デートの乱入者は幼馴染勇者
来人とアイリーンは大通りにある店を見て周っていた。そんな感じでみて周っていく内に来人のアイリーンに対する緊張も徐々に無くなっていき、大通りを出る頃にはすっかり打ち解けており、どこからどう見てもカップルに見える程度には仲良くなっていた。ちなみにベータは一定の距離を保ちつつ護衛中。
「ねぇ、来人様?そういえば、来人様のご両親や親戚などのお話は聞けませんでしたが、どこに住んでいらっしゃいますの?ご挨拶に伺いたいのですが?」
大通りの次は貴族エリアに案内するというので歩いているとそんな話の内容になった。
「あー、その事なんだけど。ちょっと複雑な事情があるんだよねー。説明すると結構長くなるからどこかの店に入ってからでいい?信じられないかもしれないけど。」
「はい!来人様の事なら例え貴方が神と言っても信じます!」
「え?あ、うん。ありがとう、アイリーン。」
神は俺じゃなくて、おそらくベータだと思うぞ。何故ならベータがこの世界を作った張本人だからなー。
「あ!このお店がいいですよ!ここ料理が美味しいですよ!」
「うん、雰囲気も良さそうだし、ここにしようか。」
そして、2人はレストランに入った。店内はとても綺麗で接客も丁寧だったので2人共とても満足しながら料理を食べていた。
「じゃあ、俺の事を話そうかな。一応、アイリーンのご両親には言ってもいいけど、それ以外には口外しないでもらいたいんだ。たぶん、争いの火種になる。」
「え、えぇ。分かりましたわ。私、場合によってはお父様には言いません。」
「・・・・お母様には言うんだね。」
「はい、大丈夫です。お母様は秘密は絶対に口を割りませんから。お母様の秘密は10個くらいあると聞いてますがお父様は一つも、知りませんから。」
・・・・・・頑張れ、リーズベルトさん。
「わ、分かった。とりあえず説明するよ。」
来人はアイリーンに全て説明した。自分が元々この世界の人間じゃないこと、そして、その違う世界の事、その記憶が自分にはなかった事、実はベータがこの世界の創造者であることなど。とても信じられる話ではないはずだが、説明を終えた後の彼女の反応は予想の斜め上だった。
「まぁ!本当に神に近しい方だったなんて!しかも、従者が創造神様だったなんて!こんな素晴らしいことがあるでしょうか?いや、ない!流石、来人様!」
アイリーンは完全に信じていた。いや、信じているからこそリアクションが過剰とも言えないのでなんとか来人はアイリーンを落ち着けようとした。そんな時、
「うん?・・・・来人?まさか・・・・ね?」
離れたテーブルから突然そこに座っていた勇者の様な格好をした女の子が自分達のテーブルに近づいて来た。
「あーーー!やっぱり来人!あんたこの世界に居たの!?ていうか、どういう事よ!私いきなりこの世界に飛ばされて、勇者にされたんだけど、どうしてくれるのよ!!!」
デートの最中に突如現れた女の子に来人はまた何かに巻き込まれたと悟るのだった。




