おお勇者よ死んでしまうとはなさけない
一発ネタ
『おお勇者よ、死んでしまうとはなさけない、再び魔王に立ち向かうのじゃ、世界に平和をもたらす日まで』
『申し訳ありません王様!今一度魔王討伐の旅に出てきます!』
『......行ったか大臣?』
『はい王様』
『うむ、では職務に戻るとしよう』
『仰せのままに』
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『王様!勇者です!』
『何またか、よし、玉座へ向かおう』
『準備はよいな?では蘇生魔法を』
『直ちに』
『おお勇者よ、死んでしまうとはなさけない、再び魔王に立ち向かうのじゃ、世界に平和をもたらす日まで』
『申し訳ありません王様!今一度魔王討伐の旅に出てきます!』
『...あやつ死にすぎではないか?』
『誠にもって』
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『王様、勇者です』
『また!?さっき復活させたばっかじゃぞ!?』
『ゴホン、あーあー、良し起こせ』
『おお勇者よ、死んでしまうとはなさけない、再び魔王に立ち向かうのじゃ、世界に平和をもたらす日まで』
『申し訳ありません王様!今一度魔王討伐の旅に出てきます!』
『うむ、死なぬようにな、武器や防具を整えて、薬草を買って、酒場で仲間を集うのじゃ』
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『王様』
『馬鹿なのかアイツは!?まだ始まりの町じゃぞ!?この辺なんてカラスかウサギかスライムくらいしかおらんじゃろ!?さっさと起こせ!』
『おお勇者よ、死んでしまうとは本気で情けない、お主に魔王を討伐出来るとは思えんが、出来るだけ頑張ってみてくれ、世界に平和をもたらす日まで』
『申し訳ありません王様!今一度魔王討伐の旅に出てきます!』
『うむ、体力が減ったら回復するのじゃぞ、勝てない相手からは逃げてもよいのじゃぞ』
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『王様』
『うむ、よし分かった、無理じゃろこれ、とにかく起こせ』
『おお勇者よ、もう諦めよ、お主に魔王討伐は無理じゃ、田舎でのんびり暮らすが良い、他の誰かが世界に平和をもたらす日まで』
『申し訳ありません王様!今一度魔王討伐の旅に出てきます!』
『お主ワシの話を聞いておったか?』
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『王様』
『もう良い、起こすな、棺桶のまま放置しておけ、ワシが代わりに旅に出る、国の事は任せるぞ大臣』
『仰せのままに、では王様、魔王に立ち向かうのです、世界に平和をもたらす日まで』
そうして王様は旅に出た、後に数多の試練を乗り越え、仲間達と共に、遂には魔王を討伐した王様の、記念すべき旅立ちの日の事であった。
誰かこのネタで一本書いてくれませんかね