいのかね?」
「……あまり気が乗らないからね」
「ほぉ、どうして?」
お爺さんの質問に、ガブリエルは少し考えてから答えた。
「家の外のことを僕がするってことはさ、殺生丸様が人と接しなくなるってことでしょ? 手伝うのは簡単だけど、それって本当に殺生丸様のためになるのかなって……」
「なるほど……」
「仕事だって、メールで依頼受けて、メールで納品して、人に会わないで完結するものだけみたいだし。あの人の弱点は、人前に出ることなんだよね」
「なかなか重症じゃな」
「それでも、殺生丸様は天才だから、僕を発明して自分の弱点を補ってしまったけど」
「発明……?」
老人は戸惑った。ガブリエルの容姿がどう見ても普通の子供であるため、なかなか理解が追いつかない。
そんなお爺さんを余所に、ガブリエルは空を見上げた。
「でもそれじゃあ、いつまで経っても殺生丸様は……。だから、生まれないほうが良かったのかも。僕……」
少しの沈黙のあと、お爺さんが口を開いた。
「……ふむ。キミ、学校は?」
「学校……?」
「そう。家に居るからじゃよ、頼みやすいのは」
「え……?」
話の趣旨が分からず目が点になっているガブリエルに、お爺さんは確信に満ちた声で言った。
「ひとつ、いいものを授けてあげよう」




