プロローグ
この世界には、七人の英雄たちがいる。
天の英雄。火の英雄。雷の英雄。水の英雄。風の英雄。森の英雄。光の英雄。命の英雄。
この七人が聖地、エデンに集まる時、この世に下される制裁から人々を救う事が出来ると、全世界で
言い伝えられている。
前回の制裁は、ノアの大洪水。その時、箱舟に乗っていた内の七人がこの英雄である。
天の英雄は、他の英雄たちをまとめ上げ、雷の英雄は、大気を、火の英雄は、灯火を
水の英雄は、大海を、森の英雄は、自然の潤いを、光の英雄は、闇を照らし、命の英雄は、
全ての生物に、命を与え、大洪水の後の世界を再構築したため、英雄と呼ばれる。
おまけに天の英雄は、神の声を聞く事が出来、生かす人間と生かしてはいけない人間を選ぶ
人間選別も担っていた。
そしてまた、この世は制裁を再び下される事になる。
前回の制裁の理由は、カインの一族の繁栄によるものだった。
神は、かつて弟を殺したカインを汚人として見ていたが、神はカインを討伐対象とではなく、カインを
許した。その結果、カインの末裔であるカインの一族は、不正と犯罪を起こすものが増えて行き、
次第に地球は汚染されて行った。元々、こういう事も考慮していた神は、二人の弟であった
セトに、英雄の力を授けた。その後、セトに息子が生まれた。名は、エノス。しっかり、英雄の力を受け継いでいた。
今回の制裁の理由は、人工知能の普及による、人間の衰退。
人工知能は、人類だけでなく、地球をも滅ぼそうとしている。神の作ったこの清き星を、汚すものを作った時点で犯罪らしい。
なぜ、俺がそんな事を知っているか。
それは、俺が、2代目の天の英雄だからだ!