ep.10 起床
初めて朝ごはんを作ったガブリエルは、殺生丸を起こしに行った。
「殺生丸様っ……、殺生丸様っ……」
ガブリエルはベッドでぐっすり寝ている男の体を揺さぶった。
「なんだよ、もう少し寝かせろよ……」
そう呟きながら背中を向けた男は、再び夢の中へ戻って行く。まったく起きる気配が無いのを見て、ガブリエルは攻勢に出た。
(まず、この部屋の暗さが良くない……)
ガブリエルは部屋の遮光カーテンを掴むと、シャっとそれを開け放った。すると、眩しい太陽光が一気に部屋の中を満たした。
「うっわ、眩しぃ……」
効果は抜群のようで、殺生丸はベッドの上でジタバタと藻掻き始めた。しかし布団をザザッと被ると、再び暗闇の中へ戻って行った……。
「おい……」
さてどうするか……。困り顔のガブリエルは、その場に座りこんで考えた始めた……。
そして、布団の中でスヤスヤと眠る殺生丸が違和感を感じたのは、しばらくしてからだった。
(あれ……? なんか、周りが騒々しいような……)
気になった殺生丸が布団から顔を覗かせると、目の前に自分の家があった……。
「は……? ……って、外かよここ!!!?」
おっかなびっくりしている殺生丸を、ガブリエルは遠目に見ていた。
(さすがに起きたか……)
それから、家に入ってきた殺生丸に朝食を用意してあげると、まだ寝ぼけ顔の殺生丸がチラっと時計を見て言った。
「おいおい、まだ九時じゃねーか……」
「もう九時だよ! いい大人でしょ、あなた……!」




