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キャッチ&リリース

 ベータが200人の襲撃者を無力化して、襲撃者達を中庭に纏めて運んで来た時には屋敷の人間が驚きの余り叫び声をあげていたが事情を把握すると迅速に行動を開始し、襲撃者達を収監するために簡易式監獄結界という魔道具を持って来て襲撃者達を次々と放り込んでいた。さすがプロである。伊達に公爵家の使用人をやっていない。

 「は、はなせ!俺を誰だと、思っていやがる!俺はガイジス侯爵の息子だぞ!やめろ!」

 この叫んでいる太った青年はガイジス侯爵の息子ライル・ガイジス。襲撃者達を雇って襲わせた張本人である。

 「ま、まさか本当に全員捕獲してくるとは、すごいなベータ殿は王国戦士長より強いかもしれんな。」

 「いえ、雑魚が群れた程度でしたので強さの指標にはなりません。それと、そこの豚もどきがアイリーン様に不埒を働いた者で間違いありませんか?去勢して出荷したいのですが?」

 「うーん、いまいち状況が飲み込めてないんだけどやめようか、ベータ。ステイ。」

 「はい。承知致しました、マスター。」

 来人の言葉を聞いて引き下がったベータだが頭のアホ毛はブンブン荒ぶっている。まだ、諦めていないようだ。

 「す、すごい従者だね、ベータ殿は。それで、どうしようかそこのガイジス家のバカ息子。正直私も、ベータ殿と同意見なんだけど政治上そうはいかないんだよ。ここで、コイツを丸焼きにしてもトカゲの尻尾切りに合うだけで逆にガイジス家からの襲撃か、もっと陰湿なやり方での報復が待っているだろう。さて、どうしようか、婿殿。」

 「政治上のことについてはさっぱりなんですけど、そもそもなんで襲撃者達の中にソイツはいたんですか?」

 「それなんだが、なんでもライゼクス家の最後と娘の泣き叫ぶ姿を直接見たかっただけだそうだ。全くふざけている。」

 そのバカ息子は本当にバカだったんだろうな。冷静に考えたらついてくる危険性はかなり高いことはわかるだろうに。

 「それならその豚もどきを改心させれば良いのです、マスター。」

 「は?流石にそれは無理だろ、ベータ。そんな簡単に改心できるならこんな事件は起きてないだろ。」

 「いえ、正攻法ではなく、洗脳します。誰もが認める善人に。」

 「・・・・・・あるの?洗脳する方法?」

 「はい。問題なく実行可能です。洗脳しますか?」

 「ちょっと待ってくれ。洗脳?そんな上級魔法が使えるのね?というか洗脳魔法自体がそんなに便利なものではないと聞いたが。」

 「問題ないと思います。試しにこの豚で・・・・えいやっ!」

 ベータがどこからか不思議なステッキを取り出しライル・ガイジスを殴った。

 「お、おい!大丈夫なのか?かなりいい音が鳴ったが?」

 「俺の名はライル・ガイジス!ひとりはみんなの為にみんなは1人のために!今日も世のため人のために頑張るのさ!」

 「成功しました。豚から善良な村人にジョブチェンジしました。」

 「うん。とりあえず、ごめんない。」

 「い、いや。これはこれで良い事なのだよ。たぶん。」

 2人は思った。ベータには逆らわないほうが良いのだと。

 「少し考えたんですけどこのキレイなライルをガイジス家に潜入させれば、悪事の証拠を見つけてくるのでは?」

 「ふむ、悪くないな。こちらも今すぐ動かせる人員は少ないのでな。よし、その案でいこう。頼むぞ、婿殿。」

 「いや、頑張るのは綺麗なライルですよ。」

 「俺に任せてくれれば万事解決!大船に乗った気でいてくれ!」

 「「・・・・はぁ。」」

 先程まで人間のクズだったのが今では正義のヒーローみたいな振る舞いをしているのを見てため息しかでない、リーズベルトと来人であった。

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