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無双するヌイグルミ達…… ベア美達は、ひっそりと進化していた!?


「ギャイン!?」


リップクリームに描いてある少女の様な服装のスカートをはためかせて……


一匹、また一匹と、タチアナを狙った野犬を吹き飛ばすのは……


「お、おねいちゃん…… なんで……」


生まれた時から姉代わりとして、ず~っと側にいた…… 熊のヌイグルミのベア美だった。


「ギャイン!ギャイン!」


その姿は…… 日本の日曜の朝に放送されるプリティでキュアな初代の黒い光の使者並みの動きをする…… 服を着たベアッ○イだった。


「ひっ!? う、ウル…… も?」


あまりの事に唖然としていたタチアナの背後に、通常の狼の2倍はある剥製並みにリアルな狼のヌイグルミ…… ウルがタチアナを守る様に寄り添っていた。


「な…… なんで…… なんで、かってにうごいてるの?」


自分の魔力による操作を受けていないのに…… 目の前で野犬を倒すベア美や、自分を守る様に動くウル…… 何時の間にか、自分の頭に張り付いていた…… りっちゃんが威嚇行動をしていた。


「ママ!」


「は、ハナ?」


「ママ、此方に!」


ハナが近くの樹木の上から、タチアナを呼んだので……


「きのうえ…… にゃら!」


タチアナは、ポシェットのポンチから大物釣り用の電動リールを取り出して、糸の先に土魔法で魔晶石を嵌め込んだ鏃を括り付けて……


「えい!」


ハナのいる樹木の枝に投げる!


「よち、まきとり…… おん!」


電動リールがモーター音を上げると…… タチアナの身体が空中に浮かび上がった!


「やあ!」


魔導具化した電動リールを使い…… タチアナは有名な蜘蛛男や巨人に挑む兵士達の様に、ハナのいる樹木に向かって飛び上がった!


「ひぃ…… やん!?」


激突しそうになりながらも、タチアナは樹木に張り付いた。


「ママ、大丈夫?」


「うぅ…… うん……(ちょっと…… お股が冷たいけど……)だいじょうぶ……」


「キャイン! キャイン!」


ハナのいる樹木の枝は、野犬の登れない十分な高さだったので……


「た、たかい…… おねいちゃん…… だいじょうぶかな?」


タチアナは、樹木の枝だから下を覗き込むと……


ウルに股がったベア美が…… 野犬に一騎当千を思わせる様な…… まさに無双をしていた。


「お、おねいちゃん……」


その姿は…… 何処ぞの拳法使いの世紀末覇者の様だった。


「はう!?(こ、これは…… 魔力? おねいちゃんから魔力を感じる?)」


枝の上から覗いていたタチアナは…… 野犬供を吹き飛ばすベア美とウル、頭に張り付いてるりっちゃんから魔力が発生している事に気付いた。


「(でも…… なんで……)ま、まちゃか!?」


タチアナの頭の片隅で、前世の知識が〝ある可能性〟を示す……


それは……


「おねいちゃんたちが……〝まもの〟になった……」


タチアナの前世では…… ある有名なダンジョンの話があった。


そのダンジョンとは、とある国にある大昔の別邸だった場所……


タチアナの生きた時代では、深い森の中にある豪邸だったのだが……


本来は、大都市の貴族街にある邸宅の1つだったらしい……


しかし、その大都市は……


ダンジョン化した貴族の別邸だけを残し、跡形も無く深い森になった。


そのダンジョンの名は……【生ける人形の館】。


リビングドールとリビングアーマーだけが巣食うダンジョンである。


「たちか……(うそかまことか…… 亡くなれた貴族令嬢を剥製にしたとかで…… その剥製がリビングドールになった……って言う話だったけど……)そのげんいんが……(剥製の目に……〝魔石〟をつかったから……)だったんだけど…… まちゃか……」


そのまさかの現象が起きていた……


それには、複数の要因が重なり合っていたのだが……


「大丈夫だよ。ママ♪」


「ハナ?」


「ベア美さん達…… ハナと〝同じ〟だから♪」


「ハナと? おなじ…… ちぇいれいしゃん!?」


タチアナは、前世の知識を手繰り寄せて思い出した。


リビングドールやリビングアーマーの様な現象が起こる事を……


長い間使われた武具や道具等に…… 魔力がやがては宿り……


〝精霊化〟する事を知っていた。


日本での九十九神で、西洋でのシルキーやデュラハンである。


タチアナが生まれてから、無意識に放出し続けた魔力を……


製作に使われた魔晶石の装飾品で、自然に吸収していたヌイグルミ達は……


タチアナがハナを生み出す時に作った魔法陣を通じて、ダンジョンの〝魔素〟も吸収した事により……


魔晶石の中のタチアナの魔力とダンジョンの魔素が混ざり合い……


上級魔宝石である〝精霊石〟に変異していたのだった。


精霊石は、周囲の環境に合わせた精霊を生み出すといわれる魔宝石……


生まれてからの約5年間の月日……


タチアナの家族との時間と感情等を魔力と吸収したヌイグルミ達に……


〝とある感情〟が芽生え始める……


それは…… タチアナの両親の願いでもあった……


「どうか、この子が健やかに育つ様に……」


「悪い事や苦しみから……」


「きみ(あなた)達の妹を…… 守って(ね)くれ……」


(わたしは…… ベア美…… 妹は…… タチアナは、わたしが守る!)


日本での雛人形や五月人形の様に守り神代わりにと…… タチアナの両親が用意したヌイグルミ達が、真にタチアナの守り神に進化したのだった。



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