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タチアナ5歳は…… 世界一不運なダイがハードな幼女!?


~ タチアナのいる病院を襲撃した犯人の一人視点 ~


「な!?」


今…… 俺の斜め前にいたヤツが後ろに飛んだ…… 自分で飛んだんじゃなく…… あれだ。車に撥ね飛ばされたヤツみたいに飛んだんだ。


「くっ!」


俺達の部隊リーダーが、ヤツを吹き飛ばした存在に銃口を向けたので、俺も急いで銃口を向けてソイツを見た……


「な…… く、くま!?」


銃口の先には…… 子供に風船かお菓子でも、配っていそうな熊の着ぐるみらしき姿が見えたが……


「があはぁ!!」


一瞬の内に、二人目が殴り飛ばされ…… 俺の目の前も暗くなった。


 ・

 ・

 ・


~ タチアナ視点 ~


「とりあえずは…… 大丈夫かな?」


侵入者の4人は、おねえちゃんの姿に驚いた瞬間に…… おねえちゃんの部分硬化パンチで、壁埋めになりました。


(装備は回収して、後は布を咬まして…… 土魔法で頭以外を壁に埋めよう)


タチアナは、侵入者達がめり込んだコンクリートの壁にふれると……


ベア美のパンチで…… ヒビだらけになった壁が波打ち、侵入者達の身体が壁の中に沈み込んだ。


「あとは…… この階にはいないみたい?…… サーチ魔法で下に反応がある……」


下の階に反応があるけど…… おねえちゃんの大きさを考える…… 見付かる可能性が高いんだけど…… エレベーターは、居場所がバレるよね…… また階段か……


ベア美に肩車したタチアナは、階段に向かった……


 ・

 ・

 ・


(4階、職員用に食堂や雑貨店があるから…… この先の事を考えても、食料と飲料に日用雑貨を持っていきたいけど…… そうだ!)


タチアナは、マジックリュックのウサシャンから…… 母の手作りヌイグルミ栗鼠の【りっちゃん】と、父のキャンプ道具から釣具の電動リールを取り出した。


(りっちゃん…… お願いね)


りっちゃんに電動リールの釣糸を繋いで、魔力を流すと……


ヌイグルミ栗鼠のりっちゃんは、本当の栗鼠の様に動き出す。


タチアナは、りっちゃんの目の魔晶石にカメラの様に見た物を自分の左瞼の裏に投影する魔法を付与して…… 繋いだ釣糸で遠隔操作する。


(よし…… りっちゃん、ゴー!)


ヌイグルミ栗鼠のりっちゃんは、釣糸を引いて4階に消えた……


(さーて…… うわぁ~)


りっちゃんからタチアナの左瞼に投影された4階の姿は……


(糸? 映画で見た…… ブービートラップってヤツかな?)


父と見た…… 元軍人が暴れまわる映画で見たタイプのワイヤートラップの様だ。


(爆発物がセットされてるって事は…… この装備、プロの軍人テロリストかな?)


りっちゃんの目からの投影に、張り巡らせられたワイヤーの先にアーミーカラーの箱が繋がれているのを確認しては…… 魔導具化した電動リールからサーチ魔法を送り込む。


(トラップの先に反応…… 目眩まし系のトラップかな?)


タチアナは…… トラップの近くに人の反応がある事から、爆発の威力が低いか閃光や煙幕系のトラップだと分析した。


(おねえちゃんの大きさから…… ワイヤーを潜り抜けるのは、無理だし…… 私だけだと、待ち伏せてる人達にやられるよね…… 位置的には…… いけるかな?)


タチアナは…… ウサシャンからリールを取り出した。


 ・

 ・

 ・


~ タチアナのいる病院を襲撃した犯人の一人視点 ~


「おい、上に行った奴等…… 遅くないか?」


「そうか?」


「大方、金目の物でも漁ってんだろうよ」


「チキショー…… 俺も彼方に行けば良かったぜ」


「撃ち合いになりそうで面倒くさいって、一抜けしたのは誰だよ?」


「うるせぇ! 居住区って言うから、警備員の一人や二人がいると思うだろうが!」


「お前がうるせぇよ。そこそこの国の軍隊並み装備で、警備員ごときに怖じ気付きやがって……」


窓からの光が遮られたので、ワイヤートラップの先で隠れていた襲撃犯達の会話が止まると…… ガッシャーン!!!


「うわぁ!?」


「何だ!? 敵襲か!」


「は、えっ、く…… くま?」


窓を突き破り、空中三回転して片膝着きの着地をした…… ベア美が瞳の魔晶石を煌めかせて立ち上がった!


 ・

 ・

 ・


~ タチアナ視点 ~

 

(うぅ…… ひぃん…… 着地は成功! りっちゃんと釣糸を回収を……)


ベア美に肩車でカジキ用の釣糸での降下に……


涙目のタチアナは、魔導具化した電動リールでりっちゃんに結んだ釣糸を巻き取りながら、手動式リールで自分達の降下に使った釣糸を巻き取る。


「この!?」


そうこうしている間に銃口を向けて来た襲撃犯には……


ドッゴン!

「ゴハァ!」


肉の塊にハンマーを叩き付けた様な鈍い音とともに……


襲撃犯が…… 一人、また一人と…… 壁に飛ぶ。


(この装備に人数…… ただのテロでは無いと思うけど…… 目的は何?)


5階の襲撃犯と同じ様に、装備を回収したら壁に埋め込むと……


タチアナは食堂と雑貨店で、食料と飲料に日用品を回収をしながらも、襲撃犯の目的に疑問を感じながら急いだ。


(次は…… 3階の病院区域だけど…… うわぁ~)


サーチ魔法に引っ掛かる人(たぶん襲撃犯)の多さに……


タチアナは、うんざりした。



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