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緊急!馬車の大改造

クリック・タップありがとうございます!

よろしくお願いします!

 今は何時くらいだろうか。

 村を出て、馬も軽快に走り出した頃。

 さっきまでいた村は、うすぼんやりとも見えない。


「ちょっといいー?」

 

 そう、リセリナが前の世界の車でいう運転席、御者席(ぎょしゃ)から声を張った。


「んー?なにー?」

 こちらも同じくらいのボリュームで返す。


「ちょっと来た時からスピード落とすけど、いい?」

「べつにええよー。お前は?」

 そういうと、横のセランに向く。


「僕も大丈夫―」

「わかった。休憩したくなったら言うのよー」


「「はーい」」

 声をあわせる僕とセラン。

 魔王なアルバはそういうのはないが、僕らは人間。


「まっ馬車の揺れで、溜まったものが出ちゃったら、()()()()、もんじゃないですからねえ」

 ニヤニヤしながら言う。


「ん?」

 何言ってるのか、わからないようだ。


「いや、なんでもないです」

「ああ、そう?」


 セランには少し高度すぎるのか、はたまた低俗すぎて脳が拒否しているのか。


「ふっ」

 鼻で笑う向かいのアルバ。

 挑戦しない者に、挑戦者を笑う資格など、ないというのに。


 こんなことでこの言葉を使うと、最初に使った人に首を絞めながらボコボコにされても文句は言えないだろう。


「ふわっああ……まだちょっと眠いね」

「まあまだ寝とるしな普段」

「んーでも、9連休ってすごいよねー。今、何日目だっけ?」

「3日目だな。まあ余には、ほぼ関係ないがな」


 こいつは多分僕よりも学校に来ていない。

 前の世界の天皇ほどではないかもしれないが、かなり忙しいらしい。


 僕もバイトと冒険者稼業の両立で、苦戦していると言えばしているのだが。


「それにしても……ひまだねぇ~」

「なっ」


 少し眠いのもあるが、することがなくて動けないというのは、結構な苦痛だ。

 幸い、座席が柔らかいからまだお尻は痛くない。


「暇なら、小説なり読めばよかろう」

 何やら、紙束を読んでいるアルバ。


「いやあ、朝から小説は重いよお」

「ていうかアルバ、何読んどん?」

 そう言って、2人で覗き込む。


「これか。普通に仕事だ」

「ほーん……」


 そう聞いて、ちゃんとよく読んでみるが……


「よくわかんないね、はは」

「なっ」


 ただ、少しだけわかった。

 どうやら、魔王城の食事関係のことらしい。

 これ以外は、何らわからなかったが、束になっていることから他にもいろいろあるのだろう。


 そんなこんなで、また暇になった。


 暇がてら、代わり映えのない外を眺めていた僕とセランは、とあるものを発見した。


「ん?あれって……冒険者?」

「あーほんまや」


 それは、冒険者が依頼で魔獣を倒そうとしている光景だ。


 冒険者側は4人構成のパーティ、対して魔獣側は、近くにある家ぐらいに大きい。


「僕、何気に冒険者が戦うとこ見るの、はじめてかも。がんばれー!」

 興奮気味に言うセラン。


 そんな事は他所に、戦況は動く。


 魔獣が、大きな手を振り上げ、いかにも盗賊という感じの人めがけて振り下ろした。

 盗賊は、するりと避け、後ろに退く。


「おおー!」


 同時に、魔法使いらしき人が杖を前に出すと、魔獣の下に魔法陣が浮かび、顔から下をすべて氷漬けにした。


 そして荷物持ちだろう人の魔法の後、リーダーで剣士らしき人が、前へと駆け、腕を伝って顔へと飛び込み、火を纏った剣で首を掻き切った。


「おおー!!」


 セランは、遠くで喜び合っている4人の冒険者と同じくらい喜んでいる。


「コウキ君!冒険者って、かっこいいんだね!」

「あ、そう?」

「うん!もしかして、あの人たち知ってたりする?」

「いや?僕冒険者の知り合いあんまおらんし」

「そっか。いやあ何か、すごくいいもの見れた気分だなあ……はあ、いいなー……」


 一息つくと、いつものセランに戻った。



 そんなこんなで、僕らがやってきたのは学園都市。

 そう、戻ってきたのだ。

 なにやら、「反対側だし、しばらく休憩していきましょ。私もやりたいことあるし、じゃあとりあえず……3時。3時集合ね」とのこと。


「じゃっどうする?」

 背伸びしながら、2人に話しかける。


「んーなににしよっか」

「余は何でもよいぞ」

「そういうのが、一番困るんよなー」

「ねー」


 そんなことを言いながら歩く僕ら。

 別に眠くもないし、お腹は空いているのだが、何を食べたいとかそういうのはない、そんな気分。

 多分疲れもあるのだろう。


 そんなぼーっとしていると言っていい三人を他所に、街は活気に満ちている。


「一回家帰る?」

 今思いついたかのように、ふと現れたセランの提案。


 僕は、少し考えた後……


「んーぃやっそれはいいかなあ」

 特に理由はないが、何となく断った。

 いうなれば、気分じゃない。


「そっか……じゃあほんとになにしよっか」

 力のない声で空に囁くセラン。


「早く決めてよーセラン社長ー」

「僕社長じゃないよ。何も取り扱ってないでしょ。

