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タスケロハムニダ ウマルちゃん!!

作者: 塩坂越

 解放された直後、ウマルは言った。

「園児が思いつくような、形容しがたい、

例えば糞みたいなYoutuberの企画でコメント欄に蛆が沸く悪夢のような光景、

そんな嫌がらせを受けていたんです」

「例えば、それはどういった内容でしょうか?」

インタビュアーが詰め寄り大声で質問を投げかける。

「ある時は、缶詰はあるのに缶切りが無い。

私はそれをどうやって切り抜けるのか、私を人質に取った人達は見ているんです。

例えるなら『ロープにぶら下がっているバナナを猿がどうやって取るか』を観察して笑う。

そういったイタズラをずっと受けていました」

ウマルは健康な足取りでそう答えた。

どうやら3年にわたる監禁生活による日常への支障は無いようだ。

「そんな凄まじい」「虐待だろう」「人権を何だと思っているんだ」

「こんな女の子に対して」

ウマルから返答を聞いた人々が一様に声を挙げる。

しかし

「解放の手助けをしてくれた方々に感謝の言葉は無いのでしょうか!?」

と性質の違う言葉を投げかける者もいた。

感謝?とウマルは疑問に思った。

ウマルは確かに外の世界から見れば過激派組織に自ら捕まりに行ったのだろう。

しかし真実はそうではない、ウマルと彼らはもう既に仲間のようなものだ。

いや、衣食住が保証されて現在健康にも問題が無いと医師から太鼓判を押される程

優遇された環境下で生活が出来ていた、それは彼らのおかげなのも事実。

ウマルがもし転生後わけもわからず紛争地域をさまよっていたならば

正しく死んでいてもおかしくはなかったのである。

であれば

「助けてもらった、などと言われたくない」

ウマルがこう言ってしまうのも、当然だったのかもしれない。


そして、時は遡り13年前。

そう、それはウマルがウマルとして転生した頃である。

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