異世界作りました
「なるほど、とりあえずベータさんが俺の作ったであろうロボットというのは理解したよ。そして、なんだかんだで高度な文明がある惑星があったことも聞いたよ。でも、なんでその時点で地球にいるであろう俺に報告しなかったんだ?」
ベータは確かに高度な惑星を見つけ、自分のアップグレードをした。その時点で地球よりも遥かに発展しているし、ライトノベルでもその時点で充分異世界扱いだと考えられる。しかし、
「はい、そうですね。ですが、ダメだったんです。」
「え?それはどうして?」
「魔法がなかったんです。」
「・・・・・・・それ重要?」
「はい!とても重要です!剣と魔法のファンタジーな世界に転生したい!とよく言っていた、というか吠えてましたから。」
「そ、そうなんだ。でも、そんな世界あるの?」
「もちろん!なかったです!」
「なかったのかよ。いい返事するからあったのかと思ったじゃん。」
かなり元気よく返事をするので勘違いしかけた来人だった。
「そう、なかったんです。困りました。これではあの約束を果たせません。それで私は最終手段を実行することにしました。」
「うーん、なにかすごい嫌な予感がするけど続きをどうぞ。」
「はい。ベータは考えました。そして、閃いたのです。ないのであれば作ればいいのですよ、異世界を!と。」
「いきなり、話がおかしくなったぞ?あれ?もとからおかしいのか?」
「そういうわけで地球というか太陽系銀河惑星の成り立ちを参考に再現しました。そして、その途中多少アレンジをして、人間がいて、剣と魔法のファンタジー世界になるように誘導したりしてようやく完成したのでマスターをお呼びした次第です。」
「もう、ツッコミどころしかないのでとりあえずベータさんが異世界作ったってことでいいですか?」
「はい、その認識でいいですよ。それと私はベータとお呼びください。さん付けはいらないです。」
こうして、来人はベータのかなりめちくちゃな説明を聞いて少し後悔しながら未来自分の無事を祈るのだった。