そんなに言うなら、君に任せるよコウキ本部長」

「誰がやねん、嫌がる女社員無理矢理食事に連れてってないやろ」

「そこまで言ってないよ!?」


 何もやることもなく、途方に暮れていると、何やら見慣れた影を見つけた。


「あ!おじさんたちだー!」


 その正体は、この前言った店の娘さん、エマちゃん。


 こんなところで何をしているのだろうか。


「こんにちはエマちゃん」

 目線を合わせて挨拶するセラン。

 子供にすべき対応をさっとできるとは、流石。


「こんにちは!」


「ここで何してるの?」

 僕も同じようにして問いかける。

 実際昼とはいえ子供が1人なのは心配になる。

 たとえ比較的治安のいい学園都市だとしても、アメリカとかだと子供を一人では絶対出さないなんて言うし。


「えとね、おにくがたりなくて、おつかいしてたの!おじさんたちはなにしてるの?」

「僕らは帰省中だよ」

「きせい……?」


 子供には少し難しかっただろうか。

 確かに、この年だとあまり聞くこともないだろう。


 すかさず、セランが補足説明する。


「えっとね、お母さんとかお父さんのおうちに帰ることだよ。今は時間ができたから帰ってきてて、何食べようかなっていうところなんだっ」

「へー!だったらね、わたしののね、おみせにしようよ!」


 頭の片隅にその案はあったが、あそこまで美味しいならさすがに有名だろう。

 現に、学園ではその噂をよく聞く。

 しかもこんな丁度忙しいぐらいの時間に、3人で行くのは流石に迷惑ではないだろうか。


 ふと気になってアルバの方を見る。

 なにやら、キョロキョロしているようだ。


(何してん……)


「え、いいの?」

 僕の考えを組んだかのように聞くセラン。


「うん!ママもいいっていうとおもうよ!」

「んーじゃあ……そうしよっか!」

「まあそうやな。アルバは?」

「ん?ああよいぞ」

「やったー!」


 そうして僕たち3人は、嬉々として歩いているエマちゃんを先頭に、満点胃袋へ向かった。



━━━━━━迂闊だった。

 油断していた。


 あんなに、あんなに運転席の座席が固いだなんて。

 次の出発は3時。

 魔王様がいるし、絶対に遅れるなんてできない。


 しかし、コウキの実家、ストレア領はセラン君の実家とは比にならないぐらい遠い。

 それこそ、3時出発だし到着は明日になるくらいには。


 とりあえず今見つけるべきは……


1.座席の改造

2.追加の運転者(私との交代制)

3.運転者の休憩スペース


 まずは座席の改造は今すぐ掛かることができる。

 これは何とかなるだろう。


 次に追加の運転者。

 私なら、頑張ったら見つけられるだろうけど、確定で時間がかかる。

 これは後回し。


 最後に休憩スペース。

 これも座席の素材回収と一緒にいけるだろう。

 ただ、この馬車を引く馬、エアルグランドの牽引力(けんいんりょく)を超えないように注意しなくては。

 とは言っても、多分あと500kgはいけるだろうけど。


 とりあえず今は、全力で素材回収だ。


「急げ私ぃぃぃ!!」



━━━ご飯を食べ終わると、14:45頃になっていた。


「「ごちそうさまでした!」」「うまかったぞ」

「はーいまたきてねー」


 騒がしい店内を出て、店に入る前より少しだけ静かになった外へ出る。

 日差しも騒乱の変化を表すように、若干弱い。


「おいしかったー!」

「うむ」

「トイレきれいやったな」

「ねー!」


 僕らが向かう先は、住んでいるオコリ荘。

 正直少し休みたいような気もするが、言っている暇はなく……


「どうする?ちょっと急ぐ?」

「んー……別にいいと思うよ?結構近いし」

「余もセランに同意だ。それに、多少遅れたとて、リセリナなら許してくれるだろう」

「いや、そういうことじゃないけど……あと、リセリナさん優しくてもぜったいそういうことしちゃだめだよ!?」

 ピンとアルバに指さし、注意する、魔王に対して。

 セランもすっかり慣れたものだ。


「わ、わかっている」

 気圧されるアルバ。

 今のこいつには、威厳という威厳が感じられない。



 そうして適当に話しながら歩いていると、気づいたらオコリ荘に着いていた。

 目の前にはついさっき見た馬車、リセリナと、見知らぬポニーテールで一本角の魔族。


「初めまして、リセリナ様と同様。馬車の運転を担当します、アデリア・セリナークと申します。今回は、よろしくお願いします」


 きれいなまでの一礼。

 ファサッと舞う青髪。


 そのお手本のような、機械のような所作の奇麗さに僕とセランは、目を奪われていた。


今話読んでくれてありがとうございます!

どうでしたか、だいぶ途中って感じなので、今月中には続き出します!

もしよかったら、ご感想・ご指摘、ブックマーク、評価……とりあえず全部待ってるので、してくれたらめちゃくちゃ嬉しいです!

感想書くことなかったら質問とかでもいいです(できれば内容についてとかがいいですけど、思いつかなかったら関係ない質問でも全然いいです!僕はただ、読者さんと仲良くしたいだけですから)!

じゃっ!

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