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タチアナ5歳は…… 襲撃の原因を見付けた?


「このにんずう…… 下はムリだよ~……」


ベア美の肩で…… タチアナは、襲撃犯の多さに絶望する。


(二人で歩いている反応が…… 15…… この状況で普通に動いているから…… たぶん、襲撃犯の仲間…… 単純に計算しても30人…… さらに下の階もあるし…… それ以上の可能性の方が高い……)


3階から下のサーチ魔法に反応したのは…… 多数の敵……


(普通に階を降りての脱出は…… ちょっと無理だね…… さっきみたいに、壁の外からは……)


タチアナが外の様子を伺うと……


(あれは……)


地面に倒れている人達が見えた……


(建物の外を…… 狙撃している? 狙撃者がいるなら、さっきみたいに壁の外を釣り下がるのは危険か……)


食堂の窓を割った音が響いていたから、狙撃者達も警戒していると、タチアナは考えた。


(でも、この建物に人がいれる様な屋上は無い…… 4階と5階で襲撃犯を撃退したけど…… それらしい人は…… いなかった…… あとは…… 彼処かな?)


この建物は、元が小高い山の上に作られた5階建リゾートホテルだが……


タチアナが最初に登った螺旋階段の頂上には、6階建並の高さがある天望ホールがあった。


(天望ホールの外には、点検清掃の足場があるはず…… そこかな?)


襲撃犯を倒したので、ワイヤートラップを避けながら魔法で壁穴を開けながら、螺旋階段に戻った。


「このらちぇんかいだん…… かわっちぇるよね?」


天望ホールまでの吹き抜けに巨大な柱が1つ…… その柱に巻き付く様に螺旋階段が付いている。


その螺旋階段に、2階から4階までの各階から、橋が架かる様な構造だった。


(5階に戻ったけど…… 狙撃者は?)


タチアナは、螺旋階段の巻き付く柱の真上…… 天望ホールの中心でスナイパーを捜すが……


「いない……(この建物に入る時に殺られた人かな?)」


念の為にと、タチアナがサーチ魔法を使うと……


「ちとのはんのうは、ない…… けど……(この下…… 空洞がある?)」


タチアナは、柱の真上に立ち…… 足下を入念に調べると……


「ここ…… ちらく……(やっぱり…… 柱の中心部は空洞だ。手抜き工事? いや、中心を囲む様に補強されている…… エレベーターでも…… 付けるつもりで、やめたのかな?)」


貼り直された床材の下には…… タチアナが入れるくらいの開く穴の反応があった。


(ここ…… エレベーターなら…… 地下まで続いてるかな……)


魔力を流して、魔法で床材を剥がし、穴を開くと……


「これは……(意図的に作られてる? やはり、設置されなかったエレベーターホールかな……!? 魔力が吸収された…… 魔晶石? もしくは、魔水晶がある?)」


穴の深さを計測する為に…… 魔力を流してみると、穴の中で魔力が吸収された。


(この穴に…… 何かがある…… よし!)


タチアナは、魔法で剥がした床材を…… 穴を囲む様に戻して、リゾートホテルの時からある置物を台座ごと運び込む。


(台座に釣糸を引っ掻けて…… 私とお姉ちゃんは穴の中に……)


タチアナがベア美と柱の中心の空洞に入ると……


(後は…… 魔法で浮かした置物の台座を釣糸で引っ張り…… よし!)


タチアナは、穴の上に置物と台座で蓋をし…… 隠した。


「あとは…… ゆっちりと…… あっ!?」


蓋をした事で真っ暗になった穴の中…… タチアナを肩車したベア美の足が…… 滑った。


「ひぃ!?」


浮遊感に悲鳴を上げそうになったけど、居場所がバレない様に必死に声を殺しながら……


タチアナとベア美は、暗闇の中を落ちて行く……


バン! ジャラジャラ……


「あれ……(浅い? それに…… 金属が擦れる音?)」


2階から落ちたくらいの落下で着いた空洞の中には……


「あかりは……」


タチアナは、ウサシャンの中からライトを取り出すと……


「これは…… きんか?」


タチアナとベア美の足下には…… 金貨や銀貨に宝石や装飾品で埋め尽くされていた。


「これが……(ここが襲撃された理由? でも、これって……)」


タチアナのいるこの柱は……


この建物の中心……


このお宝目当てに、下手に壊すと…… 建物に潰される。


(ちゃんとした手順通りじゃないと…… たぶん、お宝と自分の命が無くなる仕掛けかな?)


タチアナは、魔法で侵入したけど……


普通に重機等で開け様としたら……


建物のごと崩壊する様に設計された建物の様だ。


「でも……(襲撃犯達は、このお宝の存在を知ってる…… って事は、この建物を作った人の……) かんけいちゃ?」


襲撃犯が、このリゾート施設の関係者の可能性が高い事が解ったタチアナは……


「ウサシャン…… まだまだはいるよね?」


ウサシャンリュックのチャックを全開にして…… 逆さに置く。


「たっあ~んと…… お食べ♪」


ウサシャンの中に金貨に銀貨、宝石や装飾品が吸い込まれて消えていく……


ジャラジャラジャラ……


カジノのスロットが大当たりした時の様な音を鳴らしながら、タチアナとベア美の足下の財宝達が消えて……


「うん? かたい…… ゆかにちゅいた?」


タチアナのウサシャンは、財宝を吸い尽くし……


柱の中心の空洞の底に…… 辿り着いた。



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