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7つの異世界  作者: 幡賀 吉紗
~最後の世界編~
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元・世界最強

 

…彩夏と春美。

春美「貴女達は、ここで終わりよ♪」

また春美は動かず、表情を変えずにいる。両手を自分のロングスカートに添えたまま。

彩夏「…いつ仕掛けてくるか読めない…」

と言っていたのも束の間、背中から攻撃を受けた。

彩夏「うっ…!」

春美に注視していたにも関わらず、全く分からなかったためにダメージを受ける。

彩夏「くそっ…本当に分からない…!」

春美に注視しながら、それでも少しずつ攻めていく。

春美「武の道を極めると、こうして動かずに攻撃することも可能♪」

全く攻撃に移る素振りを見せずに攻撃する。

彩夏「っぐ!」

その時、彩夏は閃いた。

(…防御を捨てて注視に意識を集中させるか。攻撃する瞬間、何かしらあるはずだ…それさえ掴めれば…)

春美「…? 私の技を攻略する気? 無理よ♪」

雰囲気から悟り、技を仕掛けて近づかせないようにする。

彩夏「…っ!」

しかし、彩夏は何度も仕掛けている春美から発見した。

(…っ! なるほど、誰もが注視しない場所が動いてる…! これは発見するのに苦労するわ…。まさか、ずーっと隠してる親指が合図だったとは…! 見えないようにずーっと手を添えてたから、気付こうにも気付けなかった…)

とんでもない集中力と、彩夏の閃きあってこその発見だった。

しかし、そう簡単には攻略出来ない。注視しながら、動いたか動いてないか見極めなければいけない上に、それを見極めて技に対応しなければならないからだ。

ただ、この時は未だ、動いてから攻撃してるのか確認するために、一度捨て身になる。

「…」

春美の手の動きに集中する。すると、指が動いた。

(今は右手の親指…)

右手親指が動いた後、背中から攻撃を受けた。

彩夏「…うぐっ! また背後から…!!」

と言いつつも、春美の動作による攻撃パターンは見破れた。

春美「読めないでしょ? 諦めなさい♪」

彩夏「いや、私は諦めない…!」

そう言った直後、春美は左手の親指を動かした。

(今度は左手の親指…)

今度は正面から来た。しかもガードを突き破ってくる鉄鉱弾。

彩夏「うっ!! 今度は正面…!」

春美「早めに諦めないと、貴女…死ぬわよ♪」

今度は両手の親指が動く。

(両手…!? 3パターンあるのか…!!)

その時、謎の重力感によって身体が重く感じてしまう。

(…っ!? 両手の時は、重力操作か…? いや、違う! これは重力じゃなく、私の周りの空間を圧縮してる!?)

春美「これで終わりよ♪ 見破れずに死にゆく姿を見せて♪」

この圧縮に対して、彩夏は膨張させ始めた。

彩夏「圧縮されてるなら、膨張させるまでだ…!」

春美「…!」

その時、彩夏が逆応魔覇を使い始めた。

春美「っ!? こ、これは…!!」

親指を止める。何かが逆流する気配を察知した。

(危なかったわ…。私の周囲の空間が圧縮されかけた…)

彩夏「…悪いけど、春美さんの攻撃は読めた」

遂に彩夏は勝利宣言をする。

春美「…!?」

(まさか…防御を捨ててたのは、私の攻撃を読むため!? …でも、そう簡単には攻略出来ないわよ?)

春美は無意識に親指を動かしているようだ。

彩夏「…攻撃が最大の防御!」

攻めに行く彩夏。お構いなしに春美は攻撃を仕掛ける。

(…! 右手親指!)

防御を背中側に回し、不意打ちを避けきった。

春美「…っ!?」

少し動揺した。今まで見破られたことが無かったからだ。

春美「…」

彩夏(今度は左…いや、両手か!)

春美の両親指が動いた。

彩夏「…っ!!」

圧縮と膨張を中和させ、何もなかったように攻め続ける。

春美「…効いてない!?」

思わず口にしてしまう。その言葉は、彩夏の勝利の予感をよぎらせる。

彩夏「だから言ったのに…。諦めない、って」

その時、自分の技として取り込む。すると春美は対処出来ずに

春美「…っ!? な、なんで私と同じ事が…!?」

彩夏も動かずに仕掛けたため、何を読まれたのか分からないままの春美には、どうすることも出来ずに撃沈。

春美「っ…。自分の持ち技に…やられるなんて…」


彩夏「…厄介な相手だった。でも、貴女は殺さない。貴女も、朱に操られて悪になってる1人に過ぎないから…」


祖源支配オリジンルールと同じように、心の中に埋め込まれた“殺欲”を壊す。


春美は、彩夏の手によって朱から解放されるのであった。


 

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